リカコの、これは「ゴミのようなブログ」か「ブログのようなゴミ」か

今までの人生は挫折つづきでサボテンのぴょん太さんもベランダで干からびているけど、最近ようやく自分を肯定できてきてるかも…

シリーズ『転勤』~その4 夫の希望~

2006-09-02 18:09:08 | 日記
田んぼのはるか向こうにそびえる社宅。毎朝毎晩見る風景だったけれど、改めて「あ~、あれか~」と思う。
30世帯入れるアパートが5棟並んでいる。きっと部長婦人とか課長夫人を頂点とするヒエラルヒーが形成されていて、新参者は郵便物を水たまりに捨てられたり、生ゴミをドアの前にぶちまけられたり、ベランダからバケツで水をかけられたりするんだ。

「キミはテレビの見すぎだよ。第一、今だって社宅に住んでるじゃないか」

で、その水ってのは、脂ぎったガマガエルオヤヂが入った風呂の残り湯だったりするのだ。

ま、それはいいとして。
彼は週末にE市に赴いて、社宅のリサーチをしてきた。私も勤務日だったのでE市にいたのだけれど「引っ越したくない奴は来なくていいよ」と言われたのでおとなしく仕事をしていた。

「田んぼのあぜ道をただひたすらまっすぐ歩いたけど、どこにも日光をさえぎるものがなくて、死ぬほどつらかったよ。」

「そうでしょうそうでしょう、私、毎朝ぶっ倒れそうになりながら会社まで歩いてますから。」

私は回転寿司で乾いた寿司をつまみながら、彼の報告を聞いていた。
この暑い中、全ての棟の空き部屋を郵便受けや窓に掛かったカーテンなどでチェックし、周辺の商店街事情や、騒音になりそうな道路・鉄道事情などを調べていたそうだ。
その結果、空き部屋が結構多いということが判明した。

「一緒に転勤する人たちは、E市に引っ越すって言ってるの?」
「半分くらいが独身だから、社宅じゃなくて寮に入るんだ。あとは、子どもの学校が変わるのがかわいそうだとか、引っ越すほどの距離じゃないとか言ってる人もいて、引っ越すのは僕らともう1家族くらいだよ。」
「…」
そうだよ、引っ越すほどの距離じゃないのだよ。早くそれに気づいてくれ。

さらに、この社宅の部屋はすべて3DKなのだそうだ。間取り図から見て、6畳とか言いながら実質4畳半の広さしかない団地サイズの今の部屋に較べたら、同じ3DKでも1.5倍も広くなる。これは魅力だ、と彼は言う。

「この部屋が僕の部屋で、こっちがキミの部屋。今みたいにどっちが机で勉強するかジャンケンしなくていいしさ、別々に寝られるよ。ベッドも買えるよ。」


って、こいつは夫婦別寝室が希望なのか。

なんだかますますE市に引っ越す危険性が大きくなってきた。
私もそろそろ折れた方がいいのかな。