いきがかり上いたしかたなく・ぶろぐ

寄る年波には勝てないし難しいことは出来ないし、行き掛かり上致し方なくブログに頼ります。

さよなら真珠夫人君

2005-12-10 23:12:01 | 真珠夫人君
真珠夫人君が亡くなった。気づいたのはきょうの夕方だった。

きのう餌をあげた時、いつもなら餌入れに飛びついてくるのに、じっと寝床に入ったままでウトウトしているので、おかしいなと思っていたのだ。いつもはすぐに餌入れに頭を突っ込んで、ドライフルーツやビスケットを前足ではねのけながら、好きな餌だけを頬袋に詰め込む。

真珠夫人君のケージは次男の部屋にある。昼間、次男の部屋を覗いたときには、真珠夫人君は寝床の中で丸くなっていた。ヒーターが壊れているといけないので、時々ヒーターには触ってみていた。きょうもヒーターは大丈夫だった。

夕方、すぐ前のマックスバリュの100円ショップに買い物に行った。帰ってきたとき、誰もいないのに部屋のあちこちで音がした。確かに食器棚のガラスに何かが当たった音がしたのに、見に行っても何もない。廊下の方でも音がしたような気がして見に行ったのだが、やっぱり何もない。

もしかしたらその時、真珠夫人君が「ぼく、もう行くからね」と言っていたのかもしれない。ごめんね、私は気づかなかった。

カリンバ用の布袋を縫っていて、いつのまにかすっかり外が暗くなったので、部屋のカーテンを閉めて回る。次男の部屋。真珠夫人君は寝床の中にはいなかった。そんなところで寝ていることなんて一度もない場所。寝床とトイレの隙間に鼻先を突っ込むようにしてじっとしている。声をかける。動かない。もう一度声をかける。ケージの蓋を開ける。真珠夫人君の白い小さな背中に触れる。温かい。でも、動かない。真っ黒な目は少しだけ開いていて、でもまばたきしない。動かない。ふわふわの床材を取り除け、桃色の小さな足を見る。不自然な固まったような形。口は少し開いていて、いつもひくひく動いていた鼻先も動かない。ほんの少しだけ死んでしまった動物の匂いがする。

泣きながらヒーターの差込を抜く。温かいままだと腐敗が進んでしまう。夫と次男と妹とみやじまさんにメールして、涙でぐっちゃぐちゃになった顔を洗って、またマックスバリュに行く。棺と花を用意しなくてはいけない。

100円ショップで可愛い紙箱を探す。なかなかちょうどいいのがなくて、小さなパウンドケーキのトレイを買う。小さな花柄の紙のトレイだ。花も買う。黄色いカスミソウみたいな小花のソリダスターとオレンジ色のスプレーカーネーション。

トレイの中にソリダスターの花だけを敷く。真珠夫人君をその上に寝かせる。私の手の上に乗った小さな真珠夫人君。お世話はしていたけれど、遊んであげることはほとんどなかった。真珠夫人君のまわりにソリダスターの黄色い花と、スプレーカーネーションのほぐしたオレンジ色の花びらを入れていく。白い真珠夫人君の耳と背中が花の間からのぞいている。

バイトから戻ってきた次男が「本当に死んでいるの?」と聞いて、真珠夫人君を棺から出して掌に乗せる。「僕はあんまり遊んであげんかった。寂しかったかもしれない」真珠夫人君はもう動かない。

次男が庭の沈丁花の木の下に穴を掘って、小さな棺を埋めてくれた。

亀緒君はリビングにもキッチンにも和室にも自由に行けて、毎晩私とも遊んでいる。だのに真珠夫人君は、ずっと狭いケージの中にいて、餌をもらうときに少しかまってもらえるくらいの2年間だった。真珠夫人君、君はうちの子になって幸せだっただろうか。きょうの夕方、部屋のあちこちで音をたてていたのは君だったの? ごめんね、すぐに気がつかなくて。君は本当にいい子だった。ありがとう、可愛い真珠夫人君。さよなら、真珠夫人君。 

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 12月8日(木)の晩御飯 | トップ | 今週のお題は「現金100万... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
きっと幸せだったよ、 (みやじま)
2005-12-12 00:35:08
わたしも飼ってたハムスターが

死んでしまったとき、すごく悲しくて

泣きながら娘と埋める為の穴を掘りました。

好きだった餌と、好きだったさらさらの砂も

一緒に。。

亡くなる前の日の夜、いつもならのぞくのだけど、

たまたま作業をしていて、

なんか静か過ぎる気がしていたのに、

みてあげなかったこと、すごく悔やみました。

ろみさんはいつも、新鮮な野菜をあげたり

こまめに部屋を掃除したり、真珠夫人くんは

きっと幸せだったとおもいます。

小さな命だけど、ずっしり重い。

返信する
ありがとうございます (林本ひろみ)
2005-12-12 02:06:19
今も、あのひくひく動く桃色の鼻先とか、ふわふわの小さな前足とか、思い浮かべると泣きそうになります。生きているときでも、あの小さな前足に触れると泣きそうになってました。とても小さくてとても愛おしくて。



亀緒君はハムスターの真珠夫人君より寿命ははるかに長いはず(病気とか事故がなければ、たぶん私の方が先に死ぬはず)なのですが、よりいっそう大事に育てたいと思います。

返信する

コメントを投稿