ひと口に別口入力というからには、やはり文法的な勘所で使われてマーキングの有効性の高いものがこちらの意図する狙いどころとなります。
どちらかというと語尾変化部分や終端要素になるものが場面に関わらず求められる出番が多いものではないでしょうか。
…それを踏まえて前回に続きまして今回別口入力として検討したいものは、ル形動詞命令形「れ」です。
そもそも「れ」で終わる命令形をもつ動詞は限られており、命令形について動詞一般には「聞け」とか「放せ」みたいにル形以外のさまざまな語尾があるので適用範囲が狭いといえば狭いのではありますが一応検討候補に挙げてみたいと思います。
ただメリットもそれなりにあり、ル形に限っているということはルールが限定的なので従来の別口入力体系に抜本的な見直しを迫るものではないので受け入れやすいという側面があります。
これまでの定義ではル形動詞の変化派生のうち[ぐぐれかと]/[ぐぐりかと]をワイルドカード入力で捌くときに近隣の接続語句情報をもってしてもコンピュータでの自動判定はどちらともとれる(一意な決め手がない)ためユーザーに選択をゆだねるという解決策をとっておりました。
どんな方法かというと「ぐぐ[×r]とはなにごとか」と入力し終えたときに[通常変換]のキーを押して変換してみたら「ググりとは何事か」が変換候補筆頭に出てしまいこれを修正するプロセスが煩雑ではないかという問題をはらんだものでした。
[通常変換]キーを追加連打して「ググれとは何事か」が出てくるまでウインドウでの選択/連打候補選択していくことで一応の解決をみるものだと想定しておりますが、文章の種類/性質によっては次点候補にすらのぼらずにいたり区切りチャンクがとばされて違う語の変換にフォーカスがあたっていたりするなどユーザーの意図にそぐわない選択提示がなされる懸念が考えられます。
リズムよく入力していっていてもそうとは知らずに要修正な箇所を通り過ぎて行ってしまい、最後に一括変換をしてみたらスッキリ一発変換できずに終わりなんだか不完全燃焼になってしまうのではせっかくのIMEが台無しです。
後付けで当該部分をトグル式に「り」→「れ」と直していくプロセスでの解決手段もなかなか頑張っているとは思うのですが変換後に不備アリ、とさかのぼって修正させる…というのはユーザーの思考の流れを断ち切ってしまうためできるだけ避けたいところなのです。
今思い浮かぶ改善案としては逐次弁別:つまり未変換文字列のままでも[×r]のストローク部分が出てきた時点でトグル打鍵を数回して「れ」/「り」を仮Fixさせる…というものです。
後続の文章内容を得ていない段階で判別しようというものですから、[○R]は「る」で固定されているからいいものの[×r]は「ら・り・れ・ろ」どれが妥当か判断に決定材料がないので愚直に「ら→り→れ→ろ」とトグルするとういう挙動になるかもしれません。
もちろんこれでは面倒なので「り」/「れ」選択の前段にあることが濃厚であることから「り」・「れ」をトグル上位にもってくるなどすればいくらかはマシにはなるかと思います。
とはいえこの調子ではそもそもワイルドカード入力とは一体何だったのか…という根源的な疑問に行きついてしまうのでそれでは何か違った提案はないのか、ということで新規の別口入力に役目を担わせる…ということになったのです。
ル形動詞命令形「れ」の別口入力が採用されれば、「ぐぐれ」/「ぐぐり」のうち少なくとも「ググれ」は明確に指定されることになるので判断に迷う場面も格段に減る効果が見込まれます。
関連的な二点のうち一点が確定的なら芋づる式に残った他方もほぼ決まっていく効果もあって、ワイルドカード解釈の困難な例:「ぐぐれ」/「ぐぐり」の区別に一定の解決策を与えるのでそれなりに評価できるアプローチであるかと思います。
後続語句との連接では「ぐぐれとか」「ぐぐれかと」などのように命令形の言い切りが終端部で終わることなく助詞が後続する例もありますがこういった例に対応できて文解析上も非常に助かるので好都合です。
用法的にも「ググりコピり」などのように「り」を重畳的に連続させる例はあまり見ないものの、「ググれコピれ」のように「れ」では重ね使いの言い回しも十分考えられ、そういった場合でもリズミカルに別口入力できるといった長所があります。
…以上のようにル形動詞の命令形に限るということで適用範囲は狭いもののそれなりのメリットも見込まれる案となっています。
ただ細かい事を言えば以下のような見解も押さえておいた方が良いでしょう。
・マーキングが文解析の助けとなる一面もあるが「ぐぐり」は連用形転成名詞なので[三属性変換]-[属性イ(名詞)]で指定すれば済むという意味で代替手段はある
・「ぐぐれ」も同様に[三属性変換]-[属性ロ(動詞)]で変換すればよい
・従来のトグル連打による選択は加えて学習結果も加味するので一概に劣った解決策であるとも言い切れない
最後のトグル連打に関して言えば、通常変換での一括変換後にチャンク・フォーカス不如意の事態をなくすべく、修正作業を最低限に済ませるために通常変換を押したのちのトグル数回押しの場面ではその場でのチャンク・フォーカスの提示に関係なく最も適切なトグル選択部分の決定を優先する…というところまでインターフェイスを作り込んでいければ問題ないかと思います。
理想といえば理想ですが、ユーザーの意図するコンテクストを汲んで選択場面でのまごつきをなくす仕組みがあればこのような別口入力のために貴重なリソースを使わなくて済む、ということです。
それに未変換文字列の最後まで読んで一括に変換するということは、前後の文脈も把握できて学習効果も存分に生かされるという点も期待できます。
せっかく別口入力検討候補に挙げたのですが代替策があればそれに越したことはないので、どうしてもという必然性・不可避性も吟味のうえで欠かせないファクターになってくるかと思います。
どちらかというと語尾変化部分や終端要素になるものが場面に関わらず求められる出番が多いものではないでしょうか。
…それを踏まえて前回に続きまして今回別口入力として検討したいものは、ル形動詞命令形「れ」です。
そもそも「れ」で終わる命令形をもつ動詞は限られており、命令形について動詞一般には「聞け」とか「放せ」みたいにル形以外のさまざまな語尾があるので適用範囲が狭いといえば狭いのではありますが一応検討候補に挙げてみたいと思います。
ただメリットもそれなりにあり、ル形に限っているということはルールが限定的なので従来の別口入力体系に抜本的な見直しを迫るものではないので受け入れやすいという側面があります。
これまでの定義ではル形動詞の変化派生のうち[ぐぐれかと]/[ぐぐりかと]をワイルドカード入力で捌くときに近隣の接続語句情報をもってしてもコンピュータでの自動判定はどちらともとれる(一意な決め手がない)ためユーザーに選択をゆだねるという解決策をとっておりました。
どんな方法かというと「ぐぐ[×r]とはなにごとか」と入力し終えたときに[通常変換]のキーを押して変換してみたら「ググりとは何事か」が変換候補筆頭に出てしまいこれを修正するプロセスが煩雑ではないかという問題をはらんだものでした。
[通常変換]キーを追加連打して「ググれとは何事か」が出てくるまでウインドウでの選択/連打候補選択していくことで一応の解決をみるものだと想定しておりますが、文章の種類/性質によっては次点候補にすらのぼらずにいたり区切りチャンクがとばされて違う語の変換にフォーカスがあたっていたりするなどユーザーの意図にそぐわない選択提示がなされる懸念が考えられます。
リズムよく入力していっていてもそうとは知らずに要修正な箇所を通り過ぎて行ってしまい、最後に一括変換をしてみたらスッキリ一発変換できずに終わりなんだか不完全燃焼になってしまうのではせっかくのIMEが台無しです。
後付けで当該部分をトグル式に「り」→「れ」と直していくプロセスでの解決手段もなかなか頑張っているとは思うのですが変換後に不備アリ、とさかのぼって修正させる…というのはユーザーの思考の流れを断ち切ってしまうためできるだけ避けたいところなのです。
今思い浮かぶ改善案としては逐次弁別:つまり未変換文字列のままでも[×r]のストローク部分が出てきた時点でトグル打鍵を数回して「れ」/「り」を仮Fixさせる…というものです。
後続の文章内容を得ていない段階で判別しようというものですから、[○R]は「る」で固定されているからいいものの[×r]は「ら・り・れ・ろ」どれが妥当か判断に決定材料がないので愚直に「ら→り→れ→ろ」とトグルするとういう挙動になるかもしれません。
もちろんこれでは面倒なので「り」/「れ」選択の前段にあることが濃厚であることから「り」・「れ」をトグル上位にもってくるなどすればいくらかはマシにはなるかと思います。
とはいえこの調子ではそもそもワイルドカード入力とは一体何だったのか…という根源的な疑問に行きついてしまうのでそれでは何か違った提案はないのか、ということで新規の別口入力に役目を担わせる…ということになったのです。
ル形動詞命令形「れ」の別口入力が採用されれば、「ぐぐれ」/「ぐぐり」のうち少なくとも「ググれ」は明確に指定されることになるので判断に迷う場面も格段に減る効果が見込まれます。
関連的な二点のうち一点が確定的なら芋づる式に残った他方もほぼ決まっていく効果もあって、ワイルドカード解釈の困難な例:「ぐぐれ」/「ぐぐり」の区別に一定の解決策を与えるのでそれなりに評価できるアプローチであるかと思います。
後続語句との連接では「ぐぐれとか」「ぐぐれかと」などのように命令形の言い切りが終端部で終わることなく助詞が後続する例もありますがこういった例に対応できて文解析上も非常に助かるので好都合です。
用法的にも「ググりコピり」などのように「り」を重畳的に連続させる例はあまり見ないものの、「ググれコピれ」のように「れ」では重ね使いの言い回しも十分考えられ、そういった場合でもリズミカルに別口入力できるといった長所があります。
…以上のようにル形動詞の命令形に限るということで適用範囲は狭いもののそれなりのメリットも見込まれる案となっています。
ただ細かい事を言えば以下のような見解も押さえておいた方が良いでしょう。
・マーキングが文解析の助けとなる一面もあるが「ぐぐり」は連用形転成名詞なので[三属性変換]-[属性イ(名詞)]で指定すれば済むという意味で代替手段はある
・「ぐぐれ」も同様に[三属性変換]-[属性ロ(動詞)]で変換すればよい
・従来のトグル連打による選択は加えて学習結果も加味するので一概に劣った解決策であるとも言い切れない
最後のトグル連打に関して言えば、通常変換での一括変換後にチャンク・フォーカス不如意の事態をなくすべく、修正作業を最低限に済ませるために通常変換を押したのちのトグル数回押しの場面ではその場でのチャンク・フォーカスの提示に関係なく最も適切なトグル選択部分の決定を優先する…というところまでインターフェイスを作り込んでいければ問題ないかと思います。
理想といえば理想ですが、ユーザーの意図するコンテクストを汲んで選択場面でのまごつきをなくす仕組みがあればこのような別口入力のために貴重なリソースを使わなくて済む、ということです。
それに未変換文字列の最後まで読んで一括に変換するということは、前後の文脈も把握できて学習効果も存分に生かされるという点も期待できます。
せっかく別口入力検討候補に挙げたのですが代替策があればそれに越したことはないので、どうしてもという必然性・不可避性も吟味のうえで欠かせないファクターになってくるかと思います。