里山の風に吹かれて

千葉県は外房の里山に暮らしています
 
身近な自然の中で見かけた”花鳥風月”を

綴っていけたらと思っています

里山の春を彩る山野草2023 その2

2023-04-26 | ここ里山の草花あれこれ
 
いつの間にかそぉーっと季節が動いていってしまいましたので、その分だけ時期遅れになってしまった「里山の春を彩る

山野草2023 その2」です。


もう20年以上も歩いてきた私たちの散歩道ですが、この春初めてこの花に出会ってしまいました。

とっても可憐で小さな小さな花でした。森の中で自己主張することもなく密やかに咲いていました。花はあっという間に

終わってしまい、まさに一期一会の出会いでした。葉っぱの形もかなりユニークで、何もかもが印象的でした。

持っていた分厚い植物図鑑では見つけられず、ネットの図鑑をあっちこち探し回った結果、ついに名前を見つけることが

できました。

その名はコトリトマラズ! 

楽しい名前ですねー♪ 写真にもちょっとだけ写っていますが、鋭く尖った棘がたくさん生えているのでこの名前があるそう

です。ちなみに同じ仲間にはヘビノボラズというのもあるそうで、命名者のセンスにザブトン (ノ・・)ノ))))))))))◆◆◆~です。

正式にはメギという植物です。漢字では目木と書いて、枝を煎じて目薬として重用された木だとか。


前置きが長くなってしまいましたがこちらがその花です。山野草らしい静謐な佇まいにこの花の美しさがあるように思います。

#1










前回載せたクロモジと並んで大好きなサンキライの花です。小さな花の集まりですがキラキラ輝く雄蕊が綺麗です。

#2










葉っぱと伸び始めたツルが醸し出すおどけたような表情にもこの花独自の雰囲気があるように思います。

#3










前回もちょこっと載せたシャクの花です。群れ咲く小さな花の集まりにも惹かれますが、葉っぱの形の美しさにも

巧みな造形美を感じてしまいます。

#4










こんな小さな花にもちゃんと蜜があるんでしょうね。このベニシジミを始め、いろんな虫が吸蜜に来ていました。

意外にも虫たちにかなり人気の花のようです。

#5










足元にシャガを従えて、葉を大きく広げて咲くマムシグサの立ち姿がカッコよかったです。

#6










カキドオシ、ユニークな形の花です。似たような花にはトキワハゼとかムラサキサギゴケなんかがあります。

それぞれみんな科も違うのに似たような姿の花になるのは、もしかしたら何らかのウィルスが科を超えさせる仲立ちを

したのかも知れません。

#7










ミツバアケビです。アケビよりも大きくて立派な葉っぱを持ち、花の色が真紅で美しい色が目を惹きます。

#8










アケビの方は雄花と雌花では色も大きさも違います。花を開くときに香りを放出する巧みな仕掛けを持っているということを

ひめねずみさんに教えて頂きました。動けない植物は想像以上にいろんな工夫をしているようです。

#9










ムラサキケマンは花が終わった後、小さなマメ状の実ができるということもひめねずみさんに教えて頂きました。

まずはその花です。前回載せた花です。

#10










改めてその花が咲いていたところに行ってみました。花と同じぐらいの大きさの実がたくさんできていました。

マメ科ではなくてケシ科の花なのにこんなマメみたいな実ができるんですね。

#11










このマメを触ってみると、皮がクルッと回るように弾けて、中の小さな黒いタネを弾き飛ばしました。ゲンノショウコと

同じようなタネ飛ばしの仕組みを持っていたんですね。またしても植物の巧みさに驚かされてしまいました。

#12










冬から春にかけては、森の寂しさを演出するようなヤマノイモの芸術作品を見ることができます。

#13




















<<おまけ>>

うちの庭に咲いているタンポポ2題。

まずはモモイロタンポポ、毎年タネを蒔いて咲かせている美人さんです。

#14










今年もたくさん咲いてくれました。優しいピンクの花たちが静かに微笑んでいるように見えます。

#15










シロバナタンポポも冬から春にかけて咲く花です。少しずつ庭の中で勢力範囲を広げてくれています。

#16




















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可愛らしい春の虫 ビロウドツリアブ

2023-04-15 | 小動物・虫・魚 & more
 
毎年ブログに載せてしまう大好きなビロウドツリアブ(ビロツリ)です。春のほんの一時期だけに見られる希少な虫です。

ただ幸いなことにビロツリは後翅が変形した平均棍を持っていますので、ブーンというクマンバチやスズメバチが奏でる

音をこの子も出してくれます。そのためけっこう見つけやすい相手ではあります。

でっぷりとしたお尻にビロウド風の衣装を纏い、鋭く尖った嘴を持ったツリアブです。

#1










左右の複眼がこんな風にくっついているのがオスの目印です。

#2










こちらも同じくオスです。

#3










メスはこのように複眼が離れています。

#4










こちらもメスです。

#5










後脚を広げたこんな飛び姿を見ると、そのかわいらしさに思わず頬が緩んでしまいます。この広げた後脚で体のバランスを

とっているつもりなんでしょうね、本人の気持ちとしては。

#6










空中でホバリングしながらモミジイチゴで吸蜜していました。長い雄蕊の奥にある蜜を吸うためにこの長い嘴が役に立って

いるようです。

#7










満足したのか別の花へと飛び去っていきました。嘴の先が二つに分かれているのは蜜を吸ったばかりだからですね。

ビロツリは嘴の先をこんな風に開いて蜜を吸いますので。

#8










タチツボスミレも花の奥の方に蜜がありますので、ビロツリのお得意さんかも知れません。

#9









生物学的にはこの子はハエ目ツリアブ科だそうで、ハエの仲間と言われれば正面の顔からはそんな雰囲気も感じられます。

蜜を吸うときに嘴の先がふたつに分かれるのも、考えてみればハエみたいな特徴と言えるのかも知れません。

#10










英語では large bee-fly だそうで、ハチでもありハエでもあるという苦渋の名前をもらっているような気がしてしまい

ました。

#11















<<おまけ>>

以前、クマンバチは自分が飛べると信じて疑わないから飛べるんだという話をしました。信じればきっと飛べるという

ピーターパン理論と呼ばれてます。航空力学で有名なベルヌーイの定理では説明できないからこんなメルヘンに

行き着いたんでしょうね。

小さなクマンバチにとっては空気もネバネバした粘性を持った流体であるという流体力学のレイノルズ数という考え方が、

彼が彼女が飛べることを証明した学問だそうです。

ビロツリだってクマンバチほどではありませんが、大きな体の割には小さな翅で飛んでいます。この子もレイノルズ数を

上手に使って飛んでいるのかも知れません。

そんな繋がりからクマンバチを今回のおまけにしてみました。

ニホンタンポポをふたつ並べて吸蜜していました。体重をかけて左のタンポポを右のタンポポの方に引き寄せて蜜を吸って

います。

#12










左の花の蜜をたっぷり吸った後、その花から右の花に乗り移り蜜を吸いはめました。最初に吸っていた花は左上に戻っています。

巧みな欲張りさんです。

戻ったタンポポに向かって小さな小さな虫が飛んでいきます。人間が知らないだけでたくさんの小さな虫も元気に生きているん

ですね。地上に生存している生き物のうち、半分以上が昆虫だそうですから地球は虫の惑星なのかもしれません。

#13





















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