わがままZyZyの徒然日記

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レプリコンその3

2024-10-23 22:57:00 | 医薬のこと
前回の「レプリコンその2」(以下、「その2」と記述)で、「専門家がこう言ってるから」ということについて書こうと思うと書いたのですが、日本感染症学会日本呼吸器学会日本ワクチン学会の3つの学会が共同で「2024年度の新型コロナワクチン定期接種に関する見解」というものを出したので、先にそれについてちょっと書こうと思います。

実際の見解の文章はこの2つです。
概要だけでも読んでいただきたいのですが、そこそこ難しいので、概要から要点だけを抜き出してまとめてみます。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の高齢者における重症化・死亡リスクはインフルエンザ以上であり、今冬の流行に備えて、10月から始まった新型コロナワクチンの定期接種を強く推奨します。
その理由は以下の通りです。
  • 高齢者のCOVID-19の重症化・死亡リスクはインフルエンザ以上です。
  • ウイルスは変異株が出現するため、 COVID-19の流行はこれからも起こります。
  • インフルエンザと同様、新型コロナウイルスに対しても新たな流行株に対応した新型コロナワクチンを少なくとも年に1回は接種することが必要です。
そして、新型コロナワクチンについては以下の通りです。
  • 新型コロナワクチンはこれまで高い発症・重症化予防効果を示しました。
  • 現在、定期接種として用いられる、JN.1という変異株対応新型コロナワクチンは5種類で、いずれも有効な免疫誘導力と安全性が臨床試験で確認されています。
  • これらの5種類のワクチンはすべて一過性の副反応がありますが、安全性が確認されています。
ワクチンの利益とリスクの大きさを科学に基づいて正しく比較し、ご自身が信頼できる医療従事者とよく相談して接種するかどうかを判断することが望まれます。
私ごときがこんなことを言うのは不遜の極みですがw、私も概ねこの見解の通りだと思います。ただし、「ご自身が信頼できる医療従事者とよく相談して」がひっかかりますけどねw。「ご自身が信頼できる医療従事者」がトンデモ医者じゃないことを祈るばかりです。
それから、ワクチンの安全性に関して、原文には「臨床試験ではワクチンと関連した重篤な健康被害はみられず」という一文が入っているのですが、私は敢えてこれを除きました。
確かに臨床試験ではこの通りだと思うのですが、これまで使用されているmRNAワクチンでは、接種した方で、頻度は低いですが重篤な健康被害が発生しています。そのうちの何例かは「ワクチン接種による可能性が否定できない」と認定されています。ただ、「関連がある」と「可能性が否定できない」とはいうのは意味が異なります。でも、これを一般の人に理解しろ納得しろというのもなかなか難しいのかなと思います。
このブログでも何回も書いているように、この「ワクチンと関連した」つまり因果関係は非常に重要なことなんですが、因果関係について、本当に十分に検証されているんだろうかと私は考えています。同時に、因果関係をはっきりさせるのは並大抵のことではなく、現実的にはかなり難しいのも事実だと思います。
これは死亡例についてが主の記事ですが、参考になると思います。
こういう説明をマスコミに任せるのではなく、多くの国民が正しく理解して納得できるように、国が率先して丁寧に説明する必要があるのではないかなというのが私の考えです。

そして、この見解でもう一つ重要なのは、大騒ぎになってる Meiji Seika ファルマ(以下、「ファルマ」と記述)のレプリコンワクチン(コスタイベ)に関して、「シェディング」なるものを明確に否定していることです。「おっせーよ」と思いますけどw。
本体(概要じゃない方)の6ぺージの12行目から、たった3行ですがw、こう書いてあります。
⾃⼰増幅されるのはスパイクタンパク質の mRNA だけであり、感染⼒のあるウイルスや複製可能なベクターはコスタイベに含まれていません。また、 被接種者が周囲の⼈に感染させるリスク(シェディング)はありません。

こういう物が出て来ると、「ワクチンがががあ」とか「シェディングがががあ」という方が言い出すのは、「学会なんかの言うことは信じられない」ということでしょうか。確かにこれは、その2で書いたようなGCPのようなものとは関係がないので、いくらでもウソを書けますねw。
「どうせ学会が製薬会社から金もらってやってるんだろ」とか思ってる方もいるでしょうねえ。その通り、学会の先生達は製薬会社からお金もらってる人も少なくないと思いますよ。だって、薬の開発って医師に強力してもらわないと絶対にできない仕事ですからね。いろいろなことをお願いします。そして、それに対して正当な対価をお支払いするんですよ。非常に専門性の高い分野のプロの力を借りるんですから、そんなこと当たり前のことだと思いますけど。
ただし、医師個人が貰うケースはあまり多くないかもしれません。私が製薬会社にいた頃(40年前位ですけど)は、確かに怪しいお金ってありましたw。でも、今はそれはかなり難しいんじゃないでしょうかねえ。もちろんゼロではないと思います。でも、コンプライアンスとかめっちゃ厳しいし、税務署も常に目を光らせてますからねw。
製薬会社が医師に払うお金は全部汚いお金なんて考える方は、なにかよっぽど不満でも溜まってるのかなと思ってしまいますw。

話が少しずれましたが、少なくともこれまでファルマが実施した試験の結果では、「シェディング」という現象は確認されていないようです。これを信じるかどうかはその2に書いたことや前述の通りです。
ただ、この試験の結果はシェディングがないことの証明にはなっていません。なぜなら、ないことを証明するのは「悪魔の証明」と言われ、不可能なことだからです。
シェディングがあるというのであれば、あると言う方(達)があることを証明するのが当然だと思います。
現状、「シェディングは起こり得る」というのは、いくつかの状況証拠があってそれらをつなぎ合わせ、そこに自分の考える理論を加えて推測しているレベルかなと思います。証明には至っていないのではないかと思います。
さらに、「シェディングはある」と主張する専門家の中にも「ないことを証明しろ」と言う方がいます。でも、本当に専門家なら、当然「悪魔の証明」くらいは知っているはずです。それを、あることを証明せずにないことを証明しろと言うのは、「あることが証明できない」からじゃないのか?というのは、流石に私の考え過ぎでしょうか。

なお、シェディングのことも少し書こうと思っているのですが、これは私の専門分野の話ではないので、もう少し勉強してからにしますw。
まあ、現段階でシェディングについて私が感じてるのは、いろんな話がぐっちゃぐちゃのめっちゃくちゃになってこんがらがり、それらを深く考えることなく信じた一般の人がウサギ穴に落ちてるのかなということですw。

ついでに、この前気になった人体実験のことも書いておきます。
臨床試験(治験は臨床試験に含まれます)も人体実験も、確かに、ヒトを対象に行われます。しかし、両者はまったく違うものです。
一番の違いは、臨床試験は本人の自由意思に基づいて行われるのに対し、人体実験は本人の意思を無視して行われるものであるということです。
また、臨床試験は、正しい目的をもって科学的に正しい方法で行われる試験、研究です。
もっと知りたい方は「臨床試験と人体実験の違い」でググってみて下さい。多くのサイトが出て来るので、それらを読んでいただくとよくわかると思います。
それを、「人体実験をしないとわからない」というようなことを平気で言うような人は、例えどんなに立派な経歴や肩書がある人でも、専門家でもなんでもありません。ただ、一般の人の不安や不満を煽っているだけです。

また、もしかしたら誤解されてる方もいるかと思いますが、薬(もちろんワクチンも含みます)は治験が終わって世の中に出れば、もうそれで有効性も安全性も完全に確認されているというわけではないんです。
その薬の有効性や安全性について、治験で得られた情報だけではまだ十分にわかっていない可能性があります。
治験の場合には、症例数が多くないですし、実際の治療とは少し異なり、例えば、治験中はこういう薬は一緒に使ってはいけないとか、あるいはこういう基礎疾患がある患者は被験者にしてはいけないとか、そういったいろいろな制限下で使用されます。これは、その薬の有効性や安全性をより正しく評価するためです。
薬が世の中に出た後は、実際の治療の場で使われるわけですから、使われる患者の人数が圧倒的に多くなりますし、薬の使われ方も治験の時より自由になるため、治験の時には起きなかったことが起きることがあります。その情報=データを収集してさらに分析するのが、製造販売後調査と呼ばれるものです。
mRNAワクチンの場合には、これまでにない新しい仕組みのなので、市販直後調査というものが行われました。また、市販後に行うのは調査だけではなく、場合によっては追加で臨床試験を行うこともあります。
この仕組みはすべて法律で定められていることです。

ちょっと前にXで、
「何が起こるか分からないものを人に打っていいわけがない」 と言ってきたのです。
レプリコンも、「これから統計とって公表する」って、実験台じゃないか。
というポストを見かけました。
「何が起こるかわからないもの」ではなく、治験の段階で、有効性も安全性も必要最低限のことはわかったので、製造販売が認可されているんです。
また、先に書いたように実験台という言葉は正しくないのですが、治験ではわからなかったことがあるかもしれないので、市販後調査によってさらに多くのデータを収集して分析し、有効性や安全性を確認します。これが薬の開発、製造販売の真っ当な手順なんです。確かに best な手順ではないかもしれませんが、現時点ではこれが more better なんだろうと思います。もしこれが間違いだというのであれば、薬を使うのをやめるしかないんじゃないでしょうか。

なお、製造販売後調査の詳細について知りたい方は、以下を読んでみて下さい。


「そういうことらしいわよ」(byぼあ)


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