『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
    そして
  日々の出来事など

フルート奏者・白川真理

夏休み・自由研究のまとめ

2022-08-29 23:20:37 | 気付き
朝夕には涼しい風も吹く様になりました。

人間勝手なもので、こうなると、なんだかあの暑さが恋しくもなる。

ようやく、この夏休みの自由研究も終盤となりました。

甲野先生には身体の使い方と心の在り方を、

陽紀先生からは「言葉」による心身の変化を、

そして美彌先生からはそれらの前提となる身体と心の整え方を、と本当にありがたいご縁にただただ感謝です。

9月は、これらの入力による心身があれこれ考えなくても使え「普通」になるようフルート演奏になじませ、10月10日の本番に臨みます。

現時点での稽古法まとめ。
これまたショートカットメニューを組み直さなくてはなりませんが、しばらくは、丁寧に全てやることに。
とにかく最も重要なのは何をやるにしても意識を何処に置くかだろう。


・足指、足首、股関節、腕、耳 の調整・・フルートを吹く前に身体を繋げる。

・意識を「間」に置いてソノリテ全種を日替わりでアトランダムに。

・基礎練代わりにアンデルセンのエチュードOp15を2曲。
  翌日に前日やったのものをもう一度やる方式で。
  最後の曲までやったら、逆順で遡る。1~24~1~、とやっていく。

・バッハのチェロ組曲を何か一曲。(今は6番)
 時々、テレマンのファンタジー数曲も。

・本番に載せる曲。(10月10日、3月3日、3月18日の曲を日替わりで)

・初代と五代目は一日おきに使う。ときには両方。
・剣鉈の気付き(甲野先生)による影観法による演奏も。

自身の気付きとしては、「コモドドラゴン」も、小指を繋げるのに役立っていたから肩が下がるのね、と認識したこと。
美彌先生から授かった腕のワークは、それがより深いところ、全身で行われる。
それをやった後、舞台袖でコモドドラゴンでスイッチを入れると、より下がる肩。



・あと、川崎鷹也の動画で影響を受けた口元の柔らかさをもたらすイメージ。
サチモスのヨンス、そしてパク・ヒョンシクやBTSにはまった時に、韓国語の母音、発声による下顎の柔軟性、という影響がありましたが、川崎鷹也のカバー「愛燦燦」を見た時、自身の上顎が、それを真似していた。結果、より自然に落ちる下顎。
https://www.youtube.com/watch?v=LcJdSUiW01w

去年の夏、偶然TVで大瀧詠一のカバー「君は天然色」を聴いて、なんて良い声!?と思ったものの、その後は忘れていた。
https://www.youtube.com/watch?v=tykOvhXJiN0

・・というのも、オリジナル作品に全く共感できなくて・・・
それは私がおばさん、というかおばあさんだから。多分。

それが、たまたま見たお笑い番組にゲスト出演していてカバー曲のアルバムを出すとのこと。

それを企画したプロデューサーに拍手したい。

あくまでも個人の感想だけれど、川崎鷹也は名曲をカバーすると、何か全く違う存在になっているような気がする。

お陰で、新たな響き、色のパレットが増えたのでした。


甲野陽紀先生の個別講座 7回目

2022-08-28 20:09:59 | 甲野陽紀先生の個別講座
7月はWAYAZ合宿などもあり、都合がつかなかったので、2カ月ぶり。

今回は、先日の美彌先生の時に感じた「ありがたい」と、常日頃の自分との乖離、距離を埋めるための相談。

あと、先日のもそうだけれど、何故、いつも音楽家講座で演奏すると、あんなにダメダメになるか?ということで、もちろん原因は甲野先生に良いとこみせたい、という邪念というのはわかっているのだけれど・・
ちなみに、流石に実際のコンサートでは、それどころではないので、そんなこともないのだけれど、やはり素のままの自分は、まだまだ。

このあたりが、いつでも、とにかくフルートを手にしたら、シュっとフルート奏者の心身になりたいなあ、というのが今回の悩み相談でした。

いつもそうなのですが、陽紀先生のお話は、いつもよどみなく、「あ、そうだ。これこれ・・」とまるでドラえもんのポケットのように、次から次に、必要な道具ならぬ教えが出て来る。

例によって「言葉」によるご指導なので、ここに書くことはできないけれど、自分にとっての大きなヒントをいただいたので、キーワードだけ記録。

・指先・空間・他者、  自分・間・他者 、 自分・間・フルート
 フルート体(自分とフルート)・音・他者(観客)

実際に短い棒を掴んで、3通りの意識の置き方を体験したのだけれど、こちらの身体の環境がガラっと変わってしまうことに驚いた。

陽紀先生の研究テーマの一つでもある「間」。
これをどのように捉えることが出来るかで、大きく変わる心身。

「他者が居るからこそ、間は生まれるんですよ。」という言葉にはっとする。

これは仏教の「縁起」にも通じる。

それに何より、ハイデガーの「存在と時間」にも通じると思った。
「存在していること」
自分、道具、他者・・もろもろ。

また、この「間」ハタオの思想にもあてはまる?
「空」だからこそ、というのは「間」といってよいのではないか?と思い至った。

ハイデガーも老子も、最初に植村先生から読むように、と本を差し出されたのだけれど、家の本棚には両方ともあるし、読んだこともある、と言ったら、驚かれたような顔で、喜んでいらしたっけ・・


また先生が持っていない本を私が持っていたのをお貸ししたら、羨ましがられたので、一生懸命神田の古本屋で捜してプレゼントしたこともあったっけ・・

『音楽のたのしみ』ロラン・マニュエル 吉田秀和訳 白水社)全4巻

フランスのFM放送の記録で、イベールやプーランク、モイーズがゲストで実際にその番組で語っているという貴重な記録の本を何故か、父が持っていた。

フルートを始める前、小学生の頃になんとなく読んでいて、なんとなくこの雰囲気が素敵だなあ、と思っていた本。中身もゲストもどんな人かよくわからないままに、芸術家たちの洒脱な雰囲気に憧れていた。

音楽を聴くよりも、本を読む方が好きな子供だったので、勉強するふりをして、父の書棚の本は、ざっくりとではあるけれど、こうしたものからハヤカワのSFマガジンまで目を通していた。

とはいえ、やはり、難しく、どちらかというと、そういう知的な言葉の雰囲気にうっとりとして味わっていただけ、というザツな読み方だったけれど。

と急に色々思い出しました。

20年前に植村先生が読め、と仰ったこの2冊の本と、今日のご指導がシンクロするとは・・

何故、植村先生が、この2冊を読めと仰ったのか、ずっと良く分かっていなかったのだけれど、本日ようやく・・・

それはある意味、フルート演奏法の秘伝になるのではなかろうか。

どちらも、「間」に意識を置くことを暗示しているように思える。

帰宅後、早速、音出ししましたが、息の通りが全く違う。
短い棒を持って実験した時と同じことがフルートでも。

なんというか偏らない身体と心?
甲野先生に良いとこ見せよう、というのは意識が他者に置かれ過ぎて釣り合いが崩れるから、というのも納得。

また音楽家講座で受講チャンスがあったら・・今度こそ!?


以下、学びの記録

1回目・・「フルート体」・末端から動く
2回目・・足 、「ヒトデとウニ」(これは私のイメージ)
3回目・・下駄・目・置く
4回目・・足先・呼吸(間の呼吸)
5回目・・「感じる」と「生じる」の違い・「自分を失くす」・ショートカット
6回目・・「間」、「目的」の取り扱い方。手首、肘裏、歩行、蹲踞 
7回目・・フルート体・音・他者(観客)

美彌先生のツイート

2022-08-27 23:06:06 | 魔女トレ
美彌先生からご連絡いただき、なんとツイートしていただきました。
恐縮です。でも嬉しい!\(^o^)/

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フルート奏者白川真理さんに指導させていただきました。一流の方を前にすると私自身能力を開花させられるのかミラクル全開。

(※なお、魔女トレ個人セッションは現在頻繁には行えない状況です)
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人間も笛も決して一流などではありませんが、あの美彌先生がそのように仰ってくださるのなら、そういうことにしてしまおうかしら?
というか、そのようになれるよう、より精進していきたいと思います。
美彌先生、本当にありがとうございました!

第120回 音楽家講座~甲野善紀先生を迎えて~ in鶴見 8月24日(水)

2022-08-26 02:08:32 | 音楽家講座・甲野善紀先生を迎えて
午後になり湿った南風が吹き始め、空はどんよりと曇り、時折雷も聞こえてくるようなお天気でしたが、大雨に降られることもなく無事開催できました。

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21日の加賀の講習会に参加されていた言語学者の伊藤雄馬氏から、言語とコミュニケーションと身体の動きについて大きなヒントをいただくことができた。

言語は人と人を繋ぐもの。

コミュニケーション、何かを伝達するということは音楽も同じ。

「フレミングの左手の法則」と言葉
29年前に「願立剣術物語」という伝書を入手した。

これは阿部道是(あべどうぜん)が師である松林左馬之助の教えを語ったものを同門の服部孫四郎がまとめたもの。

松林左馬之助が徳川家光の御前試合に呼ばれた折に、阿部道是を受け手として同行したことが記録に残っているので、阿部道是はかなりの使い手でもあっただろうから、この伝書は師・松林左馬之助の教えと考えて良いだろう。

その「願立剣術物語」の中に
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(以下引用)
身の構え、太刀の構えは器物に水を入れ、敬って持つ心持ちなり。
乱りに太刀を上げ下げ身を歪め、角を皆、敵を討つ。
敵を押さえ受け開き、外るる事など大きに悪し。
総じて太刀先より動くことなし。
ただ、かいなばかりを遣うことぞ。
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という教えがあり、その「ただ、かいなばかりを遣うことぞ」の術理と、伊藤氏からいただいた大きなヒント、フレミングの左手の法則などが、重なってきた。

(技の実践)
払えない手、斬り込み入り身。

受けては全くなすすべもなく崩される。

人は何故、防げるかというと、それは相手の動きが判るから、先回りするのである。
しかしこれだと、触った瞬間に気持ち悪くなり、払うのを止める。

普通はヒンジ運動だが、それだとすぐに動きが予想されてしまう。
30年前に「井桁崩し」に気が付いた。
関節をヒンジ運動にしないで、刀のこのあたり(先から三分の一あたり?)に支点を作る。

そして、前腕を消す。

「見えていますよね。でも消えているんです。でもまだ不十分で、これがもっときれいに消えたら、凄いことになります。」

(幕末の剣豪)仏生寺 弥助(ぶっしょうじ やすけ)は、剣をただ上段に上げて打つだけだったそう。

前腕を極力消して人間の機能を逆利用する。

「どう人に伝えるか」

あるチェリストは紙を落としたのを掴む能力が素晴らしく、普通は15,6センチくらいのものなのだが、彼は2㎝、そして5㎜でも、掴むことが出来る。

やわらちゃんも、この能力が高かったそう。

楽器演奏者は日頃から左右別々の動きということを左右同時にやっている。

そうしたことにフト気が付けば、応用がいけば、人は驚くようなことが出来る。

アマゾンのピダハンは左右という言葉を持たない。
実は人にとって左右という感覚はよくわかっていない。

(実践)
紙に書かれた星形の図形を左手に鏡を持って、それを見ながら右手のペンでなぞっていく。

(数名が試みるが、みな、個人差はあるものの、少しやったところで止まってしまう。)

鏡で絶えず自分の動きを修正するというのは・・・

(頭で)分っているつもりの左右は身体の中ではわかっていない。

ただ「かいな」を使う。

(元力士・一ノ矢・松田哲博氏を受け手にし、技を披露しつつ解説)


弓を運搬しそのまま引くのはだめ。

肩甲骨、鎖骨、胸鎖関節を使う。



酒屋が重い瓶に入った箱を持つ時にはいきなり順手ではなく逆手にしてから、肘に気付かれないようにそっと肘から先だけを返して持つ。



前回、合気道の一教(いっきょう)という基本がそもそも違っていて、ということを話したけれど、同方向ではなく、左右別方向にすることで、相手は探ることになり、力が抜けてしまう。

別のタイプの技としては自分で動かすのではなく他の何かに任せるやり方。

自分は脇役でアシスタントに徹する。主役は他の何か。(剣鉈の気付き)

この時一歩下がる。実際には1センチくらい下がる。

日常の応用としても使える。
口だけ貸してもらって代わりに言ってもらう等。
何かに預けて言ってもらう。

浄土思想。「禅の研究」の鈴木大拙も晩年はずっと妙好人(みょうこうにん)の研究をしたそう。
禅は自力、浄土真宗は他力。
いずれも凄い人というのは、自分を投げ切っている。

武術というのは「対応の技術」

人混みをかき分ける機能を逆利用しているだけ。

人が概念として作ったものが、あまりにも具体的になっていると、当たり前のように思うけれど、袋竹刀2本、であれば、2本と思えるが、袋竹刀と木刀だだとすぐに2本とは思わない。
無意識の内に、同じもの2本はアリでも、違う形状のもの2本はないと思っている。

余談だけれど、本来、障子やふすまは1本、2本と数えるのだそう。

自動的に働いているのは便利は便利。だが、それ故に、見落とすこともある。

見落とすのが当たり前と思っておくこと。

好物も(それを見て認識して予測するから美味しい。
これが闇鍋だと(予測できなくて)美味しくない。

キャッチボールも見えているから(ミットを)引ける。

全てのことは「予測」が働いている。

それに合わせて動く。
昔の武術家はそれが凄かった。







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(個別指導)
1.フルート
間違えてはいけない、とずっとやってきていて、そのせいか、指先が思う様に動かないのが悩み。

両手に指紐で、響きが変化。
 「指というよりも、音の変化はすぐにわかりました」本人談

(甲野先生談)
指が柔らかくなると、頭の中も柔らかくなります。紐は付けたり外したりして工夫してみてください。手の甲側が蜘蛛の巣状になるようにやることで、負荷が減ります。
紐はねん挫した人が足に巻くことで回復したりもします。
一人でやる時は、手首に巻いてから、など、工夫を。

この紐によって、心の解放と楽しさを覚えてやっていく。
そのうち、イメージするだけで、変わっていけるようになる。
一瞬で、フローに、日常とは違う「ある世界」に入るツールですし、紐は現実にその作用があります。

巻き始めの様子



2.フルート
緊張することと、首の痛みが悩み。

四方襷で、音に変化。
さらに壁に頭を接近させるやり方で方が落ち、より響く音に。







3.一般
ふとした時に忘れたり、混乱するようになり困っている。

(先生談)
物を忘れて探す時に「タヌキガコケタ」と言いながら探すとかなりの確率で見つかる。
心で思うだけでなく、口に出して言う。
潜在意識は覚えているので、意識がパっと変わることで、効果があるのではないか?
やや回文的な感じもある。
(私もよく忘れますが、こういうのはよく覚えている、と弘法大師が作った長い回文をスラスラと・・)

耳の側でハサミのチョキチョキした音を聞かせてというのもある。



4.元力士・一ノ矢・松田哲博氏
フレミングの左手の法則をどう技に応用されたのかを詳しく聞きたい。

(先生談)
直行しているとモーター、力は電力で、電力は力、発電機とモーターは逆
円ではない動き、井桁は移り変わる時、両方の成分がある。
前腕を消す。動きが如何に合成されるか。
気持ち悪いから探りたくなる。


5.ピアノ
右手でオクターブが続く時に、とても疲れるのをなんとかしたい。

指紐、四方襷で大きく変化。








6.胡弓(筝・三味線奏者・竹澤悦子氏)
弓の返しが安定しない。

指紐で大きく変化。



7.フルート(白川)
あのゾーンに入れた経験をもう一度、と思うことが却って邪魔をし、緊張を呼ぶ。ついつい練習しすぎて、右肩周辺に軽い痛みが出てきたので、治したい。

祓い太刀
直後に声も変化し、大きく変化。クリアに。

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(感想)
今回はなんといっても、先生の進展の大きさ、技の凄さに尽きると思いました。

最後に楽屋で受けさせていただいた最新の技はまさに「目がくらむ」という言葉そのもの。

目がスパークしたような生まれて初めての衝撃でしたが、頭の中がスパーンとすっきりしました。

また何よりも、元力士の松田氏(四股名・一ノ矢)と対峙されている時の先生の生き生きとした表情は、青年を通り越して少年の様でした。
日頃の音楽家講座では見ることのない紛れもない「武術家」としての気配ではなかったかとも思いました。

現役を引退されているとはいえ、そして、もちろん「受け手」として受けてくださっているからこそでも、元力士の方が先生を掴んだまま一周振り回されてしまったり、足元から崩されてしまうという光景にも圧倒されました。


祓い太刀は今まで何度も受けさせていただき、そのたび、大きな効果と変化がありましたが、今回のものは別格!
より身体深部、そして心にまで影響がありました。
きっと、これも先生の進展によるものなのでしょう。

19年もやっているのに、音楽家講座で演奏するのは緊張してしまい、毎回、先生に良いとこ見せようという邪念が芽生えてしまい、今回も最初は定まらず、ヘナチョコでしたが、それでも、参加されたかつて師・植村先生とアンサンブルで共演もされた事のあるプロフルートA氏から
「ルイロットの響き、堪能させていただきました。特に2回目の祓いの後はより音色がクリアになり素晴らしかったです。植村先生の音を思い出しました」
という内容のメールをいただき、とても嬉しかったです。

一瞬で魂を掴まれて、涙してしまう植村先生の音には、もちろん全く及ばないものの、そうした音と音楽を聴くことが出来た笛吹きの一人として、この流れを途絶えさせぬ様、精進していきたいと思いを新たにしました。

ずっとお手伝いしてくださっている忍者の五十嵐(いからし)剛くん、そして杖の鈴木照子さん、も顔出しOKだそうなので、先生と一緒に写真を。
五十嵐くんが「写真を撮りましょう!」と言ってくださり、良い120回記念となりました。



先生と一緒に、というのも少なかったので、良い記念になりました。
先生は白い絣の御着物がとても良くお似合いでした。

参加された皆様、鶴見の会場スタッフの皆様、五十嵐君、鈴木さん、そして甲野先生、本当にありがとうございました!

記念日・・魔女トレ個人セッション  8月22日(月)

2022-08-22 21:43:32 | 魔女トレ
都内某所にて午前の2時間、西園美彌先生の個人セッションでした。

初参加した8月1日の4時間のセミナーの後も、画期的に変化進化し、バッハのチェロ組曲全曲一気、なんてことも出来て、何より、より実感なく吹ける、つまりより効率がよくなったので、もうそれだけでも、奇跡?というくらいで驚いていたのですが・・

本日はフルート持参で、音も出せる場所。

色々と心と身体のお話などの後は、フルートを演奏しながら、様々なご助言を受けました。

最初はドビュッシーのシランクスを吹きました。

「いやあ、そうなんですね~。」

「?」

「個人セッションでのプロの音楽家の方というのは初めてなんですが、左脳が全く使われなくなっているんですね。」

とのこと。

なんで、そんなことが判るんだろう・・?

と思いつつ、それはどうも、良い事らしいのでやや良い気分に。

そしてその後は、左上半身と右下半身に音が響いてこない、とのご指摘のもと、
様々なことを色々とやって・・・

やはり足裏の3点で立つことの重要性を再認識。

演奏している間に美彌先生が私の足指を広げたり持ち上げたりして、足裏環境を変えてくださるのだけれど、その瞬間に音が変わる。

そうして整えた後は、最初に響いていなかった箇所も生き返る。

さらに「足もですが、手も小指が弱いです。使う使わない、という以前に神経が通ってない!」

ということで、小指を活性化させる動きを丁寧に教えていただきやったところ、ぐ~~んと下がる肩。

その解説も、ここの筋肉はあそこと繋がっているから、そのためにこうする、という非常に論理的かつ簡潔明快で、とてもわかりやすいし、そのために、頑固な私の脳も納得して動くので、それもより効果を高めているのかな?と思う。

これにより、背中側の肋骨と腕、手指の繋がりが生れる。

右を修正しただけでも、フルートが軽くなり驚いた。

そして両方をやり終えた後は首がグーンと伸びて、声まで変化。

「・・・10際若返りましたよね・・!」

「はい!」

この結果、フルートの響きが大きく変化しました。

昔、川崎優先生が「僕のヘインズはね、七色の音がするの」と仰っていて、実際、本当に素晴らしかった。一音の中に、シャボン玉の色彩が変化するように、様々な色が動き調和していた音色。

まだまだそれには及ばないものの私の初代ロットも、同様の響きになったのを初めて聴きました。一つの音の中に様々な色。まさに「音色」だ。

ああ、これまでは笛を吹いていても、モノクロームの世界に生きていたのだなあ、と思う。

自分の耳がおかしくなったのか?というくらいそれまでとは別の音。
虹色のマーブル模様が動き回っている。

さらにドンジョンの小品2つ(エレジーと風の歌)で、早いパッセージの曲も。

この段階で、今までのように様々なコントロールに気を配らなくても、指が自動的に動くようになっていて驚いたのですが、ここでもあらたなご助言が。

「速い曲になると重心が前に行きますね。でもそれは悪いことではなく、遅い時と速い時の重心の変化はむしろ大切にして、その上で・・」

と色々。

最後に、息をもっと長く使えるようになりたい、と相談したら、なんと耳!?

耳をひっぱることで、鼻のなんたらかんたら(忘れた!)が変化し、横隔膜も・・とのこと。

耳と横隔膜・・?

そして私専用の、つまり今の状態の私に最適な耳のひっぱり方を教えていただいた。

真っ先に、目の変化に気付く。視界がぱっと開け、ピントがあってクリアに見えるように。

そして胸元にスコーンと穴が開いたような、嫌、それよりも蓋が開いたと言った方がよいかも?なんせ、それまでのツマリが取れて、ただただ「有難い」という生まれて初めての感情が生まれたのでした。

演奏もさらに別物に。

吹いている間、丹田のあたりに手を添えてくださったのですが、そのとたんに、また大きな変化が。自分が感じている温かさがそのまま音になるような。

今度は美彌先生の手無しで吹きましたが、あの感覚は残っていて、ソロでも同様の演奏をすることが出来た。

なんというか、ただただ「有難い」。

「ありがたや!」と冗談交じりで言うことはあったけれど、これほど心の奥底から何かに感謝したことが私の人生にはあっただろうか?と思えるほどの大きな感情でした。

何かしてもらったことに対する恩義や感謝というのではなく、訳もなく、ただただ「有難い」。
今ここに存在していることがありがたい。

「人間を磨け」という植村先生の教え。
「あとは、人としてどう生きるかですね」という甲野先生の言葉。

いずれも漠然としていて、とても荷の重い宿題で、「よき人であろう」と心がける、というのもなんだか違う気もしていて、じゃあどうすれば?となっていたけれど、こうして身体を整えることで、心も変化させていければよいのだな、と新たな道筋をみつけた心地です。


「最後の演奏は、全く違いましたね。聴いている人の丹田も温かくなる演奏でした。みなさんに喜ばれますよ。グーンと振動が伝わってきました。」

と仰っていただけました。

「楽しくて人に役立つことをやっていこう」という師匠の宿題の一つが果たせるようになるのかな?と希望の芽が少し伸びる。

最後に、魔女のおまじない的ご助言も。これは秘密。

帰宅後、少し休んで何もしないでフルートを吹きましたが、レッスン時と同様の音。

でも、もう一度手首のワーク、耳のワークをやると、さらにます響き。そして様々な音色に。

どんどんと変化するのが面白く、結局初代だけで時間切れとなりましたが、明日は5代目でも試してみようと思います。

・・「記念日」が多すぎる・・?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その後、美彌先生からご連絡いただき、なんと過分なツイートしてくださいました。

『フルート奏者白川真理さんに指導させていただきました。一流の方を前にすると私自身能力を開花させられるのかミラクル全開。 (※なお、魔女トレ個人セッションは現在頻繁には行えない状況です) ………………』


恐縮です。でも嬉しい!\(^o^)/
人間も笛も決して一流なんかではありませんが、あの美彌先生がこのように仰ってくださるのだったら、この際、そういうことにしてしまおうかしら??
というか、それに相応しい笛吹きになるようさらに精進したいと思います。
美彌先生、本当にありがとうございました!