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「でにをは」別口入力・三属性の変換による日本語入力 - ペンタクラスタキーボードのコンセプト解説

○○語界隈の頂点を極めたのは?

2025-03-02 | Yahoo!リアルタイム検索アプリで調査

私が好きな小説のキャラで、独特な口調で話すお気に入りのキャラクターが2人います。
ひとつは「ペンギン・ハイウェイ」(著者:森見登美彦)のお姉さん。
もう一つは「成瀬は天下を取りにいく」(著者:宮島未奈)の成瀬あかり。

気になったのでAIチャットに訊いてみました。
以下に、『ペンギン・ハイウェイ』のお姉さんや『成瀬は天下を取りにいく』の成瀬あかりのような、キャラクター性が際立つ独特な口調の例を挙げます。

『ペンギン・ハイウェイ』のお姉さんの特徴的な口調
1.挑発的でミステリアスな語り口  
  「君にはこの謎がとけるか?」
  少し上から目線で、知的好奇心を刺激する言い回し。

2.哲学的で大人びた表現
   「そうか、君は真夜中を知らないのか」
   子供と大人の感覚の違いを象徴するセリフ。

3.導き手としての役割と神秘性
  「少年。そしたら、私を見つけて会いにおいでよ」
  これは、アオヤマ君の成長の旅を暗示し、彼の好奇心と探究心を刺激する役割を果たしています。


『成瀬は天下を取りにいく』の成瀬あかりの特徴的な口調
1.第三者視点で自分を語る
   「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」
   自身を客観視しつつも大胆に宣言するスタイル。

2.大人びた言葉遣い
   「それはつまり、恋心を抱くような相手がいるかという質問か?」
   中学生らしからぬ洗練された表現。

3.直接的な自己表現
  「いかにもわたしが成瀬あかりだ」
  遠回しな言い方をせず、自分が誰であるかを直接的に宣言する姿勢が表れています。
  これは成瀬の率直さと自信を表しています。


なんといいますかこのお二方…かなり…独特ですよね?
理屈ばったところと、詩的な雰囲気との間にだけ絶妙なバランスで成立する言い回しだなあ、理屈だけでもダメ、感性だけでもダメ。
でもセリフを聞いているだけでまるで眼前にそのキャラクターがいるかのような喚起力があります。

今回はリアルタイムアプリネタ記事という事で検索ワード的に
「ペンギン・ハイウェイのお姉さん語」
「成瀬あかり語」
のようなピンポイントなワードを追って投げかけてみたのですけれどまだ言語化されていないのか目ぼしいつぶやきは見つけられませんでした。
でも概念としてはあるある、こういうの!
一般化されていないだけでこういうカテゴリーはエンタメウォッチャー的には確立されているものだろうかと思います。
いずれは独立したカテゴリーとして気軽に検索できるような語彙環境が整っていったらいいですね。


さて、さすがに言語化されていない言葉を調査するのは困難であるので
ここからはすでに一般化されたキャラクターの独特なセリフ、○○語と呼ばれて広く認知された言語、
あるいはキャラクターでなくともネットスラングや作品の世界観に伴う語など、いわゆる
「界隈語」
といった題材を収集・分析しましてYahoo!リアルタイム検索アプリのまな板にのっけてみて検討してみようというのが今回の記事のテーマです。
巷の動画ですっかり定番になった「ずんだもん語」も収録しようかと思ったのですが、
「なのだ」言葉の元祖はバカボンのパパに始まり、ハム太郎、けものフレンズのアライさんあるいはコープ共済のコーすけなど非常に多岐に渡っており
今回の調査では取れ高が読めないところもあってモメンタムな移ろいもあってこの範疇の代表は結局「アライさん語」を観測対象にしました。

調査対象は以下の10項目です。

各ワードのひとことメモです↓

猛虎弁▶なんJ(なんでも実況J)におけるインチキ関西弁のこと。「ワイ」「ンゴ」「教えてクレメンス」
淫夢語▶「語録」と呼ばれるネット系スラング。「やりますねぇ!」「(迫真)」「(小並感)」「(察し)」「(すっとぼけ)」
しょこたん語▶中川翔子さんの独特な言葉遣い。「ギザカワユス」「ネ申」「バッカルコーン」「だお」
悟空語▶「オッス、オラ悟空!」は野沢雅子さんのアドリブだった⁉「でぇじょうぶ」「ワクワクすっぞ」「おっぺぇ」
アライさん語▶アライさん構文は英文でも"Arai-san thinks this, you know?"のように訳されるのだ
アーニャ語▶『SPY×FAMILY』アーニャのかわいいセリフ。「ちち」「はは」「あざざます」「おでけけ」「がんばるます」
忍殺語▶『ニンジャスレイヤー』に登場する独特の言い回し。「ドーモ、○○=サン」「アッハイ」「アンブッシュ(奇襲攻撃)」「(〇〇は)訝しんだ」
神楽語▶銀魂のギャグ要員神楽さん。「マジキモイアルネ」「あいさつするヨロシ」「酢昆布あげるヨ」その実体は旧満州の協和語
茶魔語▶「おぼっちゃまくん」で使われている言葉ぶぁい。「ともだちんこ」「おはヨーグルト」「裏山鹿根」「おやすみんみんぜみ」
二郎語▶ラーメン二郎で「ギルティ」はもはや周知の域。「ロット崩し」「ニンニクヤサイマシアブラマシマシ」「着丼」「インスパイア系」という表現

さて気になる調査結果はこちら↓

調査期間:2024年12月16日-2025年2月23日(70日間)

1.猛虎弁     436
2.淫夢語     62
3.しょこたん語  10
4.悟空語     28
5.アライさん語   0
6.アーニャ語   36
7.忍殺語     131
8.神楽語     2
9.茶魔語     108
10.二郎語     1


結構粘ったのですけれど、アライさんのカウントがとれずに苦労しました。
全体的にネットスラングが強いですね。
ここでは選外でしたがブルーアーカイブのアロナ弁っていうのが興味あります。
ゲームは全くわからないのですけれど、アニソン好きが高じてキャラソンの「エブリディいっしょ♪/アロナ(CV:小原好美)」だけはよく聴いていますから^^;

というわけで
○○語界隈のトピックを概観してみたのですが最後にちょっとタイムリーな話を2つほどまじぇまじぇして締めていこうかと思います。

現在2025年冬アニメで欠かさず見ている
『沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる』アニメが好評です。
従来でも方言をフックにした作品は見られていましたが、この「沖ツラ」はバリバリのディープな沖縄方言を惜しげもなく投入し視聴者もついていけないくらいのギリギリのラインを攻めています。
方言の理解を助けるため標準語の字幕が効果的に使用されており、視聴者は沖縄方言を学びながらストーリーを楽しむことができます。
また標準語しか話せない主人公と方言しか話せないヒロインとのコミュニケーションの難しさが、作品の面白さを引き立てていますね。
地元沖縄では、熱烈な郷土愛もあってか、アニメ史上初・沖縄県民放3局でのTV放送中!という異例の盛り上がりを見せています。
単に方言とか記号的なキャラだとかいうのではなく、文化背景の掘り下げや言語特性を噛み砕いて過剰なまでの情報量をほどこすなど
方言アニメもついにここまで来たか…ある種の感慨すら覚えてしまいました。
「でーじ、ちむぐくるさー」(とても心に響く)、「にふぇーどー」(ありがとう)。

そしてもう一つは遊郭で使われる郭言葉(くるわことば)の話題です。

大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』では、郭言葉の使い分けが効果的に演出された場面が見られます。
特に、第8話で瀬川(小芝風花)と蔦重(横浜流星)のやりとりにおいて、この演出が顕著に表れています。
瀬川は、九郎助稲荷の境内では普段使わない郭言葉を蔦重に向けて使用します。
これは、瀬川の感情の変化を表現する重要な演出となっています。
通常、瀬川は蔦重との会話で郭言葉を使用しませんが、この場面で突然郭言葉を用いることで、彼女の怒りや悲しみが強調されています。
郭言葉の使用は、単なる言葉遣いの違いだけでなく、キャラクターの心理状態や関係性の変化を示す重要な要素となっています。
瀬川が普段使わない言葉を使うことで、蔦重との関係に亀裂が生じていることが暗示されています。
また、郭言葉は遊女が本来の言葉を隠すために使用されていたという歴史的背景があります。
この知識を踏まえると、瀬川が郭言葉を使用することで、彼女が本来の感情を隠そうとしている、あるいは遊女としての役割に戻ろうとしている様子が表現されていると解釈できます。
このように、「べらぼう」では郭言葉の使い分けを通じて、登場人物の心理や関係性の変化を巧みに表現し、ドラマの深みを増す効果的な演出が行われています。

「ありんす」「嬉しいおす」「ほんざんすかえ」ばかりじゃないのですねぇ、こういった、感情の機微の細やかなところにまで影響を及ぼすのですね。
言葉の分化には、あえて距離を置こうとする意図や、所属するコミュニティの結束を高める効果もあるという事でしょうか。

これと関連して
いわゆる「オネエ言葉」の発祥には(というかネット掲示板での文化定着で)
ゲイでもないのに、客あるいはファンの女性たちが
わざと男っぽい言葉遣いをして近づいてくるからそれを自衛するためにああいった「オネエ言葉」を使うようになったという逸話があったというのを思い出したのですけれど、真偽のほどは定かではありません。
しかし
ネット掲示板でみられる、同性愛板でのオカマ口調の使用や腐女子避けの戦略としての使用という考察には、うなづける点も多いなと思いました。

言葉は人と人をつなげるグルー(接着剤)にもなると同時に、分け隔てる壁にもなるという知見でした。
このへんは言語学というより社会学の出番になってくるという事でしょうね。


長くなってしまいましたが今回はこのへんで。
あそーだ!成瀬の小説の第二弾の、「成瀬は信じた道を行く」が残っているぞ~。
こっちはAudibleで聴いてみようかな?
そしたらまた「成瀬語」で検索してみよう。新たな名言が見られるかも。


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