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「でにをは」別口入力・三属性の変換による日本語入力 - ペンタクラスタキーボードのコンセプト解説

属性ハの接頭語・接尾語の変換が便利

2016-08-25 | 接頭語・接尾語の変換
日本語の豊富な造語能力は目を見張るものがありますがそれらは江戸期・明治期の先人の苦労によって支えられてきており、医学、哲学、工業技術、農業技術、法律などのさまざまな分野で役立てられました。
長い歴史の中で日本人が中国の漢字文化を模倣、吸収し、咀嚼しきってきたからこそ言語を越えた自由を獲得し、中国語の文法規則にも適うような造語も用いて近代にかけて作りあげていったため本家中国にも相当の数の和製漢語が採り入れられていったというのも明確な事実です。
こうした翻訳の産物である種々の言葉は近代文化のベースとなるだけではなく現在進行形の言葉の世界においてもいきいきと活躍しています。
そのなかでも使い勝手の良い漢語系接辞は応用範囲が広く日本語表現において欠かせないものとなっています。数が多すぎてここでは全部紹介しきれませんが手近なところをいくつか挙げたいと思います。

【接頭語の例】
非・不・無・反・本・抗・未・脱・汎・各・高・低・重・軽・長・短・超・正・被・元・現・対・誤・試・過・再・最・前・新・旧・全・準・純・激・名・怪

【接尾語の例】
法・的・化・式・状・然・用・系・中・内・性・度・値・期・機・制・製・先・派・風・流・説・上・下・人・者・家・場・所・調・力・界・型・感・点・観


三属性変換の第三の属性、属性ハではこうした接頭語・接尾語を含む言葉の変換が割り当てられており、字面ではわかるものの発音としては同音で混同しやすい例も多く通常の名詞(属性イ)あるいは用言(属性ロ)などとは独立した別物の扱いとすることで多少は変換目的にあった語句の認識ができていると思います。
またこうした接辞は1音2音の短いパーツが多く従来のIMEでは誤変換に悩まされる要因となるものでした。
(例)「か」と「化」「下」、「き」と「期」、「し」と「氏」「かく」と「各」など

もっともこれで万能というわけではなく、特に「し」など「氏・誌・士・死・師・詩・市」のように続くバリエーションが爆発的に多岐にわたる例もあるのでどれだけ有効なのかはうかがい知れませんが、

◆さとうし=佐藤氏・どうじんし=同人誌・えいようし=栄養士・ふしんし=不審死・ほめいにし=ホメイニ師・じょじし=叙事詩・ひだし=飛騨市

などのようにひとつづきの単語になったときには識別されやすく、”属性ハ”という付加情報があることでかなり適切に変換するのが助けられると思います。
悩ましかった「化」の誤変換ともおさらばできるのは非常に大きいです。IMEにとっては「化」の誤変換もしたくてしているわけではなく、-化と続く言葉がいつでてきてもおかしくないため常に「化」が頻発してしまうIMEの「力み」みたいなものもある程度理解はできるのですが、この方法であれば「力み」からすっかり解放されて属性ハの指定があれば素直に-化で変換することができます。
逆に素のままの「-か」にしたいときは特に何も指定しなければいいだけなので使い分けの仕方もシンプルでわかりやすいです。多少手がかかるのは「-下」としたい語句があるときは選択しなければならないことぐらいですがこれでもトータルでみたら随分と改善されていると思います。

さらに発展して「-状態」「-現象」「-テイスト」「プチ-」などの少し長めの接頭語・接尾語(に準ずるもの?)なども三属性変換が役立つ場面があるかもしれません。
どちらかというと細切れ変換あるいは単発の語句での変換にも好都合ですが、長文一括変換時にもこうした三属性変換を如何にして有効的になじませていくか、タイミングはその都度三属性情報を投げていくのか仮変換後の修正に注力していく方法のほうがいいのかうまくいきそうなスタイルをいろいろ考えてみるのも必要なことだと思います。

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