里山の風に吹かれて

千葉県は外房の里山に暮らしています
 
身近な自然の中で見かけた”花鳥風月”を

綴っていけたらと思っています

万木堰の生き物たち「ミシアカ、フナの乗っ込み、カラスの採魚」

2019-04-19 | 小動物・虫・魚 & more
 
私たちのいつもの散歩コースの拠点になっているのがこの万木堰です。

米どころ房総半島のあちらこちらに点在する堰のうちのひとつで、田んぼに水を供給するために作られていますが

そこにはたくさんの生き物たちも棲んでいます。今回はそのうちのいくつかを載せてみたいと思います。

#1










この堰で一番多いカメがこのミシシッピアカミミガメです。名前のとおりアメリカ原産のカメですね。ミドリガメとして

よく売られていますが、それが逃げて(放されて)殖えてしまったようです。繁殖力が旺盛で成長も早くすぐに大きくなる

厄介者です。冬眠から覚めるのも早くて3月初旬にはもう日向ぼっこを始めていたりします。

#2










さてここからが本題です。

4月になって堰の水が温んでくるとフナやコイが産卵のために浅場に乗っ込んできます、このフナたちのように。

#3










この堰にはマブナとヘラブナがいるようですがこれはどちらでしょう? いずれにしてもオスメス仲良く寄り添っているように見えます。

#4

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
マブナにはおもしろい性質があって、無性生殖の一種である雌性発生をするそうです。発生の際にそのきっかけとしてオスの精子は必要なんですが、

オスの遺伝子が子どもに伝わることはなく、メスの遺伝子だけで発生する、すなわちクローン発生をする特殊な魚だといわれています。

関東地方にはマブナのオスはほとんどいないといわれていて、産卵の際にはヘラブナのオスがお手伝いをするようですが、さてこれはどちらでしょう?

少なくともオスの方はヘラブナということになるのかな?

#5










だんだんフナたちの動きが活発になって来ました。もうすぐ産卵が始まりそうです。

#6










そして産卵の瞬間です。2尾が身体を寄せ合って、呼吸を合わせて産卵します。

#7










かなり激しい水音が浅場の水面に響き渡ります。世代が受け継がれていく自然界のダイナミズムをこんな風に垣間見られたのは幸いなことでした。

#8










さてこちらはこのブログによく登場するカラスです。この子は森林性のカラスであるハシブトガラスですね。

堰の倒木に止まってなにかを啄んでいました。最初見たときはオオタカが捉えた鳥を横取りして食べているのかと思ったのですが、

よく見るとご覧のように60cmほどの大きなコイです。去年初めてこの堰でコイの乗っ込みを目撃しましたが、その大きさは

70〜80cmほどもありました。あまりコイが跳ねているところには出会わないので数は多くないのかも知れませんが、ここには

大きなコイが棲んでいるようです。

#9










でもこのカラスはこのコイをどうやって手に入れたんでしょう? どうも状況から考えるとこのカラスが自分でこのコイを掴まえたんだろうと

思います。水面すれすれのところをのんびり泳いでいたコイを鋭い爪でひょいと引っかけたのではないでしょうか?

#10










一番栄養豊富な肝臓から食べていますね。よく知っていると思います。

#11










そのすぐそばではミシアカが我関せずといった風情で日向ぼっこを決め込んでいました。40分ほどして戻ってきたときはカラスもコイも

いなくなっていて、後には何の痕跡も残っていませんでした。ほんの一瞬の出来事だったようです。

#12













さて、今日のおまけの1枚はうちの庭で咲いているハナショウブです。午後のまったりとした空気の中、菜の花をお供に楚々として咲いていました。

#13
























                                 ^ ^
                         ○o。。。 ミ・。・ミ  。。。o○
 
 
 

探鳥日和「カラスにモビングされるノスリ、トンビ」  **間違いを訂正しました(4/14)**

2019-04-11 | 野鳥・探鳥日和
 
勘違いをしてしまいましてこのタカをノスリだと思って書いてしまいましたが、よくみるとこちらもトンビでしたね。

トンビならばこんなこともあるのかなという気もします。申し訳ありませんでした。

以下訂正して再投稿し直しました。


        *****************************



カラスにモビングされているトンビに出会いました。

#1










よくみるとこのトンビ、何かをぶら下げています。どうもこれは魚のようですね。

トンビはミサゴのように自ら水中に飛び込んで魚をとるタカではないのになんでこんなものを?

魚を捕まえたミサゴから奪い取ったのでしょうか? 理由はよくわかりませんが、最高の獲物をゲットしたようです。

#2










カラスが上からトンビを見つめます。どうもモビングというよりも、なんとかこの魚を横取りしてやろうという魂胆のようです。

#3










やがてトンビを追い越していきます。

#4










先回りしてやろうというつもりなのでしょうか?

#5










2羽ともだんだん上空へと舞い上がっていきます。

#6










カラスが反転して待ち伏せ?

その後ろの山では今まさに桜が大満開でした。

#7










やがてトンビは森の向こうへと消えていってしまいました。カラスもその後を追いかけます。

果たしてこのトンビは無事に魚を食べることができたのでしょうか?

#8










一方こちらもカラスに追われたトンビです。

地上にいたトンビにカラスが舞い降りてきてちょっかいを出しました。

トンビはたまらずに逃げ出します。

#9










逃げられたカラスは呆然とした感じでトンビを見送っていました。

「なんで逃げちゃうの? 一緒に遊ぼうと思っただけなのにさ」

          と言ったかどうかはわかりませんが・・・

#10




















 

春の里山を彩る山野草

2019-04-05 | ここ里山の草花あれこれ
 
春になって里山の山野草もそれぞれに芽吹き始めて賑やかになってきました。

まず最初に登場するのはクロモジの花です。大好きな花で毎年載せていますが

若葉と花の間に独特のハーモニーがあって面白いですね。芽生え始めの美しさです。

#1










高級な楊枝に使われるだけあって枝にも香しい芳香があります。

#2










お次はサンキライの花です。サルトリイバラともいいますね。このぐらいの若葉は食べられるという話を

聞いたことがありますが、さて、どんな味がするんでしょうね? 

でも臆病者の私は、山野草はいくつかの種類を除いてまず基本的に一切食べません。みなさんも食べる場合は

よく注意した上で自己責任でお願いしますね。

#3










このサンキライは特徴的な形の葉っぱで、秋までずっと森の中で自己主張し続けているような気がしています。

この葉っぱを見るたびにちょっぴり嬉しくなるんですよ、なんか好きな植物なもんんで。

#4










こちらはミツバアケビです。色の濃い赤い雌花が逆光を受けて目にも鮮やか。見つけるとやっぱり嬉しくなります。

#5










アケビの仲間は雌雄同株、雌雄異花ということで、雌花の先に雄花が付きます。

#6










一方こちらはゴヨウアケビです。アケビとミツバアケビの自然交雑種ということで葉っぱの数は5枚、

雌花の色はミツバアケビのように濃い赤い色をしています。

#7










マムシグサとよく似たこちらはウラシマソウです。ご覧のように長い釣竿を伸ばしていることから

この名前があるんですね。

#8










ウラシマソウは仏炎苞が開く前からこの特徴的な釣竿を伸ばしてきます。

これってなにするものなの? なんのためにあるの? よくわかりません。 不・思・議!

#9










そして、よく似た仲間のヒガンマムシグサです。すぐに葉っぱを広げてしまいますので、前回載せたように

葉が出る前の姿はちょっと珍しいかもしれません。

#10










こちらの可憐な白い花はシャクの花です。春の森でその存在感を遺憾なく発揮する花だと思います。

芽吹いたばかりの若葉は美味しく食べられるそうです。(でもあくまでも自己責任自己責任、ですぞ!)

#11










それに対してこちらはムラサキケマン。こちらは毒草なのですが、芽吹いたばかりの若葉はシャクに

よく似ているとか。山野草の怖さはこういうところにもありますのでくれぐれも間違えないように

しないといけません。

で、この花の形は北海道のエゾエンゴサクにもちょっと似ていますね。エゾエンゴサクも美味しく

食べられる山野草だそうです。

ちなみにエゾエンゴサクの花言葉は「妖精たちの秘密の舞踏会」だとか。このムラサキケマンとは

似て非なる美しさがあるように思います、ムラサキケマンには失礼かもしれませんが・・・

#12










やや花が終わりに近づいてしまいましたが、こちらの花はモミジイチゴです。秋になると黄色い実をつけます。

この実が美味しいかどうかは、不思議なことに人によって意見が分かれるんですよ。なんでだろ? 

ま、蓼食う虫も好き好きと言いますし、英語にも趣味を説明すことはできないという言葉もあるようですから、

多分そういうことなんでしょうね。

#13










舞妓さんのかんざし、こちらも春を象徴する花、キブシですね。果実は黒色の染料にしたりするそうです。

枝をつまんで振ってみるとしゃんしゃんという軽やかな音が聞こえてきそうな気がしませんか?

#14










日当たりのいい斜面には早くもシャガが咲いていました。蜜に誘われたのでしょうか、ホソヒラタアブがやってきました。

#15










同じ花に今度はヒメヒラタアブもやってきました。なかなか人気者のようです。

#16










ツクシの花に面白いものを見つけました。一番てっぺんのところにサングラスをかけた女性の笑顔が見えませんか?

人間の目には3つの点があるとそれを人の顔と認識する機能があるということで、それをシミュラクラ現象というそうです。

日常生活の中での実感として納得できる話ですね。

#17