満天横丁に住まう妖怪のひとり言

満天横丁に住む満天と申します
最近、猫妖怪化してきており更新は不定期ですが…
ひとり言にお付き合い頂ければ幸いです。

悲しいお別れ

2010-05-20 | 会社のハチャメチャ
私のブログでは「エクアドルのバナナ売りさん」として
何度か登場したことがあるAさんが、急逝されたと会社に連絡が来た。

自宅で突然亡くなった場合、事件性の有無は調べるものの
実際に何が原因で亡くなったのかハッキリと明言するのは難しいと聞く。
たいがいの場合、心筋梗塞と診断されるそうな。

Aさんは今年還暦を迎える年齢であった。
これといって日に焼いていないのに年中色黒で、明るく穏やかな性格の人であった
Aさんとは部署が違うが彼を兄と慕うSさん、それに私の3人は大変仲が良かった。
何かというと寄り合い、お互いに冗談を飛ばしあいながら笑いあっていたものである。

そんなAさんが2年前の早春に奥様を亡くされてから、みるみる元気がなくなり
私とSさんは心配したもんだった。
奥様も心筋梗塞の突然死で、Aさんが自宅に帰ったら亡くなっていたというから
よりショックが大きかったのかもしれん。
奥様存命中は結構悪口も言っていたのに、奥様が亡くなってからの彼の憔悴ぶりを見るに
「そんなに愛してたんだ~」っと周りの衆は驚いてしまった。

それが半年経っても、一年経っても元気になるどころか
ますます憔悴し、生きる屍のようになって行く彼を見て、益々、周りの衆は驚いた。

とはいえ、気持ちは解るが何時までも萎れている訳にはいかない。
残されたと言えば寂しい気持ちにもなるが
別の世界へ旅立った人を何時までも思い過ぎ、悲しみが過ぎても体を壊す。
なんと言っても我々は「生きて」いるんだし、「生きて」行かねばならないのだから。

まったく趣味を持たないAさんに
「男の料理教室はどうじゃ? 若いピチピチギャルがおるぞ~」とか
「盆栽教室ってのは、無心になれてエエそうじゃよ~」とか
私とSさんで彼の趣味を見つけようと、あ~だ、こ~だ言っておったが
結局、Aさんの休日は、奥様の墓参りで落ち着いてしまっていた。

「毎週墓参りへ行って何をしてるんだ?」と聞くと
「一週間の出来事を墓前で報告するのが、一番落ち着くんだ~」とか言っておった。

そんな時の訃報である。社員一同俄かには信じられんかった。
っと同時に「やっぱりな~」という複雑な気持ちが渦巻いた。

正直、妻の立場から言わせてもらえば…そんなに思ってくれるのは嬉しいのだが…
その半面、夫の事が心配で…夫を置いてあの世へは旅立てないかも?…とも思ってしまう。

2年経っても悲しみから脱却出来ない不甲斐ない夫を放っておけず
つい、一緒に連れて行ってしまったのかもしれん。
そんな風に想像してしまうほどに、急な出来事であった。

Aさんが亡くなったとの知らせを受けたのは先週の月曜日で
それからバタバタと手配や手続きに明け暮れ、気が滅入った所で木曜日にオフ会があった。
前の記事でも載せたが上野の博物館へ出かけたのである。

翌日の金曜日が通夜だと連絡が来ていたので
会社を休むのもどうかと思ったが、前からの予定だったので思い切って出かけてみた。
お天気も良く、上野の木々に五月の陽光が柔らかくあたり木漏れ日を作っている様を見て
滅入っていた気分がス~っと楽になるのを感じることが出来た。
また、気のおけないメンバーのハツラツとした笑顔を見て、沢山の元気を貰うことができた

お陰で翌日の通夜でAさんにちゃんと別れを言えた。

で、「ああ、そういうことか」っと思った。
辛いことや悲しいこと、苦しいこと、世の中には色々とあって
それを避けては、人は生きていけない。どうしたって何処かで出会う。
そんな状況の時に、会社などの組織に属さない部分に友人を持つということは
とっても大事なことなんだな~っと感じた。

私のように故郷を後にし遠い場所で働いていると、気付けば周りは会社関係ばかりである
きっとAさんも同じだったのだろう。
社内でいくらアホな話をし笑っていたとしても、その場限り。
休みに一緒に何処かへ出かけるメンバーに、会社仲間は出てこない。

夫や子供、親や兄弟、親戚関係では得られないモノがあり
それは何の上下関係もない、友人から得られる心の糧となるモノなのかもしれん。

通夜へ出かけようと会社の更衣室で着替えをしていると後ろから甲高い声が聞こえた

「すみませ~~ん。手伝って下さい~~」

甲高いが悲痛な声に驚いて振り返ると、購買部の30代主婦のキャピ子ちゃんが居た。
太ってしまい…喪服の背中のファスナーが閉まらないので手伝って欲しいと言う。。。。。

「訃報は月曜だったんだぞ!ナゼに金曜までに喪服を買わん!」っと普通なら思うのだが
前日の友人効果は絶大であった。
肉を喪服に詰め込みながら、笑顔でファスナーを閉めてあげることが出来た(アハハハハ)


また、皆で何処かへ遊びに行きたいな(笑)
その時は、私が皆に元気を分けてあげられるように、めげずに働こう~っと。

ブログランキング・にほんブログ村へ

 

ポチっとで、作者のヤル気でるかもです(笑)

最新の画像もっと見る

18 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ちょうど (木家マス)
2010-05-20 12:18:35
今、エクアドルの豆を焙煎してました・・・。

奥様を亡くされてから憔悴されたということは、裏を返せばそれだけ熱い方だったのかも?

「エクアドル」って確か「赤道」って意味なんですよね。

エクアドルのバナナ売りさん、今頃天国で奥様と熱い日々を送っていらっしゃるんでしょう!

ご冥福をお祈り致します。 
返信する
ご返事どす~ (木家マスターどんへ)
2010-05-20 14:21:52

おお~エクアドルのコーヒーだってか?
エエな~。
こんな小糠雨の振りそぼる日にゃ、熱いコーヒーでも飲みながら
漫画でも読みてぇ~~~~~!
っと思いつつ、お仕事している満天どす(笑)

>「エクアドル」って確か「赤道」って意味なんですよね。
そうなんか? エクアドルが何処にあるのかも知らんで言っておったが
そうか…赤道って意味があるのか

>ご冥福を…
いやいや、エエんよ。彼のご冥福なんぞ祈らんでも(笑)
ただ夫婦の絆ってのは解らんもんだの~っと思っての(ハハハハハ)
木家マスターどんも…ワガママどんを大切にした方がエエぞ
マスターのブログを読んで思うんじゃが…
マスターも相当ママさんを愛しておるみたいじゃから(笑)
返信する
夫婦 (つぽし)
2010-05-20 16:35:05
うちの夫婦も、いずれはこんな感じになれるのでしょうか?

今のままでは無理♪
返信する
いつか… (ちか)
2010-05-20 17:24:51
良く、人は亡くなるとお星様になるとか、空の上から見守ってくれるとか言います。
今の時代、雲の上には暗黒の宇宙があり、何万光年も先の星はすでに滅亡しているかもしれない…ほとんどの人が知っています。

でも…親しい人が亡くなって…ふとした拍子に「今頃空の上で何をしているんだろう」とか「今の私をどう思ってるんだろう」とか…それは心のどこかで本当に思っている、信じている自分がいるのも事実です。

人は何かに頼る…と言うか何か拠り所が無いと生きていけないような気がします。
それがお金でもゴルフでも、心にしみる音楽でも文学でも良いと…
でも私は誰かの「生きた言葉」が一番かな?
別に高尚で教育的な言葉じゃなくて構わない。
何気ない一言が明日の活力を生むんじゃないかって思うのです。

だから、満天さんの言葉は私の明日を確実に染めています…超天然色に…笑
返信する
Unknown (真由美)
2010-05-20 17:43:36
満天さん、こんにちは。Aさんのご冥福を心よりお祈り申しあげます。私が思うことは生きている間つまり今が大事だなってことです。今今今の連続だと思います。パート先の人間関係に少々参っていますので満天さんのブログで元気を回復しています。いつもありがとう
返信する
突然でしたね・・ (長崎沙織)
2010-05-21 11:30:00
親しい人の死は悲しいものですよね。
エクアドルさんは 
大好きな奥さんの待っている場所へと
逝かれたんでしょうね。
一人ぼっちじゃないと思いますよ。きっと。
満天さんは夫婦揃って
元気でいてください!


返信する
Unknown (でぃ~れいく)
2010-05-21 14:34:44
つい先日、話をした人が急遺するとショックだよねぇ
今時還暦なんて折り返し地点、定年退職したら、さあこれから遊びまくるぞ~!
てなくらい今時のアラ還は元気だ
つれあいに先立たれた時、圧倒的に男性の方が弱いそうで
寂しさに耐えられないとかもあるだろうけど、亭主関白を気取って家の事全て奥さん任せの人だと生活全般に支障を来すしね
女性の方場合、一人を楽しむ事が出来る人が多いというか、切り替えられるんでしょうね
ちと関係ないけど、うちの父方の爺婆はとっても夫婦仲が悪かったらしく(主に爺ちゃんに問題あり)、うちの母曰く「寝たきりになっても世話なんぞ絶対にしてやらん!○ソまみれになってりゃいいわ!」とよくのたまっていたそうな(笑)
結局婆ちゃんの方が先にボケて寝たきりになって爺ちゃんに下の世話をさせ、先に彼岸に旅立ちました
ある意味婆ちゃんの思惑通りだったかもしれん(笑)
ちなみにこんなに夫婦仲が悪かったのに子供は9人いた不思議(爆)
返信する
ご返事どす~ (つぼしどんへ)
2010-05-21 14:43:53

つぼしどんは…一人になても長生きするタイプかの?(アハハハハ)

私の親戚筋のオヤジ達は、揃って一人でも元気で暮らしておる(笑)
義父なんぞ義母を亡くして20年以上になるが
齢90にして元気一杯ぞ(アハハハハ)

そっか!つぼしどんは、日々会社にて女子にもまれておるもんの
日頃鍛えられておるから長生きするぞ~~(笑)
返信する
ご返事どす~ (ちかどんへ)
2010-05-21 14:53:54

>満天さんの言葉は私の明日を確実に染めています…超天然色に…笑

この…「超天然色」って…なんだ?(アハハハハハハ)
ちかどんの言う「生きた言葉」って解るな~
おざなりやら、ありきたりやら、儀礼やらじゃない言葉だよね(笑)
子供の頃はそんな言葉なんて願わなくっても日常に溢れておったけど
この歳になると気を使いあった儀礼交じりの言葉の方が、言うのも言われるのも多くなっただ
ま、よい歳こいてズゲズゲ物を言う訳にもいかず
それなりの年齢に見えるから気を使われる場面も多くってな状況があるけどね(笑)

本当に生きた言葉を投じてくれる友ってのが少なくなってきたのが寂しくってね(ハハハ)
ソコに鏡を見るより如実に老いを感じる~~(笑)
返信する
ご返事どす~ (真由美どんへ)
2010-05-21 15:05:37

パートって…マジで大変だよね。
ウチの会社にも女子社員より多いパートさん達が勤務しているけど…
見ていて…なんで?ってな事件が続発しております(笑)
先日なんぞ、パートさんの一人が泣いておっただよ

最近こんな調子で退職者が居たり、亡くなったり、ケンカがあったりで総務は忙しく
皆さんの所へ遊びに行けない状況が続いておるけれど
真由美どんが心の苦しい状況をブログに書いたりしたら
遠慮なくココのコメに読みに来て~っと叫んでくだされ。
速攻で読みに行って、コメ語りましょう(笑)

今を大事に今を生き、その連続の繰り返し。
真由美どんのこの言葉、胸に染みるわ~~
私も今を頑張って生きるだよ~~~
返信する

コメントを投稿