『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
    そして
  日々の出来事など

フルート奏者・白川真理

アフタヌーンティー

2021-10-27 00:17:07 | 日常
「そんなに会っていなかったっけ?」

というのがお互いの第一声。

緊急事態宣言も解除され、感染者数も減っている。

でも、有識者は声を揃えて「第6波は必ず来る!」と。

それなら、会うのは今しかないじゃない?

と、連絡を取り、急遽拙宅で遅めの軽いランチを兼ねて、お茶することになりました。

連絡した相手は雑貨店グラッサの店主であり、中学の頃からの友人フク。

フクに見立ててもらった国産天然山葡萄の籠も、もう11年目となりました。

5年前に取っ手など幾つかの箇所を修復してもらっていたのですが、今度は底にいくつか破れた箇所が出来てきたので、その修復をそろそろ、と思っているうちにコロナ禍となってしまい、そのままに。

それでも、丈夫なカゴで、ついこの間まで毎日使っていました。

柔らかな革製品、そう、あのボッティガベネタみたいな良い色艶に育ったカゴは最早、かけがえのないパートナーです。

最初に電話した時は

「ああ、この職人さんは、『最近はもう良い蔓が手に入らないんですよ。』と作るのを止めてしまったのよ。でも、聞いてみるからしばらく待っててね。」

そういえば、よくデパートの催事等でも山葡萄籠を見かけるようになりましたが、国産とはいっても、なんだか、私の知っている山葡萄とは全く違う。
のっぺりしてかさついていて、一言でいえば、勢いがない。
多分、含有しているポリフェノールの量も減っていて、年数かけても色艶はさほどよくならないのじゃないか、とも思う。

栽培したものも出回っていると聞いたこともある。なんだか寂しい話です。
「普通」や「当たり前」がそうじゃなくなってきている。

その職人さんの矜持と、そういう方に作ってもらった籠に、フクのお陰で出会えたことに本当に感謝です。

環境破壊による自然への影響は、思っている以上に早く進んでいるのかもしれません。

数日後、修理してくださるとの連絡を受け、それなら、ランチでも、ということになりました。

とはいえ、まだお店に行くのはちょっと心配なので、拙宅で席を3メートル開けての会食に。

私は料理をワゴンに載せてピアノの前に陣取りました。





キッチンと玄関の小窓を開けて換気も万全。

いつものご近所の店のローストビーフとポテトサラダ、アボカド、パンなどの出来合いを並べただけの簡単なもの。

そこに、どんぴしゃりとフクからの差し入れは、サーモンマリネ。
デザートには小豆ときな粉、米粉のロールケーキ。

まるで今日のメニューを知っていたかのようにぴったりのチョイスです。

紅茶はいつもの銀のポットではなく、夫々にガラスの小さなポットでお店風に。

・・ずっと生徒さんのレッスンでもボトルウォーターを出すだけの味気ないものになっていましたが、そろそろ、この方式でのお茶も復活させようかな・・・

フクは2匹のワンちゃんを飼っているのですが、猫も大好き、とのことで、ピピを見て大絶賛。

「なんて可愛いの!?え?男の子?イケメンだねえ~~」

「フサフサ過ぎる猫は顔が何処?という感じがして好みじゃないけど、ピピくんは、顔は小さくてシュっとしているのに、フサフサで、本当にカッコイイ!」

と、こちらの顔がほころぶことをジャンジャン言ってくれる。

私はもうデレデレで「そうでしょう?そうなのよ~~」。

ピピにも褒めてもらっていることがわかるらしく、ササっと恰好を付けてソファーの背に駆け上がったり。その上、なんとウィンクまでして、大サービスでした。

・・猫も美人には弱い、ということがよくわかったよ、ピピ!!




第111回音楽家講座 in鶴見~~甲野陽紀先生を迎えて~ 10月25日(月)

2021-10-26 00:59:54 | 音楽家講座・甲野善紀先生を迎えて
今回は特別企画。

半年前に登壇され大好評だった甲野陽紀(はるのり)先生を迎えての会です。

例によって、言葉と身体との関連性がとても高い気付きのご紹介なので、レポートすることはできませんが、本当に素晴らしかった!!

前回よりも、さらに進化されていて、圧倒されました。

後半は個別指導。

今回は8名のご希望があり、1時間で全員、となると一人当たりの時間数は7分前後。

受けられなかった、ということのないように、と受講される皆様お互いの配慮もあり、全員の受講が可能となりました。

次から次へと、その相談は多岐に渡るものでした。

1.親御さんの歩行がおぼつかなくなってきている方から、何か良い方法は?

2.カメラを構えた時に、上手くいく時とそうではない時があり、その対処法は?

3.より速くピアノを演奏するためには?

4.チャクラの整え方

5.痛めた肩をなんとかしたい

6.本番で緊張せずに声を出したい。緊張すると増えてしまう瞬きを治したい

7.本番で緊張した時の状態をなんとかしたい。(ジャズピアノ)

8.弾きながら歌う時の不自由さをなんとかしたい


これら全ての問に、間髪入れずすぐにメウロコのご助言を繰り出す。

前半のレクチャーも素晴らしかったのですが、後半の個別指導には本当に驚かされました。

応用できることも多々ありました。

お陰で帰りは荷物が軽く持てるようになっていた。

フルートで試してみたいことが山の様にあります。

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これで年内の音楽家講座は終了。

過去の音楽家講座にご参加、応援くださった皆様、本当にありがとうございました。

次回、第112回の甲野善紀先生を迎えての音楽家講座は来年の2月15日(火)を予定しております。

しばらく冬休みを頂くこととなりますが、今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

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講座にすっかり没頭してしまい、お写真を撮るのを完全に失念してしまいました・・


テトラツィーニの教え

2021-10-17 23:36:21 | 気付き
初めてテトラツィーニのことを知ったのは、フルートの師・植村泰一先生のレッスンの時だった。

下から上まで、上質の響きが保たれ、高音域になっても痩せない声に驚いたものでした。

その後、偶然に神田の音楽専門の古本屋さんで、

『カルーソとテトラツィーニの歌唱法』(川口豊:訳 シンフォニア)

という本を見つけ購入。

むさぼる様に読んだものでした。

とはいっても、身体の中のことなので、わからないことの方が多い。

それでも、時折、手にとっていたのですが、先日の「鯉口を切る」ことによる変化に伴って、ようやくこのテトラツィーニが語っている教えの一つがストンと腑に落ちた。

何故そうなったのかは、よくわからないのですが、その一言は

「ゆっくりと息を出し、胸の方に空気を押し上げるように感ずる」

というもの。

「鯉口を切る」以前の身体では、この感覚は掴めなかった。

これにともなって、人生最大といっても良い変化が。

「鯉口を切る」の左手になってから、それがスイッチとなって、日々ガラガラと組み換えが進んでいるのですが、本当に不思議です。

左手の人差し指のちょっとした変化で、ここまで変わるなんて。

左手のフルートに当たる箇所も変化し、生まれて初めてフルートを持ったような感じがありますが、もっと面白いのは、急に視界からフルートが消えてしまった様な感覚があること。

もちろん、今まで吹いている時も、フルートが目に見えている訳ではないのですが、よりその存在感はあった。

それがフっとフルートが消えてしまったような不思議な感じで、とても心もとない。
この心もとなささが、現実からの乖離のような、一種独特の瞑想のような集中を引き出す。

吹いている最中は、聴こえ方も変わってしまって、これが鳴っているのかどうかもよくわからないのですが、吹き終わった後の残響の残り方はかつてない程あるので、多分、これで良いのだろう、と。

この本の中でカルーソが語っている。

「実際には声楽家の数だけメソードがあると言っても良い。そして、どんなに特別なメソードも、それが正確に説明されていても、それを試みる人によって役に立たないことがある。(中略)私自身の独特な歌唱法は。たとえそれがどんなものであっても、前述のとおり結局は私だけに合うものなのである。」

この大前提のもとで、様々な教えが開示されている訳であるのだけれど、また身体の使い方の変化に伴って、この本への理解もより深まるのではないかと楽しみです。

(告知)第111回 音楽家講座 in鶴見 特別企画~甲野陽紀先生を迎えて~ 10月25日(月)、今後の音楽家講座予定

2021-10-13 12:32:59 | 音楽家講座・甲野善紀先生を迎えて
第111回 音楽家講座 in 鶴見

開始、終了時刻が早まりました。※1

10月は特別企画としてご子息・甲野陽紀(はるのり)先生による講座となります。
前回の代講が大好評だったため、改めて招聘させていただきました。
お父様の甲野善紀先生とはまた異なった視点で、誰もが気付かない本来の身体が持つ機能を、すぐに誰にでもわかるように御教えいただける独自の稀有な講座です。どうぞお越しくださいませ。

また11月~1月の会場確保が出来なかったため、次回の甲野善紀先生による音楽家講座は来年2月15日(火)の開催となります。しばらくお休みすることとなりますが、どうぞ御容赦ください。(主宰:白川真理)
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フルート奏者の白川真理女史が「音楽家のための身体操法講座をお願いしたい」
と武術研究者・甲野善紀氏に依頼したのは2003年のこと。
以来足掛け17年、100回以上に渡って開催されてきた「甲野善紀音楽家講座」
音楽家の方も音楽家でない方も目から鱗の
「常識を覆す」身体運用法を体験してみてください。
楽器などご持参の上、動きやすい格好でお越しください。
(会場内・飲食禁止、グランドピアノ有)
前半は最新の甲野先生の技、術理のお話と実演、
後半は希望者による公開レッスン形式の個別指導となります。


■ 日 程 2021年10月25日(月)18:45~20:45 (開場18:15) ※1
( 途中入場、退出、自由 )
■ 場 所 横浜市鶴見区民文化センター
サルビアホール.3階音楽ホール
JR鶴見駅 東口 / 京急鶴見駅 西口 共に徒歩2分
■受講料 4000円
◆お申し込み、お問合せ等
白川真理女史( karadatoongaku@gmail.com )まで
氏名・連絡先・一行プロフィール(楽器名など)を明記し、お申込みください。
個別指導希望多数の場合は当日抽選となります。
また写真録音録画等は禁止とさせていただきます。
途中で換気・水分補給の為の休憩時間(10分程)を設けます。
懇親会はございません
マスク着用の上、ご参加ください。
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18年続いた音楽家講座が、11月以降、3か月も中断するのは初めてのことで、とても寂しくもあり、残念ですが、安心安全な運営重視ということで、どうぞご理解、御容赦くださいませ。

この間、禁断症状が出そうなので、折を見て先生の他の講座や講習会に参加する予定です!先生の活動情報はこちらをご参照ください。

http://www.shouseikan.com/yotei.htm


10月の設え

2021-10-09 22:47:24 | テーブルコーディネート
10月になっても暑い日が続いているので、テーブルクロスはブルーに。

先月からのコルクのお皿?のワイルド感がかなり気に入っているので、そのままで、
収穫したライムを飾りました。

後は、軽井沢で買ったモモンガ。
ピピが目ざとく見つけて猫パンチを繰り出していましたが、クルクル回ってしまうので、倒せず、あきらめてからは、無関心となり今のところは無傷です。

モモンガに負けていじけて窓の外を見るピピ。



ルスカスはもう1年と2カ月になりました。
水換えの時に取れたり枯れたりしている葉からの芽が、また新たに生えてきています。
なんと逞しい生命力!?
誰か、ルスカスの研究してくれないものか・・






コロナ禍になってからというもの、身辺状況も大きく変化しています。

コロナも大変なことですが、それだけではなく、親しい方達が認知症になってしまったり、癌になってしまったり・・

中にはコロナ感染で入院された方もいらして案じていましたが、無事退院されたとのことでほっとしています。

自分自身もそういう年齢になってきた、ということかもしれませんが、今まで当たり前に感じていた「普通」や「日常」というものが、容赦なく断ち切られてしまうことの無常さが、より沁みて来る秋の空です。

先日の大きな地震もそうですが、急に足元から否応なく「普通」が揺るがされてしまう。

日頃、忘れているけれど、そういう人生を生きることを余儀なくされているのだなあ、と身近な方々の病の知らせを受けるたびに感じています。

「普通」に感謝しつつ、一刻一刻を味わい尽くしたいものです。

弟から沢山リンゴをもらったので、久々に瓶仕事。

レモンの代わりに家で取れたライムで砂糖煮を作りましたが、爽やかな風味となりました。

玄関先のボケの実も、ゴロンとしていて甘い香り。
もしや食べられるかも?とネット検索したら、ハチミツ漬け、というのがあったので、やってみました。

ハチミツが足りなかったので、黒砂糖も足してみた。

こちらもまた爽やかな香りで、喉に優しい美味しいシロップができました。