今回は、『瑠璃色の渚~房州カゴアジ放浪記』というブログを書かれている izuさん との初釣行。
南房磯での釣りを体験したいとのことだったので、少ない引き出しの中から比較的は入りやすい白浜の磯を選択。
土曜日とあって、釣り座の確保を考えて昼過ぎに釣り場に入り、目的の釣り座にチャランボを立て、後から入磯してきた人(ウキフカセ)に夜釣りであることを告げて釣り座を譲り、駐車スペースで釣り談義。
前回の初対面のときは夜中で時間も短かく不十分だったが、今日はたっぷりと時間があり釣り以外のことも含め密度の濃い情報交換ができた。
見た目は落ち着いているが、話の節々には釣りに懸ける思いが迸り、若い活火山のようなエネルギーを感じる青年だ。
「・・・さてと、そろそろ行ってみますか?」
「・・・・みましょう!」
16時30分ころから再入磯、日没まで時間があるので先ずは弓角を投げてみる。
ウキフカセの人のコマセにイワシらしき魚影があるので・・・
何かあるかもしれない・・・
と思っていると・・・・
ククンッ・・・という感触の後、ビビビビッ・・・と振動を伴う軽い引き・・・
ソーダか鯖の小型か?と思って抜き上げてみると・・・・これ!
23cmあるかどうかというショゴ!
小型ながら、カンパチの証である隈取が美しい。
2尾目を期待したが、気持ちに焦りが出たか投入ミスで仕掛けを飛ばしてしまったので、ここで弓角は終了。
アジの準備を整えて日没を待つ・・・
どどどぉぉ~~~んんん・・・・
風は左から弱く吹いているが、台風11号からのウネリが早くも到達していて、10~15分間隔で普段にはない大きさのウネリが来る。
ある程度は予想はしていたので潮位を含め撤収のタイミングを常に頭に入れながら17時30頃開始。
まだ、夕焼けが残る18時頃、ワシに20cmほどの小型が来る。
これを皮切りに25cm前後がポツポツと上がり出し8時頃までに6尾。
izuさんも出だしは慣れない釣り場に調子が掴めないようだったが、次第に本領発揮!
あっという間に同数になる。
次第に調子が上がってくる状況に思わず・・・
「今夜は、クーラーが1個じゃ足りないかもよ。」
などとナメた口を叩いたのが恵比寿様の癇に障ったのか、その後は今年のいつものパターンで1時単位でアタリが来る程度に変貌。
(それでもナメた口を叩かなかったizuさんには、ワシがコンビニに買出しに行ってる間に、恵比寿様から尺アジのプレゼントがあったそうな)
しかもウネリの強さ大きさが増し、間隔も短くなってきた。
更には底荒れが始まったのか、海藻がラインやウキに絡まるようになり23時過ぎに撤収。
コマセも付け餌も残ってしまっているので、ウネリを避けられるところへ小移動。
しかし、こちらはほとんど潮が動かずで、コマセが効くとフグやネンブツダイが邪魔をする。
なんとか2尾確保した頃・・・・
「こんばんは~釣れてますか~」
「・・・ん?・・・ええ・・・パッとしないっす・・・あれ?・・・ロコパパさんじゃないの!」
暗闇のシルエットが軽装備のルアーマンのようだったので、思わず別人かと思ってしまった。(笑)
「izuさんですか?初めまして!」
「ロコパパさん、初めまして!」
この時点で時間は午前2時を過ぎ、ワシは既にバッテリー切れ状態、
・・・・しかし出会ってしまった?のは、
南房アジに燃える 若き活火山 と 火力発電所
ヨレヨレのワシが入る隙のない、怒涛の双方向大容量データ通信?が始まる。(笑)
その後、ロコパパさんが転進してからも状況は変わらず、しばらくして本日のカゴアジは終了、izuさんとは予定ではここまでだったのだが、団子釣りを見たいというので、内房まで移動して仮眠、午前6時から内房某所にて前回の残りのコマセを使い開始。
しかし、8時頃まで前回同様まったく気配がない。
マイワシとウルメイワシの群れが入っているようで、ファミリーのサビキには次々と掛かっているが、底にある団子には餌取りすら寄らないようだ。
「爆睡しちゃいましたぁ!あはははっ!」
・・・と起きてきたizuさんに良いところ見せたい・・・と思ったが・・・
「だめだぁ・・・餌も取られないよ。」
izuさんは見物がてらカワハギやウキフカセの仕掛けを試してみたり・・・時折小雨のパラつく中、まったりとした時間が過ぎていく・・・
ピシッ・・・遠矢TD45の動きに竿を持つ手が反応した。
「・・・おっ?やっと食ったけど・・・小さいな・・・・ヒイラギか?」
手のひらサイズのチンチン!
「おっ!居たいた!」
秋の訪れを感じさせてくれる小さな愛嬌モノだ。
次第に活性が出てきて、団子をつつく前アタリも確認できるようになり、チンチンばかりだが4尾追釣!
カカッ・・・という、食い上げたようなアタリに合わせると結構強い引き!
「あっ・・・メジナですね!」
izuさんに玉網入れしてもらったのは、30cmをチョイ欠けるほどのメジナ!
港湾部特有のでっぷりとした魚体だ。
更に連続して一回り小さいのも来た。
コマセが無くなりかけた頃、調子が出てきたのでよせばいいのに団子釣りの解説・・・
「ほらね。・・・今、前アタリが出てるでしょ?・・・うん・・・今、割れた。・・・・ほんで・・・」
ピシッ・・・・
「今のが本アタリ、見たよね。・・・これも小さいチン・・・あれ?」
・・・そう、上がってきたのはニタァ・・・と笑ったゴンズイでした。
「・・・・・・・・・」
「まっ、この辺りで止めろって事だね。・・・あはははっ・・・」
真っ白くなった空気を笑いで誤魔化そうとする虚しい策略が、めまぐるしく形を変える雲の切れ間に吸い込まれていった。
日時:2009年8月29~30日 長~若潮
場所:南房某所
釣果:アジ20~28cm×9尾、ショゴ23cm×1尾(弓角)
場所:内房某所
釣果:チンチン15~20cm×5尾(致命傷のだけキープ)、メジナ25、28cm各1尾。