満天横丁に住まう妖怪のひとり言

満天横丁に住む満天と申します
最近、猫妖怪化してきており更新は不定期ですが…
ひとり言にお付き合い頂ければ幸いです。

耳袋秘帖 作:風野真知雄

2010-10-28 | 本の紹介
  

※過去記事はコチラからどうぞ~
「両国大相撲殺人事件」
「赤鬼奉行」

どうやら…「だいわ文庫」という所から、「文春文庫」へと移籍したらしい

今回も奇談集「耳袋」を書いた赤鬼奉行こと
南町奉行の根岸肥前が、自身が見聞きした不思議な話しを織り交ぜながら
江戸の町に起こった事件を解決していくお話しなのだが…

出版社が移転したからだろうか? なんぞ問題でもあったんじゃろうか?

主人公の赤鬼奉行を水戸黄門に置き換えると
その脇を固める「助さん」「角さん」の両名が、コロっと変わってしまっていた。

シリーズで行くと「妖談うしろ猫」で11作目となるのだが
10作目まで登場していた「坂巻弥三郎」と「栗田次郎左衛門」が、何のご挨拶もなく消え
11作目からいきなり「椀田豪蔵」と「宮尾玄四郎」なる者に取って変わられておった。

ちょっと驚いたので、本文もソコソコに「あとがき」を見たが、まったくのスルー(笑)
前作までの「坂巻と栗田」を結構気に入っていた私しゃ、ちょっとショックであった。

なかなか馴染めぬ二人の登場に、頭が付いていかずに混乱したが…

椀田は背丈が六尺(約180cm)。
剣の腕は立つが嫁に行かない姉がおり、この姉がまた怖い(笑)
母を早くに亡くし、姉に育てられた部分もあるので、頭があがらない状態。
幼少時に姉に驚かされた記憶があるので…幽霊が苦手である(笑)
根岸と共に幽霊ありな、このシリーズ。どうやって乗り切るんじゃろうか?
少々、意地悪く楽しみでもある(ハハハハ)

宮尾は手裏剣の名手。最近根岸家の家来となった。超が付く美男子である。
が…女に持てることこの上ないのに、なぜか美人に目もくれず
いわゆる「ブス専門」を貫いているところが、たまらなく面白い。
椀田の姉が宮尾に一目惚れしたようなのだが…美人ではない姉であったため
脈ありっと見られる(笑) 二人の行く末が気になるの~

お話しの殆どを引っ張る二人が変わってしまったので
話しが持つ雰囲気も少々変わってしまった感がある。
とはいえ、妖しい雰囲気をかもし出しつつ、不思議と思える事柄も
その裏側、真実の部分には「人」が居る。ってな話しの展開には変わりがない。

むしろ「新」と銘打てば、なんの違和感もなく受け入れてしまったかもしれない。

今回のシリーズでは、「闇の団体さん」が行脚している。
シッポは見えているが…なかなか本体が拝めない。
これ等と根岸が、どう決着をつけるのか? それも楽しみの一つとなった。

文章がシッカリとしている作品なので、江戸モノ作品に興味がある方は
必見な作品だと思う。

ところで「耳袋」と言うと妖しい話ばかりと思われるが、そうとも言えない
根岸が見聞きした、「このまま忘れるには惜しい」っと言う話が載っているのである。
内容も笑い話、英雄・豪傑の逸話、よく効く薬、人情話に教訓話と多彩で
有名になってしまった「怪談話」ばかりではないのだ

ちょっと笑えるのが「お金を貯める工夫のこと」

風雨や地震などがあると家来を呼び
「昨夜の嵐で屋敷にどれほどの損害があったか?」と尋ねる。
家来もそれに応じて『このような被害が生じ、修理には何十両かかります』と答える。
これを、修理したつもりになって貯金するのだ。
ばかばかしいようだが、贈答、冠婚葬祭、朝夕昼夜、すべてにわたり
このようなきまりを設けていたので、だんだん金が貯まるのだということである。

また、これから仕事を進めるにあたり、心得ておくことは何か?っと問うた者に
「すべて人に相対するときは身分の上下に関わらず、
ひとつ心で接することを心がけるべきでありましょう。
しかし、最も肝心なのはその際、真心をもって接することであると存じます」
っというような答えを出したとの逸話や

片目の妻を貰った夫が、つい、ケンカした折に妻の目のことをなじった時
「みめよきは夫の為のふた眼なり女房は家のかためなりけり」っと詠った
意味は…
妻の容姿が優れているのを夫は喜ぶものですが、
家の固め(片目)となることこそ本来の役目です
こんな風に妻に切り替えされたら、夫はグーの根も出ない(笑)

など、う~~ん、と唸るような作品も沢山載っている。

「耳袋」っと言えば「怖い話」っと現代では位置づけられているが
そうともいえず、現代でも十分に役に立つ話が載っているので少し勿体ない(笑)
機会があれば、「耳袋」を読んでみるのも面白いと思う

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8 コメント

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Unknown (ブータン)
2010-10-29 10:04:28
あ~~おでかけガールズにくわわりたい~~
ブータンです。

こういう怖い・・妖しい話は大好き。
実際に聞くのは怖いけど、本を読むのは好きです。
たまに、夜読むと怖いけど・・

満天どのの写真、視線が違って、またステキでごじゃるな~~
これからも、ドンドン見せてください。

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面白そうですね~ (asagi)
2010-10-29 15:52:09
このシリーズって、本来の「耳袋」からちょっとくらいはネタをもらってるのか、それとも全部作者の創作なんでしょうか?

それにしても、出版社が変わったからって重要なサブキャラがコロッと入れ替わってしまうのって解せないわ。
以前からの読者はその辺りの事情も知りたいですよね~

怖い話といえば、宮部みゆきさんの「あやし」も時代ものの怪談集でしたけど、あれは後味の悪い身震いするようなのもあってちょっと…
「おそろし」も、なんだか好きになれなかったんですよね(^^;

怖い話は好きだけど、あんまり救いがないと気が滅入るので…
満天さんのお気に入りなら、このシリーズはゾクゾクしつつも気分よく読めそうです^^
覚えておこう♪
返信する
ご返事どす~ (ブータンどんへ)
2010-10-29 17:18:12

ブログで出来た仲間と一緒にお出かけするのは
本当に楽しいよん(笑)
カメラ仲間同士でお出かけして、撮影会を開くのとはチト違うし
元々の知り合いとお出かけするのともチト違うしの~(ハハハハ)

このシリーズは、怖いけれども…そんなに怖くないっす
結局は「人」。人の思いや思惑が全て。
こんな風に最後を締めくくるので、スタートが不思議な話でも
最後には「なるほど~」っと思う話ばかりです

写真を撮影する時のアングルが…夫にも変わっているっと言われてますだ~
なんか聞こえるんだよね。そのモノの声が…(アハハハハハ)
声が聞こえるってな事の方が、この本より怖いか?(笑)
ブータンの写真は、どれも素敵~って思います
私が撮る写真は、いつも皆さんに笑われてますだよん(笑)
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ご返事どす~ (asagiどんへ)
2010-10-29 17:34:21

宮部さんの「おそろし」読んだよ~~
私の以前のレビューは
http://blog.goo.ne.jp/pote741/e/9c194cf1dad020b9698e34ac176b80e0
↑コチラ(笑)
まったくasagiどんと同じような感想を書いておるよん(ハハハハ)
「あやし」はまだ家の本棚に鎮座してますだ
そうか…あれも「おそろし」に近いか~

根岸さんの書いた「耳袋」を題材にした宮部作品があります
コチラはもっと面白い!
「震える岩 霊験お初捕物控」と「天狗風 霊験お初捕物控」お初シリーズと呼ばれてます
この頃の宮部作品は、スッキリしていて好きです。
最近の宮部作品は…なんだろう?なにか大きな悩みでも出来たかな?(笑)
ちょっと「死」について強い感情があるような気がしてます

この本は耳袋を根底にしてますが、結局は人がする事だから…ってな話しに落ち着くので
安心して読めます
それに根岸さんが、エエ~オジサンなんよ(笑)
シリーズが長いし、巻によって受ける印象も違うので…
手放しで面白いぞ~とは言えん所がミソ(笑)
宮部さんのお初シリーズ(2巻)は続きが読みたいっと思うほどオモロイよん
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なるほど! (木家マス)
2010-10-29 21:31:38
前の助さん角さんはリストラにあったんじゃろうか?

でも新しい助さん角さんは、アネキ・コンプレックスとブス専なんて良いなあ。
読みたくなっただ。

次は、「妖談 まんてんゴルファー」でお願いするだ・・・。   
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ご返事どす~ (木家マスターどんへ)
2010-10-30 12:41:50

台風来てます(笑)
今頃来るなんて、少しトボケタ台風っす
木の葉が黄色くなる前に、冬みたいに寒くなり
秋が無い・・・っと思っておりやす(ハハハ)

テレビの水戸黄門さんも助さん、格さんが代わったもんね(笑)
由美さんの入浴シーンは無くなったのかな?

>次は、「妖談 まんてんゴルファー」でお願いするだ・・・。   


ところで木家マスターどん。
妖談は解るが…(会社が妖怪だらけだしの)
その横に満天も解る(ま、私のハンネだし)
でもゴルファーってのはなんぞ?(笑)
そんなこと言うから…つい、砂かけババアがバンカーで砂と格闘しておるシーンを
想像しちまっただよ(アハハハハハ)
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ちょっと久しぶりです (作太郎)
2010-10-31 21:48:36
満天ドン
ちょっと、久しぶり。
久しぶりにきたら、愛(あい)かわらず、木家マスとのかけあい漫才はおもしろいの~(笑)

昨日、巣鴨にいた。
満天ドンがいるよう気がして、思わずあたりを見回したぞよ(笑)
おでかげボーイズでも結成しようかな(笑)
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ご返事どす~ (作太郎どんへ)
2010-11-01 17:37:36

今日コメしに来たってことは…しばらくは来ないかな?
いや~、実は今日の記事は…作太郎どんの思い出をチラっと書いたでの~
(ガハハハハハハ)
なんとなく、思い出したのだ(笑)
なんとなくは…余計かいの(ブワハハハ)

昨日は巣鴨に居たの?
おじいちゃんの原宿だぞ。楽しんだかい?(笑)
ミョウ~に似合っていると感じるのは…
私だけではあるまいて…(ハハハハハ)
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