萩尾望都 「マージナル」である
marginal【形】
〈問題など〉周辺的な; あまり重要でない
限界の, ぎりぎりの, 最低の
〈土地が〉生産力が(ほとんど)ない (エキサイト辞書より)
という意味と…もしくは
「境界線上にあり、どちらへも属する可能性がある」とも言える意味がある
ま、「ヤジロベイ」みたいなもんだろうか?
萩尾さん自身は「不毛な世界」という意味を使っていたと思う
上記写真は、1994年に初版出版されたものを
いつも遊んでもらっておる「トミーさん」からお借りしたものである
うっとりするほど、素敵な絵だよな~
ところで、本書は1985年に「月刊プチフラワー」で連載されていた
見た記憶はある。だが最後まで見ていないと思う
最初のシーンは記憶にあるのだが…後半になると全然覚えていなかった(笑)
上記に書いたマージナルの意味の中に
〈土地が〉生産力が(ほとんど)ないとある
本書の場合は、土地=地球が病んで…なぜか
生殖能力を持った女性が生まれなくなった
っという設定が土台にある
正直、この設定には無理がある(笑)
男性の方が女性よりも、肉体的にも精神的にも弱い存在である
生殖能力がなくなり、絶滅するなら男の方だろう…っと私は思うのだが…(ハハハハ)
ま、アマゾネスの世界を描いても少女雑誌の読者にはウケんでな(笑)
ともあれ、地球は死にかけていた
もちろん地球以外なら生殖能力を持った女性が生まれるので
ほとんどの地球人は宇宙へと逃げた
だが、病んだからといって故郷はそう簡単には捨てられない
だから「マザー」という女性を中心に子供を作り
年に一人か二人の割合で、各地域へと払い下げ均衡を保つという
ミツバチ社会的な「マージナル」というプロジェクトが進行していた
しかし、その「マザー」も年を取り、子供が産めなくなってきた
新しい「マザー」の誕生を切望する地球の民。
地球を管理するために、他世界から派遣された長官メイヤード。
全てが滅びへの序章として動く中
イワンという科学者が作り上げた感応能力に優れた「夢の子供」キラの誕生により
不確かで無機質な希望の光が差し込むのだが…
「プロジェクト・マージナル」が静に狂っていく姿をアナタはどう見るか?
ってな漫画である(笑)
地球が病むことをテーマにする漫画や小説は多いが
確かに、病んだ地球の上で生活している生命が地球の影響を受けないはずもなく
なかなか鋭いところを指摘した漫画だと言える
長官のメイヤードは
同じく萩尾作品の『スター・レッド』ペーブマンを彷彿とさせ
手塚治虫のロックをも思い出させる。
悶々と一人悩む姿は、気苦労が多いだろうなっとつい思ってしまう(笑)
人によって作られた「キラ」は…人間と言えるのかどうかが解らない
カタツムリやミミズのような雄雌両方の生殖器官を持っている雌雄同体とは違うし
人の奇形として言われている、両性具有者とも言い切れない
人や地球の思いが「キラ」を男性にもするし、女性へとも変化させる
萩尾作品でよく表される「性のない人」…これに私は頭を悩ませる(笑)
時に少年・少女をこの「性のない人」と表す萩尾作品は
往々にして無力でどっちつかずのこの弱い立場の人を、強いモノが蹂躙する
「メッシュ」しかり、「残酷な神が支配する」しかり
これとは対極的に、萩尾作品の中では
子供が沢山いて、大らかで、太っている典型的な幸せ男女もよく描かれる(笑)
緩和剤なのか中和剤なのかは解らないが
なんとなく、好きになってしまう人物でもある
「メッシュ」のカティ、「感謝知らずの男」の看護婦ドーラなど
本来は男女が恋をし、幸せ一杯で…だから食べ物も美味しく
体型は太り「ガハハハハハ」っと笑うところにこそ、本当の幸せがあるんだよ
っとでも言っているようにも感じる
過去日本でもヨーロッパでも、女性は太っている方が美しかった
いつのころからか、生殖性の感じられない男の子っぽい細身の体型が尊重され
美しいと評価されるようになる
だから女性は痩せるためなら食事すら抜くようになる
痩せた女性を美しいと感じる男性は、本来の生殖活動が細り
猛禽類から草食類へと変化し、女性も男性も中性への道を歩み初めている
しかも、争うことを極端に嫌い…自分の言いたいことを心にしまい込み…
いや、心で思うことすら疎い、無理に他人と同調しようとするこの中性人たちは
「性のないキラ」によく似ている
たまりに溜まった感情を制御する術を持たず、時に爆発し、時に病むからである
必然的に生産性は衰え、地球の「マージナル化」(不毛化)は進む(笑)
私の単なる思い込みかもしれんが…
萩尾作品の大らかで太った女性を見ると「ホっ」とするのは
そんな理由からかもしれない
最近、男性の数が減ってきているそうな~「男性人口減少」
「逆マージナル化」(生殖能力を持った男性が生まれなくなる)時代が来るかも…
最後のオチに多少の納得のいかない部分もあるが…
この手の作品にスッキリとしたオチを求める方が、間違っているのかもしれん
なかなか味わい深い、面白い作品なので
機会があれば、読んでみてほしい~
ポチっとで、作者のヤル気でるかもです(笑)
>草食男子に誰かを紹介することに…
我が社にリトルミィーという女の子がおりますが????(笑)
作太郎どんは…へのつっぱりタイプなんどすか~?
そうか?私が作太郎どんのブログを読む限りは
どちらかと言えば、元、肉食…現、草食かと思っておった~(ハハハハハ)
ま。歳を取れば、たいがいの男はそうなるで
気にすることはない(ブワハハハハハハ)
折角意見を聞いて頂いたので今日はこちらにお返事を(*^_^*)
僕が思うに、環境変化にいかに早く対応できるか、すなわち「柔軟性」が強く生きる条件だと。
オトコはできないこともできるふりをして、なんぼ(これを専門用語ではへのつっぱりというんですよ(爆
そう考えると、最近の草食系男子は、できないことを素直にできないという。
もう少しつっぱれよ~。
満天どんのブログを読んでそんなことを思っていたところに、太極拳の総会でまさにその草食系男子が現れ、思わず、彼に誰かを紹介することに・・・
う~ん、我ながら・・・しまった・・(笑)
な・・・なんですとっ!?
本当に?エエんか?
書いたあとで、やっぱり勿体無いとか言わん?
(アハハハハハハハ)
う・嬉しい~~~~~
実はこれ。トミーさんへ返却する前に
2回も読んだだ(笑)
今度、何時キラとかに会えるか解らんからの~
そうか。結構スグに会えるな~嬉しいな~
でも、あれぞ、
トミーさんは150円で買ったかもしれんが…
今は400円で3冊1200円くらいだぞ~
それでもOKなら次回、入れて贈ってくれ~~
ありがとう!
送った本の紹介ありがとうございます。これ、萩尾作品の中でも好きな方なので、満天さんの記事嬉しいです。後で私のしょうもない記事 (メイヤードのことしか書いてないやん) をトラバさせてください。m(_ _)m
所で、最初に出たコミックス (たれぞ~さんが言ってたプチコミックス) を全部揃えられたので、この3冊いらなくなったんです。もしまだ買っていなくて、欲しかったら今借りているご本を返すときに入れてお嫁入りさせますがどうでしょう ?
お金はもちろんいらないです。Eブック○フで確か150円とかくらいで買ったものですから。
用件のみですみません。
男と女じゃ
強いと言われている方向性が違うと思うだ~
女の場合は…
「怖い~」「シンジラレナイ~」「無理~」とか言いながらも…
シンジラレナイ出来事を受け入れるのは早い
男の場合は…
「怖い~」とは口に出して言わず、平気な顔を装うが…
チョットした出来事でも受け入れるのに時間がかかる。(笑)
この差だと思うが…作太郎どんの意見は?(笑
マージナルの世界。なぜか作太郎どんは…シックリとマッチしそうでオモロイ
(アハハハハハハハ)
1970年代ごろ。。。。。
あっしら少女は…外人に憧れておりやした
ただ、学生運動なんぞもあり
アメリカ人は軽くて好きじゃないけど
ヨーロッパ人は歴史と文化がある分
な~んかカチョエエ~と思っていた時代どす
(アハハハハハハハ)
それに…学生に制服があり・・・
親元から離れて勉強する「全寮生」ってな響きが…「腐」を感じさせ
きっと、男同士で恋なんぞが生まれてるだろう
なんて想像をし…漫画を描きやすかったのかも
(ハハハハハハハ)
最近の漫画では、外人に対する日本人のコンプレックスも少なくなったのか
日本を舞台に書く漫画が増えたような気がしますだ~~
今秋に日本へ着たら…秋葉のブックオフへ遊びに行くことをオススメするだ
きっとドイツ人も秋葉は好きだと思うだよ~~
ようこそ、お出で下さいました
ありがとうございます(笑)
私も、くろねこどんのサイトへ飛んで行って見ました
「面白い~~~~~」
猫好きってところが、まずガッチリとマッチします(ハハハハハ)
また、後で出かけてジックリ見させて頂きます
キラに関しては…「夢の子供」とか表現されてますが…
私が見た感じでは…新手のウイルスかと…(笑
キラは誰かの思惑に感応して子供も産めるようですが…
本作では表現されてませんが…
キラが産んだ子は、もしかして全員、キラなんじゃないかと思ってます(笑)
マージナル2があったとしたら…
全員がキラだけの地球ってな話になるんじゃないかと(ハハハハハハ)
有る意味、蟲師の世界みたいでオモロイかもです(マージナル2が見たい~笑)
とてつもなく変なことを、意味もなく掘り下げてブチブチ言っている変なブログですが
これからもヨロシクお願いしまね~
アニメも大好きなんですが…最近見れてないっす~
>”まるめろ”は大らかで太った女だ
ガハハハハハハハハ
んじゃ、別の意味で…安心して会えるだね~
(アハハハハハハ)
最近、子供が生まれました~~って聞くと…
たいがいが「女の子」が多い(笑)
我が社でも今年、3人の社員の奥さんが出産したが
全員が「女の子」であった。(ハハハハハ)
未婚でも子供を産んで欲しいと自然が考え
女の子が増えているのかもね~~~
もうそろそろ強い男しか子孫を残せない
一夫多妻制を取り入れても良いかも?っと思う
あれ、意外に女が楽らしい(アハハハハハ)
>東逸子さんの絵ですね
あっ!そうか…東逸子さんの絵なのか
んで、この手の絵を結構見たことがある
っとココで始めて気が付いた(笑)
色々と調べてみて萩尾さんは彼女の絵を表紙に使っていることが多いと解った
1980年代に発売したポーの一族もそうみたい
なかなか四六版の装丁本を買わないのでasagiどんが教えてくれんかったら
解らんかっただ~~ありがとう!
一度、彼女の絵本が欲しいな~っと思ったことがあるだ
オススメとかある?
だいたい何時も誰かの装丁を描いた絵を見ておるんだが
画集なんかも素敵だよね~~~大好きっす
やっぱ、男性が読むんなら
女性だけの王国の方が…オモロイんだろうな~~
マージナルだと…男性が嫌悪するようなシーンも多いしの(笑)
アマゾネス系の映画やドラマだと
出てくる女性は皆、素晴らしくボっ、キュン、ボンなタイプだよね~~
それが当たり前な男性の好む女性だと…
私も思うだ~~
だよね~~~
やっぱ少し丸みがある方が女性は美しいと私も思うだ
私は骨太で背が高いから…
そういう女性には昔から憧れておるだよ~~
こないだ、TVでターミネーターの1が放映されてたが…
やっぱシュワちゃんの裸体は…素晴らしい~
食い入るように見てしまっただ!(ガハハハハ)
私はやっぱり筋骨隆々な美しい肉体を持った男性が好きやな~~~(笑)
うん。解るような気がする
もし、ちとどんがマージナルをレビューしようとしたら…
多分…3部作くらいになるんでないだろうか?
ちとどんは、なかなか鋭いところを掘り下げ
面白いレビューを書くからな~
そんな3部作。見たい~んで、頑張って書いてくれんかの?(笑)
女が、少女漫画なんぞで線が細く性の不確かな男性を好むから
そういう男性が増えて来るのは当然かもしれん
男性っていうのは本能で女性が望む姿になるように出来ている気がする(笑)
でも、最近女性の中で戦国武将好きなんぞが頭角を現して来たから
もう少し経つと、今度は傍若無人な戦士タイプが生まれてくるかもね
それは少し楽しみだな(ハハハハハハ)
満天さんの知っている世界は僕が知らない世界がたくさんあって奥が深いですね~
な、なに。満天さんのいまテーマは
生殖能力をもった女性だけの世界・・
冗談はさておき
>男性の方が女性よりも、肉体的にも精神的にも弱い存在である
ハハハハ、僕はここだけはツッコミをいれたくなったのですがどうでしょう?
肉体的はわかりますが、満天どん、自分で精神的に弱いなんて思ったことないでしょう(笑)
日本にいた時は全く気にしなかったのですが、
ここにいると「どうしてヨーロッパばかり日本人が描く?」
って気になってしまいます。
容貌、に関しては東洋人は太刀打ちできないので、
描きたくなるのだろうな。
萩尾作品、どれもきれいに人々や街並みを描いているし。
こちらでこれだけ描ける人、いないのかも。
飛んでまいりました。漫画ファンくろねこです。よろしくお願い致します。
この表紙は初めて見ました~。美しいですね。
この男しかいない世界がきっちり書かれてるとこがすごいですよね。
キラって結局なんだったんですかね~?
難解な作品ですがいろんなことに思いをめぐらせられるってのも
萩尾さんの作品ならではでしょうね~。
読んだ事あるが、この「マージナル」ちゅう
作品はまだ読んで無いわぁ~、でも満天さんの
解説でほぅほぅとなんとなくわかったような・・・
”まるめろ”の周囲は、28歳だけど、子作りしないまま
生殖能力を無くした女がイッパ~イ イッパ~イ
まぁ、なんだな・・・未婚女性にも安心して子供を産める社会を切望するね~
結婚は勘弁な・・・・
”まるめろ”は大らかで太った女だ
「ホッ」としてちょ~~~~
あ、でもこの本の表紙、コミックスとは違って、東逸子さんの絵ですね。
どういう結末だったのかさっぱり思い出せない…。
ところどころ、ものすごく鮮烈に覚えているシーンがあるのに。
きっと私には内容が難しすぎたんですね(^^;
萩尾望都さんのSFは、とにかく難しいものが多い気がします。
「銀の三角」なんか、難解すぎてもう…。
でもなぜか惹かれるんですよね~(^^;
満天さんの分析、面白い&奥が深い!
私も、絶滅するなら男が先だろ~と思います(笑)
PS.私の読書量なんてたいしたことありませんよ~!!!
とにかく、読むのがすごく遅いので。
どう見ても満天さんのほうがマメに更新されてるし、何より内容が深いです。
私のは絵本がほとんどですしね~(^_^;)
ようこそ女たちの王国へ (ハヤカワ文庫SF) レビューで☆☆☆☆
おもしろかったよ。
手塚先生の「ロック」は何度も読んでるけど・・・似てるんだ~
それにしても昨今の少子化はその“中世人”の出現が原因の一つなんだろうなァ
腹筋が明らかに分かる女性よりも、丸みのある
ウェスト(往年のアグネス・ラム)を持つ女性
の方が絶対にエエに決まっとるよ~!
ただし“鎖骨”(酒井和歌子)は出ていないと駄目だけど・・・
きっと内容が深すぎて、書きたいことがいっぱいありすぎて結局書けなかったんだと思います。
「逆マージナル化」になるかもしれないというご意見、私も同感です。
草食系男子が増えてるとか、Y遺伝子がどんどん小さくなっているとか、男性が絶滅するのも時間の問題なのかもしれません。
メイヤードがロックに似てるって私もそう思ってました。ロックタイプって私の好みです♪
追伸:
<友達>ありがとうございます~!これからもヨロシクです~!
メイヤードが、一番マージナルの世界で
マトモなんじゃなかろうか?っと私は思うだ
体はマトモじゃないが、精神がね(笑)
彼。マージナルをぶっ壊そうとは思っていたけど…
こんな形でぶっ壊れるとは思っていなかっただろうし
意外に真面目で実直なあの性格からして、
可なり焦ったことだろうっと思うと
可哀想だな~なんぞと思っただ
んっ?そうやって見続けると…彼もやっぱり偏屈で変人か?(笑)
この頃の萩尾作品は…まだ私の中で理解できる内容だと思うだ~~
もそっと経つと…何が?言いたいんじゃ~っと頭をかきむしりたくなるがの(笑)
>やっぱり人間は惹かれあい、結ばれるのが自然の摂理なんだろうけど、そこからはじき出されたモノだからこそ知る悲しみと嫉妬がねぇ・・・
たれちゃん。深いね(笑)
子供を作らない結ばれ方をするのは人間だけだもんな~(ハハハハハ)
自然に逆らう動物が自分の上でのさばっていたとしたら…
地球はどうするだろう?私らは地球時間で言えばアっという時間しか生きてないけど
チラっと地球がウザイっと思ったら
何が起こるか解らんもんな~
地球にはウザイと思われるかもしれん人間だけど…
私は人間が好きよん
特に、流れから弾き飛ばされた者たちが
嫉妬と悲しみをバネに力強く立ち上がる姿がね
えてして
ノホホンと大河を泳ぐ魚の方が、急流でもまれた魚より弱いのだ
ね。だから人って好き(笑)
コミックス版でリアルに買ってたので思い出が深いの。
萩尾さん作品はどれも奥深いと言うか、難しいトコが多いけど、その分何度でも読み返せるよね~
わたしゃ~あのメイヤードが最期につぶやいた言葉で泣けたね~
あぁ不毛の地でマザー計画の推進者である彼自身が一番悔しく悲しかったのだろうと・・・
マザを作り続けながら、一番そのシステムを憎んでいたのは彼かもしんないなと
キラとメイヤードが生と死というか、光と影のようなコントラストを生んでるよね
やっぱり人間は惹かれあい、結ばれるのが自然の摂理なんだろうけど、そこからはじき出されたモノだからこそ知る悲しみと嫉妬がねぇ・・・
まぁ何にせよ、あんな未来は来ないことを祈るわ