標高3000メートルを超える山や熱帯魚が群れる海に囲まれ、幾千もの星が目の前に広がる楽園。それが、アフリカ大陸北西部から97キロ、大西洋に浮かぶスペイン領カナリア諸島です。人口は210万人。いくつもの国立公園と世界遺産があります。
カナリア諸島は7つの島で構成されます。その中で一番大きな島が、大西洋上に浮かぶテネリフェ島。カジノなど観光スポットも多く、リゾート地としても有名です。
テネリフェ島には、スペイン人のほか、モロッコや西アフリカ諸国の人々も生活を共にしています。その昔は、モロッコの先住民族で、ベルベル系のグアンチェ族が住んでいました。公用語はスペイン語。本土のスペイン人たちよりもさらに陽気で、活力にあふれていると言われます。
テネリフェ島にはテイデ山(3718メートル)があります。テイデ国立公園内にある火山でスペインの最高峰。珍しい鳥類や植物が多く、世界自然遺産にも指定されています。
テイデ山は方向によって、富士山(静岡・山梨県)にも利尻山(北海道)にも似て見えると言われます。海底からの高さは7500メートルに及ぶそうで、実質世界で3番目に高い火山だとか。
テイデ山は1年のうち大半は晴れているといい、登山者にはありがたい山です。登山道から見上げる上空は吸い込まれそうなほどの青さで、まるで月面を歩いているような気分になるといいます。直射日光は暑いものの、風は乾いています。島の南側にはアフリカからの乾いた風が吹きつけるのだそうです。