『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
    そして
  日々の出来事など

フルート奏者・白川真理

ウクライナ刺繍のワンピース

2023-06-29 00:14:32 | アンティーク
初めて購入したのが二年前、2021年の3月15日。

その見事で緻密な手仕事の美しさ、手触りの良さ、着心地の良さからすっかりハマってしまったウクライナ刺繍のワンピース。

それ以来、本当に、「普通」の現代の洋服を着なくなりました。

例外はフォーマルな場や、生徒さんの発表会の場。

こういう時は、シルクやベルベット等のツルっとした生地のキチンと感のあるワンピース。

でも、それ以外は一年中。

なので、バーゲンにも、アウトレットモールにも、すっかり興味が失せ、行かなくなってしまったし、レッスン帰りのショッピングセンターやデパートへの寄り道もしなくなりました。
殆どの製品は、みな奇麗にクリーニングされていて、修復もされているのだけれど、
中には100年前のものもあり、ものによってはほつれていたり、染みがついていたりするものもある。
でもむしろ、そういう「製品」としては残念な状態のものを購入して、自分で手入れするのも好きです。

ほつれているところは繕ったり、手縫いで裾上げするのも楽しい。

洗面所のシンクにお湯を張って酸素系漂白剤で30分程付け置きすればかなり綺麗になる。それからはネットに入れて洗濯機でドライモードで。

洗剤は、3種類を使い分け。

一番気に入っているのは、『マザータッチ』。なんと入浴剤にもなる洗剤・・・
「飲める洗剤」というちょっとギョっとする宣伝文もある・・
・・まだ飲んではいないけれど、入浴剤としては時々使っている。
排水口の汚れも洗濯機の汚れも分解するという優れもので、仕上がりも自然なふっさり感が。何よりウッディな香りが良い。


もう一つは『緑の魔女』。
これも上記のもの同様のエコなものだけれど、若干仕上がりはワイルドな感じ。


そして普通のエマールと無臭の柔軟剤。柔軟剤はまじない程度にしか入れない。
一番汚れが落ちて、なめらかに柔らかく仕上がるので、時々これも。

裏返してハンガーにかけて干し、乾いてから縫い目をひっぱっってやればピンとするのでノーアイロン。

漂白剤や洗濯でも落ちなかったサビの様な染みの箇所には、生地と同色の糸で刺繍してカバーすれば、殆ど気にならないくらいに。

元々がしっかりとした丈夫な生地なので、洗濯の度に生き生きして良い味わいになるのも楽しい。

思うに、昔、シーズンの度に新しい洋服が欲しくなっていたのは、もちろん流行もあるかもしれないけれど、それよりも、何度か洗ったり、クリーニングに出した洋服が今一冴えなくなっていたからかも。

今のピンとした洋服は「新品」の買ってきてすぐに袖を通した時が一番素敵だ。

でも、手紬手織り手縫い手刺繍のウクライナワンピースは、なんせ、元々が古いものなので、洗濯を重ねる程、こなれてきて魅力が増してくる。

・・じゃあ、枚数も少しでいいか?っていうと、これがそういう訳にもいかず、いつのまにか、かなりの枚数となってしまいましたが、一つ一つ個性が違うので、これはもう致し方ない。

シルエットや生地の感じはみなほぼ一緒なので、夫には、「まあ5着くらいになったかな~」と言っているけれど、真っ赤な嘘です。

みなネットで購入しているのだけれど、ロシアの侵略が始まってからは、ウクライナワンピースの売り上げは全て戦争孤児のために寄付しているという方や、ウクライナ出身の方なども居て、私の「物欲」も少しはお役に立っているのか・・

毎日着て、手入れして、眺めて・・という時間が大きな癒しとエネルギーになっています。

そして、その度にウクライナのこと、ウクライナ女性のことを思わずにはいられない。

ウクライナに早く平和が戻ってくることを祈りつつ。

サビの染みの上に刺繍。


最初は真っ青な染みだったものも漂白剤で綺麗に。





虎落(もがり)と趺踞(ふきょ)/爪活

2023-06-24 22:12:24 | 気付き
メルマガの動画で拝見しただけだけれど、甲野先生の『虎落(もがり)』の効果が凄い。

先生に確認した訳ではないし、あくまでも、これは先生の技がヒントになった私なりのやり方なので、ひょっとしたら全く違うことをやっているのかもしれないけれど、そんなことはどうでもよい。

とにかく効果があるのだから。

『虎落』を見て、すぐに「アっ!?」と思い出したのは『趺踞(フキョ)』。

お殿様の前で突っ立ているのは無礼千万だった時代の、警護の武士の構え、とも聞いたことがあるが真偽の程は定かではない。

曲者が来ると、その状態からやおら抜きつけて斬りつける、という抜刀の技。
最初から抜き身の刀よりも、威力があるという抜刀術の技。

先生と出会ってすぐ、見様見真似で、兄弟子たちに御教えいただきながらとても長い模擬刀で稽古していて、偶然だけれど、何度か出来たこともある。

当時、依頼された銀座山野楽器での古武術講習会ではこの、趺踞の構えのまま、ドビュッシーのシランクスを演奏したこともある。

この趺踞での演奏が最も自然に身体がまとまり腹圧が高まり、腹奥と音の根っこが繋がる響きとなるやり方だった。

それは今も変わらないのだけれど、なんせ、とても不安定な姿勢で、まあだからこそ良いのだけれど、コンサートの間中やっているというわけにもいかないし、第一、見た目が物凄く変でしょう?

ということで、当時から今まで、如何にして通常の演奏姿勢のまま、この趺踞を身体の中に内在化させて持ち運べるか、というのが大きな課題の一つでした。

そして先生の虎落。
まさに、20年探していた答えをみつけた思い。
あれは、私にとっては持ち運ばれた趺踞だ。

私のやり方は本当に簡単なものなのだけれど、虎落にすると2本だった弱い糸が縒られて強靭な1本になり、軸が定まる心地がする。

・・・・・・・・・・・・・・・・
爪活とは勝手につけたネーミングですが、こちらも新たな効果変化を体験中。

足の爪はようやく指よりも少し長くなり、これだけで立ち方、歩き方も変化。
より、足指10本がパラパラとばらけているのを感じられるように。

私はストッキングが大嫌いで、余程のことがない限り、着用しないからよいのだけれど、この爪のまま、高級ストッキングを履くのはちょっと難しそう。
すぐに破れそうで。

つま先側にゆとりのない靴もだめだろう。
日本人が靴を知る前の下駄、草履、草鞋の時代であれば、おそらく、この爪の長さがデフォルトだったかも?と夢想。

そして前脚、手指の爪も。
こんなに爪を伸ばしたのは人生初。
子供の頃からピアノをやっていたので、白い部分が見えないように切り詰めるというのが習慣だった。

でも、こうやって指より少しだけのばした爪でも、ピアノは弾けるし、むしろ音質は良い。指が毛糸を沢山巻いたマレットになったよう。
柔らかな指先がキイと爪に挟まれて安心して当てた時の芯が定まる。
結果、トリルなども軽く動かすだけで弾けるので、決まる。
人それぞれとは思うけれど、この爪でしばらく生きていこうと思う。

あのバッハタッチ、歴史的運指、3434、1212等も、この爪の方が指をオッ立てなくなるので、よりやりやすくなる。

深爪にしてしまうから、ハイフィンガーにならざるを得ないんじゃないか?とも思ったり。

フルートでも、挟まれる安心感というのは同様で、手首のこわばりが抜けるので、指先の肉がよりトロっとして重力のままにペタっと穴を塞ぐ。力み激減の結果、響きは増し、指もより動く。

この爪に関しては、前回の音楽家講座で陽紀先生にも質問し、色々と知見をお聞かせいただいたこともあり、納得。
確かに「散る」という効果がある。

ということで、6月は人生初の、殆どフルートが吹けていない状態ではありますが、刻々と進化中。

傷の治りと共に、首肩のこわばりも減ってきました。

あ~~早く沢山吹きたいっ!!!

寺家ふるさと村 四季の家 『寺家乃鰻寮(じけのまんりょう』

2023-06-19 16:45:40 | 旅行
急に暑くなりましたが、昨日は洗濯日和。

冬物の寝具を干してしまったり、夏物を干してさっぱりさせたり、ついでに押し入れの片付けもして、と一日フルで家事にいそしんでいました。

そして本日は、ご褒美という訳ではないのですが、夫が急にウナギ食べたい!と言いだしてランチは外食することに。

新しい店を開拓しようということになり、ネットで調べて向かったのは寺家(じけ)ふるさと村・四季の家にある『寺家乃鰻寮(じけのまんりょう)』
http://www.mismonet.com/navi/245/

ウナギも香ばしくて美味しく、なんといってもお店がゆったりした造りで、大きな窓越しに見えるのは田圃。

柔らかな緑の田圃を見ながらの食事は中々良かったです。
・・そういえば、かの星野リゾートでも「田圃の見える部屋」というのが人気、とTVでやっていた気もします。田圃はトレンド?

田圃には鷺もやってきていて、こちらもランチ中でした。




暑さも昨日よりは和らいで、風も気持ちよく吹いていたので、近くの寺家ふるさとの森も少しだけ散歩。

熊野神社の階段は中々急で大変でしたが、見晴らしも良かったです。
大きな木も沢山で空気も美味しい。




かなり広い公園で、散歩するには陽射しもあり蒸し暑かったので、ここはまた秋になり涼しくなったら歩こう、と意見が一致。

お店は天婦羅やお蕎麦もあるので、ちょくちょく来る度に、少し散歩していければ、と思います。

夏にいつも着る綿麻の白いウクライナワンピースは袖のレースの薔薇とグレーの刺繍が涼し気で、気に入っている一枚。もちろん、全て手刺繍のものです。
ブワっと膨らんで見えるのは風を孕んでいるから。
サラっとした涼しい着心地です。



ウクライナワンピースも衣替えです。
にしても、2020年春以降、本当に、ウクライナワンピース以外の洋服をすっかり着なくなりました。

第130回 音楽家講座~甲野陽紀先生を迎えて~ in鶴見 6月15日(木)

2023-06-17 22:41:35 | 音楽家講座・甲野善紀先生を迎えて
急遽の代講でのご登壇となりましたが、お陰様で熱心な皆様が集ってくださいました。

昨年末からは、本番が忙しく、加えて親不知問題での歯医者さん通いもあり、ずっと陽紀先生の個別講座も受ける機会がなかったのですが、久々に受講して、新たにその独自の視点と深い知見に圧倒されました。

ホワイトボードを使って言葉を書き連ねる独自のスタイル。

前半はレクチャー、後半は個別指導という音楽家講座のスタイルに合わせて、いつもよりは駆け足での解説と仰っていましたが、そのスピード感もリズムと必然性があり、とても心地よく、ぐんぐんと身に沁みました。

2人づず組んで、実践しながらの体験型レクチャーは、なんといってもすぐにその場で大きく変化するので、参加者皆様の顔がパっと輝く。

個別指導は6名受講されましたが、間髪入れずに的確かつ思いがけない方向性のご助言で、やはりその場で演奏やパフォーマンスが変化。

すぐにも本番で使えるものが数々ありました。

私は、親不知を抜いてからまだ2週間で、順調に回復はしてきているものの、本調子ではなく、右首肩は重怠く思う様に笛も吹けず腐っていたのですが、あれも試したい、これも試したい、と新たなヒントを沢山いただき、そのためにも、しっかり治そうと、久々に前向きな気持になりました。

お父様とは全く異なるスタイルではあるけれど、その根底にある「本質」に迫る姿勢はやはり甲野先生の遺伝子ではないかしら?としみじみ唸らされました。

言葉一つで変化するレクチャーなので、ここに詳細を書くことは出来ませんが、本当に御勧めです。

心身の知見の最先端ではないか?と思う。

個別講座や様々な講座も行われているので、興味のある方は是非!

音楽家講座でも、またいつか特別企画として登壇していただきたいものです。

先生の御快復も順調とうかがい、一安心。


参加してくださった皆様、会場スタッフの皆様、スタッフSさん、そして陽紀先生、
本当にありがとうございました!