里山の風に吹かれて

千葉県は外房の里山に暮らしています
 
身近な自然の中で見かけた”花鳥風月”を

綴っていけたらと思っています

里山の山野草2024春 その2

2024-04-25 | ここ里山の草花あれこれ
 
前回に引き続き春の山野草です。


<メギ>

昨年初めて見つけたメギの花、花期が1週間程度と短いため今まで気が付かなかった花です。この花が

醸し出す古風な雰囲気に惹かれてしまいました。

#1










慎ましやかな小さな花だけでなく葉っぱの形も独特で、こちらにも目を奪われてしまいます。

#2










花も葉っぱも小さいのに不思議な存在感を感じる低木です。

#3










昨年見つけて興味を持ったので、このメギの木を1年間見続けてみました。

秋になると真っ赤な小さい実が成りました。

#4










実の形も可愛らしくてこちらもユニークです。

#5










実の成熟と前後して葉っぱも紅葉しはじめました。

#6










暖かい外房の地にある割には色鮮やかに紅葉しますが、如何せん、葉っぱが小さいために

それほど見事な大紅葉という風情にはなりませんでした。

#7










やがて冬になって葉を全て落とすと、この木の真骨頂が現れてきました。

この鋭くて立派な棘です。この棘のおかげでコトリトマラズとかコトリスワラズなんていう別名が

あったりします。同じ仲間にはヘビノボラズなんていうのもあったりしてなかなか楽しい木です。

まぁこんな棘なんか小鳥にしてみれば気にもせずに止まれると思いますが、でも腰を下ろすと

ちょっと痛いかな?

#8










その同じ枝に、春になって若葉が芽生えて来たところも撮ってみました。段々と棘が隠れて

目立たなくなっていきます。でも棘に気づかずうっかり触ると、アブナイ!

#9










<カキドオシ>

花の形がムラサキサギゴケやトキワハゼに似ていて、なかなかユニークな花です。 加えて、

葉っぱの形も面白いと思います。

蔓が垣根を通り抜けて伸びていくのでこの名前があるとか。逞しい生命力を感じる植物です。

#10










<ネコノメソウ>

以前はたくさん生えていた場所でしたが、イノシシに荒らされてほとんど姿を消してしまいました。

大好きな花だけに残念です。

#11










<ヤブレガサ>

面白い植物を見つけました。ヤブレガサです。でも今年は見つけるのが遅かったため、

もうすでにその面影はありません。立派なパラソルになってしまいました。

#12










そこで、ずいぶん以前に載せた写真を再掲してみました。葉っぱが開く前の芽生えの姿が

いかにも破れ傘という感じがします。傘張り浪人とか番傘、蛇の目という世界観を

思い起こさせてくれる草のような気がします。

来年は是非とも葉が開く前の様子を撮ってみたいと思っています。

#13










<タラノキ>

タラの芽として食べるには育ち過ぎましたが、立派なタラノキです。茎の棘を見ると、

人を(猿を?)寄せ付けないこの木の強固な意思がひしひしと伝わってきます。

#14










<コウゾ>

和紙の原料になる木です。初夏にオレンジ色の甘い実が成りますが、美味しいと思えるかどうかは

人によって意見が分かれるような気がします。でも私のような門外漢にしてみると、花が咲き実が

成るその一時期にだけ存在を感じる木のように思ってしまいます。

#15










<ヤマツツジ>

多分ヤマツツジではないかと思います。藪の中にこの一輪だけ咲いていました。雌蕊が長いこと! 

開いた花びらと相まって、ゾウさんの鼻のようでした。

#16










<<おまけ>>

もうほとんどシルエット状態ですが、今年も繁殖のために渡って来てくれたサシバです。

盛んに「ピックィー! ピックィー!」と鳴きながら飛んでいましたので本人確認が

できました。

残念ながら綺麗な写真は撮れませんでしたが、今年も出会えたことが素直に嬉しかったです。

#17



















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里山の山野草2024年春 その1

2024-04-10 | ここ里山の草花あれこれ
 
春の里山に今年も山野草が咲き始めました。


<ウラシマソウ>

ウラシマソウの芽吹きです。この花にとって象徴的な釣竿が最初に顔を出します。

#1










その次に畳まれた葉っぱが顔を出し・・・

#2










その葉を広げていきます。でも同じ仲間のマムシグサとは違って、葉っぱと釣竿を持つ手(仏炎苞)は別の茎に生えます。

#3










ここまで育つとそれがよくわかります。

#4










最後はこんなふうに威風堂々の迫力ある姿に成長します。大きな葉っぱを差し掛けられて、

まるで乳母日傘(おんばひがさ)のようにも見えます。

それにしてもこの釣竿、何のためにあるのだろうとずっと不思議に思っていたのですが、

昨年ブログのお仲間のひめねずみさんにその答えを教えて頂きました。

数年前に神戸大学の研究者によって解明されたそうで、この竿は特定のキノコバエ類にだけ

誘引効果があるのだとか。この釣竿でちゃんと釣りをしていたんですね。下記に詳しい情報が

載っていますので、興味のある方は覗いてみて下さい。

https://www.kobe-u.ac.jp/ja/news/article/2022_06_28_01/

#5










<クロモジ>

毎年咲くのを楽しみにしている花のひとつです。

#6










とっても清楚な感じがする可憐な花です。

#7










萌え出る葉っぱにも美しい魅力があります。

#8










<ニリンソウ>

たくさんで寄り添って咲く花です。毒草の宝庫であるキンポウゲ科のなかでは珍しく、

若葉を食べることができる山菜です。でもこの葉っぱはトリカブトにも似ていますので

注意が必要です。

#9










ひとつの茎にふたつの花をつけるのでこの名前がありますが、なぜか同時には咲きません。

このふたつもお隣さん同士の別の茎のものです。

#10










中にはピンクがかった花びらのものが少数あるので、いつも探してしまいます。

#11










<ミツバアケビ>

花の色が濃いミツバアケビです。逆光で撮りたくなってしまう花のひとつです。

#12










<キブシ>

舞妓さんの簪を思わせる花です。このときはちょうどアカタテハが吸蜜に来ていました。

#13










アカタテハは成虫で冬越しをしますので、春一番に咲き始めるキブシの蜜は美味しい

ご馳走なんだろうと思います。

他にもミツバチをはじめいろんな虫が吸蜜に来る、虫たちに人気の花です。

#14










<シャガ>

なかなか妖艶な花ですが、とにかく繁殖力が強いのでうっかり庭に植えたりすると

蔓延ってしまい、非常に厄介な花です。

日本のシャガは3倍体の植物で、ヒガンバナと同じくタネができないクローンだ

そうです。原産地はどちらも中国だとか。

#15










<オトメツバキ>

これは山野草ではありませんが、とにかく美しい花なので毎年撮ってしまいます。

#16










この妖しげな美しさに魅せられてしまいます。

#17










<ビロードツリアブ>

今年も出会うことができました。春のほんの数週間の間しか出会うことができない

幻のハナアブです。

#18










ちょっと引いてみるとこんなところに止まっています。周りにもっと目立たない場所が

たくさんあるのに、なぜよりよってこんな目立つ場所に止まるんでしょう? 

平らで止まりやすい場所を優先しているのかもしれません。捕食者に襲われない自信が

あるのかも?

#19





















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