☆ 住 吉 大 神 浄 め 給 う ☆

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安保法制は 「 リアリズム 」 で論じよ

2015-09-18 22:17:54 | 今日の光明法語
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【 政党なら具体案を出すべき 】


【 質問 】

平和安全法制の審議が山場を迎えていますが、野党や一部のマスメディアが

「 戦争法案 」 だとか、 「 憲法違反 」 だとかといったレッテル張りをするなかで、

必ずしも法案の内容が国民に正しく理解されていないようにも思われます。

そこで、自衛官ご出身で、海外派遣を何度も経験されている佐藤正久先生に、

この法案の意義などをお話しいただければと思います。


まず最初に、この法案に対する反対派の物言いや批判についてのご感想といった辺りから

お聞かせ下さい。


【 佐藤正久 】

いろいろ感想はありますが、何より最近の日本を取り巻く環境が厳しくなったということは、

どの政党も認めているわけです。

だったら、その中で、どうやって国家国民を守るのかについて、具体案を示すのが

政党の任務だと思います。

ところが、大半の野党はそうした案を出さず、本質とは外れた問題を持ち出して

政府案を批判することに夢中になっている。

肝心の中身の議論には全く入っていない、という感じがします。


実際、現場の自衛官などに話を聞くと、自分たちとは違う世界の議論のような感じが

するいう声が多い。

つまり、現実とはかけ離れた議論になっているのです。

防衛論議はリアリズムがなければ意味がありません。


【 質問 】

特に集団的自衛権については、「 自衛隊は地球の裏側で戦争するようになる 」 といった、

何とも非現実的な議論が目に付きますが。


【 佐藤正久 】

結局、 一般的なフルサイズの集団的自衛権と勘違いしている人が未だに多いのです。

一般に集団的自衛権は、密接な関係にある国同士がお互いに守りあう、

つまり共同防衛を意味しています。

自分がやられたら仲間が助けるし、仲間がやられたら自分も助けに行く。

しかし、今回の法案で認めているのは、そうしたフルサイズの集団的自衛権ではなくて、

あくまでも限定的なものなのです。


つまり、密接な関係にある国が攻撃されて、それをそのまま放置をしていたら

日本国民の命が守れないという場合に限っての集団的自衛権ということです。


おそらく、これは外国から見るときわめて わがままなものに見えると思いますよ。

しかし、憲法九条で許された 「 自衛の措置 」 の範囲内で集団的自衛権の整理をすると、

わがままなものとなるわけです。


(続く)


日本政策研究センター

http://www.seisaku-center.net/

『 明日への選択 』 8月号



【 米艦防護と邦人救出 】について

【 質問 】

そうした限定的な集規的自衛権を理解してもらうには、やはり具体的なケースを示すしかないですね。


【佐藤正久】

典型的な例は、朝鮮半島有事における米国のイージス艦の護衛です。

北朝鮮には日本を射程に収めたミサイルが数百発ありますが、

日本にそのミサイルが落ちたり、相手が宣戦布告をしたという状態にならないと、

日本は個別的自衛権を発動できません。


朝鮮半島有事では、当然米軍も参戦し、イージス艦を日本海に展開します。

仮に米国のイージス艦が攻撃を受けた時点で日本にミサイルが着弾していなければ、

そのイージス艦を守るために自衛隊が武力を行使すれば、これは国際法上、

集団的自衛権に当たる可能性があるのです。


つまり、集団的自衛権が行使できない現状では、防衛出動の直前に隙間があるわけです。

その隙間を埋めるためにも、集団的自衛権の行使を認めなければならないのです。

「 個別的自衛権でも対応できる。」という人もいますが、それは拡大解釈と見なされる恐れがある。

とすれば、無理に拡大解釈をするのではなく、やはり国際法に則って、正々堂々と

集団的自衛権の行使として国連に報告するのが筋だと思います。


なお、日本を全部カバーするには最低三隻のイージス艦が必要ですが、

自衛隊にはミサイル防衛に対処できるイージス艦は四隻しかありません。

整備の必要を考えると、三隻を維持するのはかなり大変です。

一万、第七艦隊はイージス艦が五隻あり、日米が連携すれば二重、または三重の寸りができる。

だったら、日本にミサイルが落ちる前から、互いに守りあえる態勢を作った方がいいはずです。


逆に、集印的自衛権は使えないと言って、ミサイルが落ちるまで自衛隊は何もやらなくても

本当にいいのでしょうか。そのように聞くと、大半の人はそれは困ると答えます。



二つ目の事例は 邦人輸送の問題です。

韓国には今、約二万人の日本人がいますが、朝鮮半島有事に際して、

実際に三万人を日本に運ぶには、三百人乗りの飛行機で何往復しなければいけないか

知っていますか。そう私は問いかけることにしています。

実際には日本人だけでなく、アメリカ人もいるし、フィリピン人やベトナム人も大勢いて、

朝鮮半島の緊張が高まれば、そうした人々はみんなまず日本に逃げてくる。

とすれば、お互いの国が連携して、民間人を日本に避難させた方がいいはずです。

ならば、そういう民間人を避難させるための態勢整備は必要ですねと聞くと、

みんな必要だと言います。

その場合、他国と協力して民間人を避難させるためには、集団的自衛権に該当する場合も

あるんですと言うと、「 それなら、何かやらないとまずいよね。 」 と多くの人が言うわけです。

ですから結局、自分たちに関係するかどうかが重要なのです。



【 質問 】

自分の生命に関わる問題に直面すれば、「 ここから先は集団的自衛権に当たるから

やらない」というわけにはいきませんね。


【 佐藤正久 】

隣の家が火事になれば、自宅に燃え移る前に消火するでしょう。

燃え移るまで黙って見ている人はいません。それが集団的自衛権の根幹です。


ですから、反対派の人たちが言うように、アメリカまで自衛隊が行って、

アメリカを守るのが、今回の集団的自衛権ではないのです。

結局、集団的自衛権の行使を禁じてきた政府の憲法解釈が作られた時代とはミサイル技術も

変わってきたので、そういう新たな脅威から、いかに国家国民を守るのかということです。


そこで今回の法制では、平時から、有事に至る手前の「 グレーゾーン事態 」 と

「 重要影響事態 」、さらに 「 存立危機事態 」や 「 武力攻撃事態 」などに対して、

切れ目なく日米が連携しあい、お互いを守りあえる仕組みを作ったということなのです。


(続く)


日本政策研究センター

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