『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
    そして
  日々の出来事など

フルート奏者・白川真理

夏単衣と浴衣

2023-08-31 00:30:38 | 着物
まだまだ続きそうですが、とにかく暑い夏でした。

いつもは7月は単衣だけれど、もう暑くて暑くて長じゅばんはやだよう、ということで浴衣ばかりとなりました。

なので今年こそ袖を通そうと思っていた上布の出番は全くないままで・・・

でも着物や浴衣で出かけると、普段よりは気がシャンとしているせいか、むしろ暑い日の外出でも疲れない、ということにも気付きました。


陽紀先生の代講となった6月15日の音楽家講座は紺色の単衣の紬に菖蒲の夏帯。
いつも、うっかり季節を外してしまい、多分20年ぶりくらいの登壇。
やはり季節限定というのはタイミングが難しい。






7月8日の渋谷での同期と集ってのリモート東京玉翠会は、思い切り飲めるように、つまり酔っぱらって2次会に雪崩れ込んで汚してしまっても大丈夫なように、と化繊に麻も少し入ったちじみ風のベージュの着物を浴衣替わりに半襟なしで着てみました。

洗って干しておくだけですぐに着られる便利な着物ですが、化繊はやっぱり暑い!
博多織の紺の半幅帯で。



・・ピピが凄く不機嫌な顔・・・


8月20日は、かつての「古武術奏法」クラス?のプチ同窓会。
かつて参加された受講生の方々が企画してくださり、とても楽しかったです。
ディープな話題が「普通」に通じるのが嬉しいのはお互い様。
みな、それぞれに成果が上がっておいでのご報告をいただき、嬉しい。
気合を入れて、今年購入した水色の有松絞の浴衣と白い博多織の半幅帯で。

絶品アジフライと昼ワイン。





絞りの浴衣は肌にサラっとしていて、軽く、快適です。
何より、ネットに入れてドライモードで洗濯機で洗い、そのまま干して乾かせばすぐに着られるというところが便利で、とても気に入っています。

帰宅してすぐに洗って干して置けば、翌日にはもう乾いている。
8月は、この絞りの浴衣が大活躍しました。

23日の3か月ぶりとなる甲野先生の音楽家講座は、ちょっと改まって、絽綴れの名古屋帯を合わせて。





本日は、知友であり、長年とてもお世話になったパウエルジャパン、ドルチェ楽器の吉田いずみさんのコンサート。
楽曲への深い洞察力とまっすぐな心が伝わってくる素晴らしいものでした。
秋には故郷へ戻られるとのことで、お別れコンサートでもある。
華やかな方が良いよね、とこれまた同じ浴衣に紺の博多織りの半幅。



プリカジュールエナメルの銀細工の猫のブローチを帯留めに。(写真3)
アンティークではなく現代のものですが、尻尾マフラーのデザインも素晴らしく、マーカサイトの蝶ネクタイで、瞳はガーネット。
よく見ると、ちゃんと髭も細い線で彫刻されているし、小さな右足も覗いています。
光に透かすとステンドグラスみたいに美しい。
何より、ピピに似ているので・・



8月20日に出会ってしまっての久々の衝動買いでしたが、この子がやってきてくれてから、不思議なことに右半身の違和感がガクっと減って、親不知トラブル以前の体調に戻りました。メンタルも前向きになれたのは、この日お会いした受講生の方達と交流が一番だけれど、それをさらに増幅してくれたような。
・・また好きなだけ吹ける日々が戻ってきて嬉しい・・・

まあ、抜歯してくださった先生からも、「抜歯してから、元に戻るのは3か月くらいは覚悟しておいてください。場合によってはもっとかかることもありますので、気長にね。」

と言われていたので、丁度、それくらいのタイミングだった、というだけのことかもしれませんが、私にとっては「幸運の猫」です。

そういうことにしておこう。






(固定告知)



(告知)公開レッスン『古武術に学ぶ楽器奏法』&コンサート 稲毛音楽室 10月8日(日)

2023-08-26 22:55:55 | 音楽・フルート
今年の4月9日(日)に開催されたイベントの第2弾。

https://blog.goo.ne.jp/pipipipi/e/87d6dc5bc3297acb5d00c23d52e1d447

音楽家講座に参加されたピアニストで、稲毛音楽室主宰の吉岡由貴さんにお声がけいただき、その折には、楽しくもディープなひと時を過ごすことができました。

どうぞお越しくださいませ!

お申し込みは主宰の稲毛音楽室まで。
私にお申しつけいただいても大丈夫です!



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来年最初の音楽家講座は、2月に特別企画としてこの稲毛音楽室に甲野善紀先生をお招きする予定です。

こちらは年末までには詳細を発表できるかと思います。どうぞお楽しみに。

第131回音楽家講座~甲野善紀先生を迎えて~ in鶴見 8月23日(水)

2023-08-26 15:32:25 | 音楽家講座・甲野善紀先生を迎えて
前回の先生の音楽家講座は5月23日でしたので、丁度3か月ぶりとなりました。

すっかり体調もご回復されたと思いきや、今度は香川、岡山等の講習会が続き、前日も帰京してすぐに東京駅からスタジオ直行で動画配信されている「夜間飛行」のお仕事の撮影というハードスケジュール。
疲れすぎて、夜もあまり眠れなかったとのことでした。

そのような中、開講してくださったこと、本当に申し訳ないやら、有難いやら・・

会場に到着された折の先生は、これまで見たこともない程、顔色が悪く、案じられたのですが、幸い控室でゆっくりと巨峰など召し上がっていただくうちに、通常に戻られました。

この異常な暑さの中、軽い熱中症のような症状になっていたらしいです。

来年は後期高齢者となられることを考えると、本当に御忙し過ぎるのかもしれませんが、
こうして人と会い、技の追求をされることがエネルギーの基にもなっておいでなのだから、もう致し方ないのか?とも。

それにしても、この異常気象下では、来年から7,8月は音楽家講座はお休みにした方が良いのかもなど色々思案しています。

先生の体調は決して本調子ではありませんでしたが、内容はいつにも増して深く充実した素晴らしいものでした。

また講座が進むに連れてどんどんと元気になられ、特に新しい技を披露される時などは、本当に生き生きとされました。

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(お話)
人間の身体というのは本当に不思議でわからないもの。

2008年から刀を寄せて持つようになり、これは今後もう変わらないだろうと思っていたのが、離して持つようになった。



「ソの字立ち」でつま先を外に開いて立つと(もちろんただこのような形状で立つだけとは違うが)頭の中で「怖い」と感じるものがなくなる。
また、「やられる」という感じがなくなる。

音楽家でも、天才的名手というのは、登場した瞬間あきらかに違い、ホール全体を覆う様に制圧し支配しているものだ。
緊張をなくす、というものでは、他にも労宮に働きかけるものがある。(蕾の手の内等)

練習して回数をやればできるというものではない世界。

「努力する」はおおっぴらに言うことじゃない。

「努力する」には嫌なのに無理やりやる感じが漂っている。

母国語の様にドイツ語をあやつって現地で仕事をしていた人が認知症になると、日本語はわかっても、ドイツ語はすっかりわからなくなってしまったそうだ。

本当に身に付くものというのは努力感がない。

筋トレの問題は動きが不器用になるということ。

筋トレをやめて成果を上げているラグビー選手もいる。

筋トレではやっていることの必然性を感じられていないが、木登りであれば落ちたら死ぬので、ものすごく必然性を感じて動く。(この違いは大きい。)

自分の中でやった時の色々なものを検証していかなくてはならない。

練習に必然性があり、それをやっている努力感がない、というのが良い。

努力賛美は良くない。

きっかけは努力でも、その後変わっていけるように。

かつて職人の世界では、自分の意欲が湧いた時にしか仕事をしない、というものだった。

(自分の技は)「浮いて安定」というものだが「浮いている」というのは何かに依存するのではなく珠がコロコロと転がる様に自在に変転していくことだ。

「やろう」と思うのを飛ばしてやる。

その場をバーっと把握する力でもある。

カリスマセールスマンというのは、初めての相手でも前から良く知っているかのようになって対峙する。

(技の紹介)
・上腕が突然伸びる
・自分だけ足の下が地震で物凄く揺れる
・後ろに向かって抜けていく

等、自分がパっと気持ちを切り替えての技。

私が邪魔されない、という感じがあると自分の中の世界で今まで知らなかった感覚が開いてくる。それに夢中になれると全く違う世界が開けてくる。

意識から無意識へ。
殆どの人間は「最初から意識したら出来ない」という世界を知らない。
(人間毬等)
(技)
・木刀での打ち合い
・腰かけることをやめる、という椅子からの立ちあがり方

どこかで学ぼうとする意欲を擦り切れさせたり、欲にまみれさすのは違う。

常に変わる。74歳でごく最近できるようになった。

ものを学ぶ上での学び方がどこに結びついているか。

結果、「人間とはどういうものか?」に結びついている。

(技)
・腕を後ろからまわして腰から繋げる
・もう片方の腕で肘を寄せて繋げる
・丸紐による四方襷
によって腰かけた相手を力感なく起こす。

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(個別指導)
1.ゴスペル
高い声などが出にくい。

胸紐で大きく変化。

2.ギター
自分の姿勢に違和感があり疲れるのでなんとかしたい。

指が動きやすくなると身体全部の感じが変わるので、と指紐と、四方襷で大きく変化。
紐を物理的だけでなく感覚で取り入れられるようになってくると、それだけで、誰かに教わっているようになる。




   「締まるところと抜けるところが感じられる」と受講されたギタリストの感想。

3.うた
声をより出せるようにしたい。リズム感をよくしたい。

声・・胸紐で大きく変化。
リズム・・自分の身体の動きを、人間の調子を測っている拍子を消していくと、身体の中に刻まれている拍子が浮いて来る。

椅子からの立ち上がり(腰かけることをやめる)時の様に全くやっている感じがしない。

4.うた
喉が締まってくるのをなんとかしたい。

労宮に力が集まる手の内にして歌う。




5.うた
高音が出しにくい。より音量も出したい。

胸紐で大きく変化。
さらに労宮で変化。この時指は動かし続けても良い。


時間があったので、最後に私も。
6.フルート(白川)
20年やってきて、この先も変わらないだろう、と思っていた掬い手を返す右手の取り扱い方法が変化した。抜刀による構え方となり、右手は良いのだけれど、左手が鞘を送るように左にやってから戻すと、身体の状態はこれが一番よいけれど、ステージ上ではオーバーアクションとなりよろしくない。
さりとてそばでやってしまうと、今度は左手にツマリが生じる。
これをなんとかコンパクトにまとめてさりげなくやれるようにしたい。


左手をダルダルユルユルにして、その存在を忘れてやる。

(技の紹介)
相手に対峙する腕はダルダルユルユルで、使わない片方の手は手の内。
接触面の感覚は全くないのに、足元から崩される。

すぐに先生の通りに出来る、というものではないので、今後の課題ではあるが、ステージ上で、左の存在を消して一音出した時の音は確実に変化。身体の状態も。
「左右が協力し合わない」の構になれるか?

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さらに時間があったので、最後の20分程は自由時間とし、お互い語り合ったり、先生から紐を購入したり、一緒に記念撮影をしたり、と和気あいあいの中、無事終了。

打ち上げは、当初先生は大丈夫です、と仰っていたのを私が「やめましょう!」と主宰者権限で中止に。

「皆さんだけでもどうぞ」とも仰ってくださいましたが、そうすると、きっと先生は参加されてしまうのが目に見えていたので、ナシとしました。

今回たまたまですが、最後に自由時間が取れたことが、受講された皆様同士の懇親と情報交換の場にもなり、良かったです。毎回、という訳にもいかないですが、こうしたフリーな時間の大切さも再認識しました。

先生はすっかりお元気なご様子になっておいででしたが、御帰宅後のツイートで本当に大変なコンデイションの中、開催してくださったことが改めて感じられ、ただただ感謝です。

この音楽家講座はコンサートホールという会場の関係からいつも半年前からスケジュールを押さえていただいているので、どうしてもその後先生のご予定に無理をさせるようになってしまっています。

それもあり、来月9月27日開催の後は、11月で年内終了としました。

来年は2月に音楽家講座特別企画も企画中です。

今までよりも開催の機会は半分となりますが、より濃厚な場となるかと思います。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

ご参加くださった皆様、会場スタッフの皆様、スタッフ五十嵐くん、鈴木さん、
そして甲野先生、本当に素敵な時間をありがとうございました!

・・・・・・・

・・ソの字立ちで前進する先生の姿は本当にヒヤっと背筋が凍りつくような不気味さがありました。何がそのように感じさせるのか?は皆目わからないけれど、まさにその場を支配する動きではないかな、と。








(告知)第131回音楽家講座~甲野善紀先生を迎えて~in鶴見~ 8月23日(水) 

2023-08-21 20:17:58 | 音楽家講座・甲野善紀先生を迎えて
お盆を過ぎても、連日の暑さですが、いよいよ明後日、23日は音楽家講座。

前回ご登壇していただいたのが5月23日でしたので、まるっと3か月ぶりの音楽家講座となります。

本当に先生がすっかり、ご回復され、以前にも増してご活躍のご様子が、とても嬉しいです。

新たな気付きもとても楽しみです!

音楽家以外でも、予約なしのフラっと参加も可能です。

皆さまどうぞお越しくださいませ!

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講座詳細
http://www.shouseikan.com/yotei.htm#music

当日の個別指導、録音録画等に関してはこちらをご一読ください。
https://blog.goo.ne.jp/pipipipi/e/65253a38e619d631cee98a81de29d689

過去の講座の様子はこちら。
https://blog.goo.ne.jp/pipipipi/c/c1c01f0d2d13088d23f45a2db63a6e2f




スパイスカレー

2023-08-15 00:03:13 | 日常
以前、TVで無印良品のレトルトカレーが美味しくて、特に2種類乗せすると、スパイスが相乗効果で、より際立って絶品、という話だった。

レトルトカレーは、日頃からあまり食べないので、無印のものも買ったことはなかったのですが、夫が食べたいよ~と騒ぐので、一緒に買いに行きました。

この時は息子も帰宅中だったので、3種類乗せにしました。

正確な名前は覚えていないけれど、バターチキンと海老とビーフの三種類。

1袋だといかにも少なそうだったので、1人当たり2袋、つまり3種類を2袋の6個購入して、大皿にご飯で土手を作る。

2種なら、お皿の真ん中に一つ土手を作るだけで良いけれど、3種は、ちょっと技術が必要でした。

最初少し苦労しましたが、ベンツのマークの形の土手を作る。
濡らした木べら2本で整えました。

実際、どれも美味しく、さらに2種混合、3種混合、と食べ進めての味変も楽しく、全て素晴らしかった。
スパイスが効いているけれど、過剰なくどさはなく、身体が喜んでいる様な健康にもきっといいな、と思える美味しさで、家族全員とても気に入ってしまいました。

いつもの我が家のカレーは市販のルーの辛口で、ラムかビーフが定番。
工夫というほどのものではないけれど、必ずセロリはたっぷり入れる。

これはこれで美味しいのですが、今回のスパイスカレーは全くの別物。

すっかりハマって、自分でも作ってみたくなりネット検索すると、気が抜ける程、簡単なチキンカレーのレシピがあったので、早速やってみました。

https://www.sbfoods.co.jp/brand/special/spice3_curry/

レシピは2人前だったので、倍にして4人前でトライ。

スパイスもスーパーで手軽に買えるものばかりで、コリアンダー、クミン、ターメリック、の3つだけ。そして辛味のためのチリペッパーは常備している。

その上、普通のカレーよりも、簡単で時間も少ない。

でもスパイス効果で、やや苦手な鳥の皮の臭みもすっかり消えて、お肉もホロホロと柔らかくなっていて、鳥嫌いの夫も、絶賛。

スパイスカレーのイメージは、乳鉢で各種スパイスを砕くところから始まって、魔女のなべみたいに様々なものを入れて長時間ぐつぐつ煮込んで、というイメージだったので、びっくりでした。

・・・え?今頃?という話かもしれませんが、ちょっと感動。