満天横丁に住まう妖怪のひとり言

満天横丁に住む満天と申します
最近、猫妖怪化してきており更新は不定期ですが…
ひとり言にお付き合い頂ければ幸いです。

カラクリ荘の異人たち 作:霜島ケイ

2010-09-10 | 本の紹介




久々に「ライトノベル」を読んだ(笑)
「ライトノベル」とは…中学~高校生向けに書かれた娯楽小説だと言われているのだが
変に文学を気取った小説よりも、面白いものがあるので侮れない(ハハハハ)

父親が再婚し居場所を失った太一は、父の知り合いがやっている下宿屋へ向かう。
目指すは賽河原町にある「空栗荘(カラクリ荘)」

ところがバスを降りたところは、人の住む世界の隣にある異世界であった
魚人があらわれ、ムジナがカッポし、カラスまでもがしゃべる(笑)

そして、そんな世界と繋がっていたのが「カラクリ荘」なのである。

主人公の太一は過去に傷持つ身なので、感情表現が下手だし、人付き合いも苦手。
じゃあ、最近見かける引きこもりか?っといえばそうでもない。
根は単純で心優しい。だから頼まれれば嫌とは言えないし、約束も律儀に守る。
きっと何ごともなくスクスクと育っていれば、元気で明るく活発な子であったろうと思う。
でもね。それがマイナスだとは誰にも言えない。
トラウマがあったからこそ、人に優しく出来るし、誰かが傷つくのが嫌いなのだ
そしてトラウマを自分で乗り越えた時、きっと太一はイイ男になる。

そんな太一君の心の成長に「カラクリ荘」の不思議な住人と
ちょいとお隣の世界の妖怪たちが適度な距離を保ちつつ見守る、ってなお話しである(笑)

平成のお話しなのに、そこかしこに昭和のニオイがする。ミョ~に懐かしい。
文章の流れも安定感があって読みやすく、最近の作家さんのニオイがしない。
不思議だの~っと思っておったら、なんと作者の霧島さんは私と4歳しか違わなかった
さもありなん(アハハハハハ)

ノホホ~ンとした筆の運びが私のリズムと合ったのか
10時間足らずで4冊読みきってしまった(ハハハハハ)
もともと読むのは早いが、この歳になってからのこのスピードは久々である。

この本の表紙絵を描いた「ミギーさん」素敵な絵を描くの~
「天羅万象」というサイトに彼女の絵が沢山載っておった。
なにか彼女の絵を見ていると、ホンワカして気持ちがエエ。

一巻目の表紙の太一はコチラに背を向けておるだろう
二巻目になると、少し戸惑いながらもコチラを見ておる
三巻目で女の子の肩を借りながらもぎこちなく笑い
四巻目では大いにひとり立ちしながら笑っておる

つまり、こういう流れのお話しなのだ(ハハハハハハハ)

実は私も何人もの継母との付き合いがあったから、太一と似たり寄ったりな性格であった
私の場合は、アチラの世界との繋がりがなかったもんで…(笑)
コチラの世界の友人に救われたんだと思う。

もちろん同世代の友人達が、私の精神のケアまでしてくれるハズもないので
何が因となり、私は立ち直れたんだろうか?っと考えてもコレといった話が浮かばない
幸いなことに私は太一と同じく、本来は脳天気な性格だったもので
キラキラとした青春時代を送っておる友人達に囲まれて
あれこれと思い悩みカラに閉じこもっている自分がアホらしく感じたのかもしれん(笑)

ただ…このころの写真を見ると、確かに笑いがぎこちない(アハハハハハ)
今振り返ってみれば、これも一つの青春なので笑いながら眺めておるがの~

今現在両親の離婚問題等で思い悩んでいる諸君も大勢いると思う
ぶっちゃけ子供にゃ何も出来ない。受身体制を取るしかないのだ。
ソコはあらがっても仕方ない(笑)

ただ一言だけ。「なんでも両親の離婚のせいにして…逃げるな」それだけじゃ。

結局、自分で乗り越えるしか手はないのだから(笑)

何かのせいにするのは楽だが、それではソコから抜け出せなくなる
なによりも現状から脱出したいっと願っているのは自分なのだから

それを誰かに引っ張りあげてもらおうたって、そうは問屋が卸さない
自分が怒っておれば周りも怒り出す
自分が笑っておれば周りも笑うもんぞ
つまり、結局は自分自身で乗り越えるしか手はないのだ

私が親に振り回されていた時間は17年であった
今私しゃ50歳(笑)33年間は親から離れて楽しく過ごしておる
たかだか17年で人生棒に振っちゃつまらん(笑)

本当に面白く、また爽やかな本であった
この本もブログ友の「さくらどん」からお借りした
四巻で終わりなのだが、続きが読みたいとか思ってしまっただ(アハハハハ)

機会があれば是非一読あれ。ホント、ええ本じゃたよん(笑)


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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
もったいないよね。 (トミー。(猫とマンガとゴルフ~の管理人))
2010-09-10 14:09:38
よく10代で自殺した記事などを見るとホントにもったいないって思います。
理由は何でもね。これから楽しいのにって。
人生いろいろあって、それだからこそ面白いのにって。
離婚した時にそう思いましたね。
今は大変でも、何とかやり過ごしていたら抜ける時もあるのに。
それが分からないから自殺なんてするんだろうけれどね。

もったいないって言えば若い女子なのにぶーぶーに太っているのももったいないって思っちゃう。(笑)
今より綺麗な時は一生のうちにないのに。
おばちゃんにならないと分かんないか。(笑)
返信する
人生いろいろ (まりんか)
2010-09-11 08:41:08
人間酸いも甘いも噛み分けて
だんだん熟成されていくということに
なっていますが、
その行程は非常に苦しいわけでして・・・。

でも、振り返ってみて
なかなかがんばったと思えるのは、
命があるからこそ。

私も無数の傷あとに、日々塩をぬり込まれつつ
生きていますよ~。
でも、たまに生きてて良かったと思いますね。
生きてなきゃ、こんなキレイな洋服着られんとか、しょうもないことが多いですが(苦笑)。

これからも
陽性の人間的深みがいっぱいの
満天節を聞かせてくださいまし。

ところで、拙宅のブックマークに
満天さんブログが登録できませんでした~。
更新情報の配信がなんたらかんたら。とのこと。
残念です~(涙)。
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胸に突き刺さる(。´Д`)ノ (sora☆)
2010-09-12 09:11:02
「なんでも両親の離婚のせいにして…逃げるな」

自分では変えられない現状をどう乗り切るかは、自分次第。
両親の離婚とかじゃなくても、いくつになっても、なにかのせいにして現実から目を背けることがあります。
それじゃダメだよね~
満天さんに猫パンチをおみまいされたようです(笑)
にゃ…にゃにするの(ノ゜゜)←目が覚めたところ

表紙のイラストの太一君の表情の変化もだけど、色調の変化も印象的ですね~♪
ほんにほのぼのするイラストです。
返信する
読むの早ッ (さくら)
2010-09-13 01:45:23
こんばんは。
私はちんたらちんたら、1冊読むのに1週間以上かけてた気がします。
4巻に至っては、読み終わりたくないので、わざと細切れに読んでました。

イラストがいいですよねぇ。
和みます。ホント、好きです。

多感な時期に受ける心の傷は、加害者の続柄にかかわらず、また
本人の意思にかかわらず、抉っていくものがあるのだと思う。
通り過ぎるまでは抱えることになるのだが、
そういうの、過保護でもなく触らぬようにするでもなく、
ほどほどに厳しくしてくれるからくり荘の住人が好きでしたわ。
そして、異世界に引き込まれる理由とかもね。

ホンマ、続きが出てくれないかと切に願うっす。
返信する
ご返事どす~ (トミーどんへ)
2010-09-13 10:24:59

>もったいないって言えば若い女子なのに
ぶーぶーに太っているのももったいないって…

あっ、コレ解る~(アハハハハ)
ウチの会社の子達は、まさにコレでの~
20代から太っていて30代で既に諦めの境地におる(笑)
たまに本社の綺麗な子が来ると…目の保養になっておるくらいじゃ(笑)
この子らが50代になったら…っと思うと、いらぬお節介だが心配になる
既に健保組合からも呼び出し状が来ておるしの
オジサン達と同列は…さすがにマズイと思うがの~(アハハハハハ)

自殺に関しては色んな要因がある。だいたいが突発的か、誰かへの嫌がらせが多い
私も継母が困ればイイと思って自殺を試みた
健全な視線から見ればアホみたいな行動でも、その時は真剣であった(ハハハハ)
色んな本や漫画が私を救ってくれたと言える
親たちがクダラナイっと一笑していた漫画に
子供が救われたと知ったら、何と言うだろうの~(笑)
だから今、沢山の本や漫画を子供達には読んで欲しいと思っておるだ~
何が役にたつかは解らんのだ~
返信する
ご返事どす~ (まりんかどんへ)
2010-09-13 10:37:02

アッシも!
ブログを開設したばかりの頃は…知り合いの登録なんぞ無理でやんした
(アハハハハハハ)
そのうちに落ち着いたころ…あっ、これか…っと出来るようになるでやんす
あんまし気にしないで下さいね~(笑)
だいたい…私もまだ出来てませんです(ハハハハハ)←ちょっと凝った所にあるもんで(笑)

色々とあって人は大きくなるもんなんだけど…当事者はなかなか。(笑)
振り返ってみて、初めて色々と気が付くもんで
それも…アホみたいに何度も(ガハハハハ)

だからこれからも色々とあるんだろうな~と思ってますだ
ただ、ソコソコな経験値があるので昔よりは少なくなってますけどね(笑)

まりんかどんは文章を生業にされておるので…ちょっと恥ずかしいっす(ガハハハハ)
こんだけ書いているので…今さらでやんすが(ハハハハ)
ほんと、こちらこそ色々と学ばせて頂きたいと思ってますだ~よろしくお願いします(笑)
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ご返事どす~ (sora☆どんへ)
2010-09-13 10:42:27

いやいや…私もこの歳になっても
まだまだ気が付けば誰か人のせいにしたがる所はあるでやんす~(ハハハハハ)
だもんで自分への戒めも込めてっす
こうやって自分の過去を書き、その頃思ったことを思い出すと
今の自分が見えてくることがあるもんで
まずまず、この歳でも悩みは尽きないっすだ(ハハハハハ)

ミギーさんって始めて知ったんですが、ドラクエのイラストなんぞも手がけておるそうで
幅広い活躍をしているようですだ
本当に淡い色彩が素敵で、こんなイラストの作品を
部屋に飾ったら素敵だろうな~なんて思ってますだ
ゴルフ場の絵とか…描いてくれんもんじゃろうか?(ハハハハハ)
ハムスターなんぞも、上手に描いてくれそうだよね~(笑)
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ご返事どす~ (さくらどんへ)
2010-09-13 10:51:13

こういう本。なかなか自分では買わないたぐいだと思うんよ
エエ本を紹介してくれて、ありがとうな~
本当にエエ本じゃの~っと思っただ

普通は…少し余計な部分まで、こういう子には言ってしまうと思うんだ
でもこの本では、親も継母も、カラクリ荘の面々も
「今、言った所で反発するだけで解らない」って事を非常に良く理解している(笑)
だから皆が温かくその時がくるまで待っている
そんな風景がとても温かいな~って思う

そうそう、4巻目はさくらどん、もったいなくって読めないって言ってたもんね(ハハハハ)
私は1~4まで手にしてたもんで一気であった(ガハハハハ)
ハリーポッター以来だよ。こんなに爆走して読んだの(笑)
この本のレビューは悩んだだ。一回のレビューでは難しかった(ハハハハ)
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