10万光年+α

子供の頃からの夢を叶えるべく始めた天体観測・・・

Webカメラの改造

2008-07-27 12:09:58 | 機材
Webカメラで天体を撮影する場合、最も良く使われるのが、ToUcam Proと呼ばれるPhilips社製のカメラです。このカメラが使われる訳は、安価である、軽い、分解しやすい、暗い領域まで捉えることができる、などですが、残念ながら日本では販売されておらず、さらに生産中止になっています。

そこで、ToUcam Proの後継機として今売られているのが、このSPC900NCです。これも日本での発売はないので、輸入するかネットオークションに出されるのを待つしかありません。

今回オークションで発見し、落札することができました。



ToUcam Proは分解しやすいとは言え、かなりの工作が必要ですが、このSPC900NCはフォーカスリングとレンズを外せば、すぐCCDが露出した状態になります。オークションでは、このレンズと同じ径のネジ溝の付いた31.7mm径アダプターも付属していたので、それを差し込めば改造完了です。









しかし、観測をするには色々問題がありました。
その一つが、私の持っているノート型パソコンがAppleの初期PowerBookG4しかない、と言う事です。インテルチップではないので、当然Windowsは走りません。そのままではWebカメラを繋いでも映像を保存できません。

それで色々探して、Mac用の汎用カメラドライバ「macam」を見つけてインストールしました。

無事映像を保存できましたが、カメラは640X480ピクセルまで対応しているのに、macamでは半分の320X240ピクセルまでしか表示できません。

それと、今のところSPC900NCのアダプタでは、アイピースを使った拡大撮影はできないので、直焦点撮影になります。倍率を上げるには、拡大撮影用のアダプタを見つけるか、2倍バローレンズなどで対応するしかなさそうです。

また、改造後はCCDが露出したままの状態なので、何かキャップを作らなければ、素子にホコリが付いてしまいます。

WebCamでの木星撮影

2008-07-27 01:23:09 | 惑星
今回、天体観測ではおなじみ、Philips社製WebCamのSPC900NCをオークションで落札し、初めて木星を撮影してみました。

WebCamを使う利点は、1秒30コマ以上の高速撮影をするので、大気の揺らぎがあっても影響を受けにくい、数百枚もの画像を一瞬で撮影できるので、コンポジットには威力を発揮する、などが挙げられます。

SPC900NCは有名なToUcamProの最新機種と書かれていましたが、実際はどうなのかよくわかりません。しかし、アイピースと同じ31.7mm径の改造用アダプタが付いていたので、苦労もなく望遠鏡に取り付ける事ができました。
(ToUcam Proは640X480ピクセルでの撮影が出来ると書いてありましたが、このSPC900NCは何故か半分の320X240ピクセルしか得られませんでした・・・もしかして、これがSPC900NCの解像度?)

ただ、このアダプターを使うには直焦点撮影をするしかなく、今回のように倍率の低い画像しか得られません。アイピースを使った拡大撮影をするためにはさらなる改造が必要かも知れません。

今回、小さな画像ですが、330コマの動画を撮影し、フリーソフトのRegistax4でコンポジットしてみました。その結果、元画像よりは遙かにシャープで詳細の浮かび上がった画像を得られました。

今度はもっと大きな画像でやってみたいですね。

<jupiter>
08.07.26 11:30/大室高原自宅
LX-90GPS-20/直焦点撮影
OSPC900NC/330コマコンポジット
Registax4/Photoshop CS3 レベル補正