『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
    そして
  日々の出来事など

フルート奏者・白川真理

川崎優フルート作品の調べ 12月28日(土)13時半開演 旧東京音楽学校奏楽堂

2024-12-30 22:51:33 | 音楽・フルート
川崎優フルート作品の調べ 12月28日(土)13時半開演 
                      旧東京音楽学校奏楽堂
フルート:白川真理   ピアノ:砂原 悟

晴天に恵まれ、無事終了しました。
猛威を振るっているインフルエンザや体調不良のためキャンセルされたお客様が10名ほどおいででしたが、100名を超えるお客様にお越しいただくことが出来ました。

皆さま本当にありがとうございました。

リハでは一通り吹いたのですが、モデルチェンジのお陰で、以前よりも疲れなくなっていました。
最初に調律を依頼した時、Kさんからも、ステマネのIくんからも、「あの会場は響かないから、相当工夫が必要」と言われ、一時はもうキャンセルしようか・・とまで思いつめたこともありましたが、それがずっと念頭にあったお陰か、大きな気付きと進展にも恵まれました。

特にリハの時、調律のKさんから「一番後ろの○○(失念)にかかった布が振動で微かに揺れていましたよ!」と驚かれたように仰っていただけたのは嬉しかった。

お客様が入って響きがよりデッドになるとどうなるか?はもうやってみなければわからなかったのですが、本番の後、笛吹き仲間から「一番後ろで聴いていたけれどピアニシモでも美しく柔らかい音が耳元に届き、とても素晴らしかった」と頂け、安堵しました。

川崎先生の奥様を「体調が良いので」と御子息ご夫妻がお連れ下さり、お聴きいただくことが出来たのも嬉しいサプライズでした。
久々にお会い出来ましたが、お元気そうで安堵しました。
そして何より、川崎家の皆様がとても喜んでくださったことも嬉しかったです。

ずっと吹き続けていたせいか、乾燥している会場のせいか、初代ロットが珍しくリハのあと、そして前半の最後の方でも、ご機嫌が悪くなってしまったのだけれど、とはいってもタンポを普段よりも少しだけ強く押さなくてはならなくなってしまっただけでしたが、これも、本日の為に来てくださったビンテージフルートリペアのスペシャリスト、綾部さんに調整していただき、限られた時間内での調整だったにも関わらず、素晴らしいお仕事をしてくださり、ベストコンディションで演奏することが出来ました。

奏楽堂のしっとりとした雰囲気は初代ロット、そして川崎先生の作品にもぴったりでした。

砂原悟さんのピアノに乗せて演奏出来るのはコロナ禍以降初めてで、ロットも喜んでいたと思います。私にとっても、練習の時から幸せなひと時でした。

ピアノもKさん、I君が何度も全体の向き、キャスターの向きまで色々と試みて、これだ!という場所を見つけてくださいました。

受付、譜めくりもみな笛吹き仲間。

師走の忙しい中集ってくださったお客様、素晴らしいスタッフに恵まれ、安心してのびのびと演奏させていただくことが出来ました。

沢山の方達に支えられて今が在ることを改めて感じられた幸せなひとときでした。

もちろん浮彫となった課題も多々ありますが、これも新たな研究材料とし、
これからも気力体力環境が許す限りは研鑽を続けたいと思っております。

後ともどうぞよろしくお願いいたします。

どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。 白川真理



(プログラム)





(本番)








(リハの写真)









(奏楽堂)







小首の傾げ方

2024-12-21 22:42:20 | 気付き
「小首を傾げる」とはよく言われる言葉だけれど、その傾げ方に関しての詳細な解説、説明というのは聞いたことがない。

そんなものが必要ないくらいに、誰もがすぐに出来るし、やっている動作だから。

それをそのままフルートで行っていたからいけなかったんだ・・ということにようやく気付いた本日。

先日の四足歩行的身体性を活用した左腕と手首の気付きに付随して気が付くことが出来ました。

でも、何より、ずっと今回のコンサートのチラシに掲載させていただいた川崎優先生の演奏時の写真をずっと見ていたからこそだと思う。

チラシが出来たのは3月で、それからずっと部屋の壁に貼っていて、毎日見るともなしに見ていた。

フルートを構えた時、どうしても顔は右に傾くようになる。
もちろん、適当な事が連ねられている教則本などに書かれているような90度なんかではないにせよ、多少の個人差はあるにせよ、右に傾く。

これを写真で見ると、普通に首を右に傾けているように見える。

実際のコンサートでも正面から見ることになるので、同様。

でも右に・・と思うからいけなかった。

そうではなく、結果として右に傾いた様に見える、ということで。

右に小首を傾げるのではなく視線の運び方で、そのように見える頭の位置になる。

決して首をダイレクトに操作してはいけない。

・・ということはもし将来教則本的なものを書くとしたら、書いておいても良い数少ない助言かもしれません。まあ、書くこともないだろうけれど。

更に、譜面台の正面に立った時、最初に斜め45度程右を向いて立って、先日の左腕、手首の取り扱いと、今回の視線の取り扱いによる小首の傾げ方をすると、結果真正面に向くようになり、見た目は、もちろん、フルートを構えているのだけれど、体幹部分はただそこに立っているだけのような爽やかで自由な感覚が訪れる。

もちろん、その結果出てくる音は過去最高を更新してくれるものになる。

こんなことは初めてで、まだまだ残っていた左肩手首、右首筋の滞りが激減したからこその感覚ではないかと思う。

というか、こんなにまだまだガジガジがくっついてたのね、としみじみ。

本当に「幾度も病をおびき出し打ち砕き」の連続です。

このチラシの写真は2019年、還暦記念?の王子ホールでのリサイタルのものだけれど、腕でフルートを不用意に持ち上げているのも、自分で首を右に傾げているのも、左手首にテンションがかかりすぎなのも、今だからこそ、アリアリと判る。

そして、川崎先生の構え方との違いも歴然。

なんて言っているうちに、いよいよ1週間後となりました。

お陰様で師走のお忙しい時期にも関わらず、沢山の方がいらしてくださることになりました。

とはいえ300人キャパの会場ですので、当日券も沢山ございます。
どうぞお越しくださいませ!





12月の設え

2024-12-20 20:27:11 | テーブルコーディネート
12月になってすぐに模様替えはしていたのですが、アップするのが遅くなってしまいました。

やはり12月はクリスマス仕様にしないと落ち着かない。

カフェオレ色のクロスは撥水加工で汚れもなかったので、そのまま使い、ちょっとチョコレートケーキっぽい配色となりました。
フォーマル感は減るけれど、より家庭的な普段着のクリスマス、という感じもほっとする。

毎年同じものを飾っているのだけれど、今回はサンタさんをそこらじゅうに散りばめて配置。
・・確か、去年はテーブルのセンターに大集合してもらっていました。
洗面所、トイレ、キッチン、TVの前、など、色々なところで楽器を奏でるミニサンタに出くわすことに。

玄関テーブルには中型の陶器のサンタさん。



玄関の小窓には、もちろんフルート奏者のサンタさんをチョイス。



電飾ワサワサモリモリというのはあまり好みではないけれど、年々、街のクリスマスの飾りが小ぶりになっていたり、控えめになっているような気もします。

これはこれで寂しい。



不服申し立て

2024-12-19 14:39:43 | ピピ
「お母さん、こいつらが、ちょっと邪魔なんですけど、どけてくれませんか?」

という表情で不服申し立てのピピ。

ここのところ、ずっと何も飾らずにピピ専用のスペースにしておいた薬棚の上。

クリスマスだしね、といつものサンタさんのおもちゃ工房の飾りを置いたところ、直訴されてしまいました。



その後は、「やっぱ、邪魔だよな~~~」という感じでやや不貞腐れた表情ではありますが、やむを得ず、共存を承諾?



最近昼間は殆ど、サンルームみたいにポカポカの2階の猫タワーのハンモックで寝ています。




よく入るなあ、、というくらい小さく丸まってギュウギュウでダルマさん状態に。

多分直径40㎝もないハンモックなのに凄い。

四足歩行的身体性  左腕と左手首

2024-12-15 15:02:03 | 気付き
12月8日に出演させていただいたガルバスタジオのコンサートでは、足指を使っての音の処理と共に、もう一つ大きな気付きがありました。

元々、譜面台はかなり低い位置。

でも、リハの時に使おうとした譜面台が故障していて、いつもよりも低く、その修正が出来ず、2本目にトライしたものの、こちらもだめ。

リハの時間も限られていたので、もうこれでいいや、とその低い譜面台で吹いたところ、かつてない程、口元の緊張が減っていることに気付きました。

?これは良いかも・・?

本番は通常の高さに調整された譜面台が置かれていたのですが、それをサクっと低くして、楽譜置台の処はより倒して演奏しましたが、色々なことが自由に出来たのは、このお陰が大きかったかもしれません。

ここで思い出したのは、かつて四足歩行マイブームだった頃のこと。
ウォーミングアップに四足歩行で歩き回っていたこともある。

当時は首を回すには、この四足歩行的身体の方が、ガキっとならずゆるやかに出来るという気付きで、どうしてもある程度首を左にまわさなくてはならないフルートにとっては、とても大きな気付きでした。

当時は某楽器店で古武術奏法クラスというのをやっていて、ヴァイオリにスト数名にもお教えしてとても喜ばれたものでした。

今回、軟口蓋を上げるようになっての初めての本番でしたが、首の緩やかさに加え、譜面台が下だと、顎周辺がとても楽になり自然に上下の歯の位置が揃っていることに気付いたのでした。

以前は気付かなかった、というか、多分軟口蓋も下がったままだったし、ここまで下を向いたことはなかったので、そうなっていなかったのではと思います。

この本番の数日前に、トイレでの気付き第二弾、というのがあったことも影響していた。

・・軟口蓋の時もそうだったけれど、何故にトイレ・・?

おそらく、とてもリラックスしているからではなかろうか・・

立ち上がる時にはトイレに限らず、上半身を前に倒してから立ち上がるのがもう習い性となっているのですが、上半身をグッと前傾させたとき顔も下に向き、その折に、下顎が降り出されて、上下のかみ合わせが同じ位置になっていることに気付いたのでした。

この時、「ああ、四足歩行の身体性を残したままであれば、軟口蓋も上がるのだなあ」としみじみしていたのですが、それっきりに。

それが今回、偶然リハでとても低い譜面台を使ったことで、フルートにも応用できることとなりました。\(^o^)/

そして、昨日、左腕と左手首の長年の疑問の答えがようやく見つかりました。
ボーっと「題名のない音楽会」を流し見していて、東フィル?のフルートセクションを見ていて。詳しくはややこしいし、私が感じるレベルでの良し悪しをここで述べるのも僭越なことなので、まあ、これくらいはたまには企業秘密としたい。

これも、そもそものきっかけは、以前よりも代講などで多くの生徒さんを観ることとなったお陰かも。

みな、左手のグリップが定まらず苦労されている方が多かった。
結果手、特に右小指に力が入ってしまって、色々と悪影響が。

過去、右手に関する可動域には敏感で、良い場所をみつけられていたのに自身の左腕に関しては、「まあ、身体の近くだしね。これでいいんじゃない?」くらいのものだった。

でも、それが大間違いで、これだけ、色々と振り捨ててきて、通常メソードとは180度違うことをやってきているのに、左腕だけは、過去に培ったものそのままでやっていて、それがとても邪魔していることに半世紀以上経ってようやく気が付いたという訳で。

そして、すぐに思い出したのは20年前、甲野先生と出会ってすぐの頃、ロシア武術・システマ指導者の一人者のお一人である北川貴英さんが駅のホームで雑談していた時にしてくださったご助言。

当時は北川さんもまだシステマに出会う前で、さてこれから何をしていこうかな?という感じの、とても明るい陽気な若者だった。

「ああ・・フルートだったら、こうやって構えればいいんじゃない?」とググーっと・・・やってくださったのだけれど、それが今まさに私がようやくたどり着いた左腕の取り扱い方。

・・ああっ!!・・_| ̄|○

当時は(今も?)とにかく甲野先生しか目に入らなかったので、「この人何言ってるんだろう?」ぐらいにしか思わず、「ありがとうございます。」と軽くスルーしてしまったのだけど、まあ、今の心身だからこそ、ようやく理解出来たということなのだろう。

このやり方で、左腕の位置も手首の具合も一気に良い状態となる。

「フルートは横に構えちゃだめなんです」ともうずっと言い続けてきたというのに、左腕だけはまだまだ横に構えようとして、他の様々な動きを阻害していたんだなあ・・

この病をおびき出し打ち砕くことが出来たお陰で、さらに自由に吹けるようになり、よりフルートが楽しくなりました。

こうしたことを以前は植村先生に喜々としてご報告出来ていたことが懐かしい。
大概先生は「うん。僕はずっとそうなの。」と仰るのが常だったけれど。