「悲歌のシンフォニー」は、ヘンリク・グレツキというポーランドの作曲家が作曲した交響曲第3番のタイトル。

このCDを買ったのは、今から30年位前だろうか。忘れていたわけではないんだけど、もうずっと聴いていなかった。
今朝、マーラーの「亡き子をしのぶ歌」を聴いていたら、この曲が無性に聴きたくなった。今のような気持ちの時には、やっぱり自然に思い出すのかなと思った。
第2楽章が心に沁みる。ドーン・アップショウのソプラノが素晴らしい。ソプラノとしては低い音で「Mamo」と歌い出すところの暗く重い情感、それが2度目に「Mamo」と歌う時は、祈るような澄み切った美しさになる。
とても悲しいけれど、本当に心に沁みる。同時に心が落ち着いてくる。
お母さま、どうか泣かないでください。
天のいと清らかな女王さま、
どうかいつもわたしを助けてくださるよう。
アヴェ・マリア。
〔ナチス・ドイツ秘密警察の本部があったザコパネの「パレス」で、第3独房の第3壁に刻み込まれた祈り。その下に、ヘレナ・ヴァンダ・ブワジュシャクヴナの署名があり、18歳、1944年9月25日より投獄される、と書かれている〕
どうかいつもわたしを助けてくださるよう。
アヴェ・マリア。
〔ナチス・ドイツ秘密警察の本部があったザコパネの「パレス」で、第3独房の第3壁に刻み込まれた祈り。その下に、ヘレナ・ヴァンダ・ブワジュシャクヴナの署名があり、18歳、1944年9月25日より投獄される、と書かれている〕
(沼野充義氏による第2楽章の歌詞の訳と説明を、このCDのリーフレットから引用させていただきました。)
以前にも同じようなことを書いたけど、こういう曲は重くて、儂はなかなか簡単に聴けない。でも、「バビ・ヤール」とはまた違う重さ。今は「バビ・ヤール」はちょっと無理だけど、この曲は今の儂の気持ちにはかなりしっくりくる。

もう戦争なんかやめません?
P.S.
ついでに「バビ・ヤール」も貼っておく。