木工挽物という仕事

基本的には時代遅れの仕事
正反対の位置にいるブログから発信してみます
でもブログも先端じゃなくなりましたね

定価と原価

2012-05-10 23:21:08 | 仕事
今日は仕事のお話
書き始める内容の方向性はあるけど、どこへ落ち着くかは行き当たりばったりです


値段の話をしたいと思う
お店で並んでる商品
今まで無数に見てこられたことでしょう
まずそれが魅力的な商品だったら値段を見てみる
自分のお財布から出てゆく額とその品物のどっちに魅力があるのか
その額<商品 だったらめでたく商談成立
まぁこれは商品だけじゃなくて今時はサービスなんかも同じ不等式が成り立ってお金が色々なものに変わってゆく

さて、ついてる値段
バーゲンになると2割引き3割引き5割引きといともたやすく落ちてゆく
そんなに安くしてええのん?
と思うのだが 一つの商品の原価というものはいったいいくらなんでしょう

僕らの仕事は部品が多いので簡単には測れないけど
たまに消費者にわたる商品そのものを作ることもあるので見えたりすることもある

簡単に言うと3倍
これが昔からセオリーだった
つまり1000円の物は300円ちょっとくらいで作らなくてはならない
ずっとそんな感じ出来たんだけれど
最近の話を聞くと5倍だという
1000円の物は200円で作らないといい商売にはならんという

僕らが作った品物がどれだけの手を経て消費者にわたるか
例えば太鼓のバチなんかは太鼓屋さんや和楽器屋さんに直接わたるので3倍以内ってこともあるし
それでも商売にはなるはずだ


先月初めて付き合いだした木工所は僕らとは違う畑の仕事をしてる
そこが仕入れて売ってる品物
実は10000枚以上他所の工場へ発注してたのだが
2か月経っても納品がないっていうので
あわててとりあえず3000枚作ってくれないかという話が来た
値段もう決まっていて一枚85円だ
多分皆さんも知ってるブランドの商品の一部木の蓋になる
それも教えてくれた
300店舗あって勿論ネットの販売もしてるということで
母の日も近いという理由もあってとにかくあわててた

で、85円はいいけど材料費がどれだけかかるのか
いつも付き合ってる材木屋に聞いてみた
そしたら1枚35円と言ってきた
特別高いわけでもないけど3000枚だと15万あまりおいしくもない
35円だと利益が見込めないからせめて30円にならん?
って交渉成立
それで一生懸命仕事して昨日3000枚完納した


今日そのブランドを検索してみた
商品も探した
まさにそれ 陶器とセットになってるのが800円
蓋だけ別に注文出来て420円
蓋の方が高い
420円は消費税込だから400円とすると5倍まではいかないけどそこらそこらだ

完納したけどもう500枚分材料があるんで余分に作っても買ってもらえるってことで
今日穴開けながら
55円で作っても買ってくれる人は420円出してくれるのか
そう思いながら手を動かしてたら
もっと気合を入れなきゃいかんな と思った次第

55円ならこれくらいいいか って思いがちだが定価を聞くと気が引き締まる
引き締まった
頑張らないかん と思ったことでした

ちょっと???もあるけどね(笑)


コメント (3)
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