想い事 家族の記録

難病の父と生きる
鬱病
ふたり暮らし

自分がどれだけ傷つき、尽くしても、消えてくれるものなど、何ひとつなかった。

2025-01-22 17:37:26 | 日記
真夜中のセンサー:田舎の恐怖体験


夜中に目を覚ますと、
玄関先のセンサーライトが光っていることがある。
恐怖方面に弱い私の頭に即座に浮かぶのは、
「もしそこに青白い顔が張りついていたらどうする!?」
という想像。
恐怖のビジュアルが脳内をよぎり、
絶対にそちらは見ないようにしている。
でもまあ、所詮、猫か何か。
田舎だから、猫で済むとは限らない。
玄関先を横切るのは、
たぬき、ハクビシン、
あるいはもっと過激な野生動物たち。
酷い時は通学路に熊やイノシシが出没する。


獣臭事件:山道での恐怖のエンカウント


ある日、山沿いの道を歩いていると、
歩道に山から掻き出されたみたいな
黒い土が散らばっていた。
周囲にはなんとも云えない強烈な獣臭。
それに加え、
ナニモノかの荒い息遣い。
私の中の警報システムがフル稼働した。

「やばい、これ近くに何かいるぞ…!」

素早く、頭の中で
シミュレーションが始まる。
「襲われたらどうする?」
「全速力で逃げる?」
「戦う? いや、武器がない」
「とりあえず上にジャンプして
かわしてから全力ダッシュか?」
頭がぐるぐる回って、
正直、冷静な判断なんて
できるわけがない。
心の中で
「出るな、何も出るな、
お願いだから!」
と祈りながらその場を離れた。
幸運にも、何事もなかったけど、
寿命が100年は余裕で
縮んだ気がする。
「熊やイノシシに襲われて死ぬ」
というプランは、
私の人生設計にはないのだった。


たぬきとの哀しき遭遇:交通事故の悲劇


ところで、
私がこれまで目撃した野生動物の中で
一番印象に残っているのが、たぬき。
ただし…、死体だ。
国道で爆音が響いたので、
何事かと見に行くと、
そこには大破した車と、
横たわるたぬきの死体。
どうやら車がたぬきをはねた際、
運転手がパニックになり
ハンドルを切りすぎて
電柱に突っ込んだらしい。
車は大破し、運転手は呆然。
たぬきは即死。
もはや言葉も出ない状況だった。 
仕方なく、私は警察に通報した後、
たぬきの死体を移動することに。
とはいえ、野生動物なので
素手では触りたくない。
バスタオルでくるんで持ち上げると、
まだ体は温かかった。
そして何より、
そのたぬきは予想以上に太っていた。
こんなに丸々と太っていたのに…
もったいない。
こんなシリアスな状況下でも、
ふと考えてしまった。
一体何を食べたらこんなに太るんだ?
おまえは、最後に何を食べたんだ? 


ナイトサファリ田舎道:闇夜の鹿と動かぬキツネ


この他に、
夜道を車で走行中、
闇の中に無数の鹿を見た事がある。
何か光っているなと思ったら、
鹿の眼だった。
しかも、奴らはまるで逃げない。
逆に「何しに来たの?」
って顔でこちらを見ていた。
鹿に続いて現れたのがキツネ。
奴は堂々と道の真ん中で 
デフォルト座り。
心配になるほど、無反応。
昼間は普通に車がビュンビュン
通る道なのに、
夜になると完全に
自然保護区モード。
ナイトサファリ状態だ。
こういう予測不可能なイベントが、
田舎ドライブをカオスにしている。


姪とトトロ事件:リアルファンタジーの幕開け

 
姪が幼かった頃。
息を切らして家に駆けこんできた彼女がいきなりこう叫んだ。

「トトロを見た!!」

いやいや、ちょっと待て。トトロ!?
幻覚見放題の私でも、
トトロは見ないよ?

「白いトトロだった! 見たんだよ!」

すかさず、
おまえはメイちゃんか!?
ってツッコミそうになったが、
子供の夢を壊す訳にはいかないので、

「ああ、そうなんだ。
トトロはいるよ!(みんなの心の中に)
見られて良かったね!」
と云っておいた。
この大自然の中で大らかになった
少女の感性が、
ついにトトロを召喚したらしい。
実に微笑ましい。
娘も「トトロは実在したんだ」
と信じたらしく、
しばらくふたりは、
全力でトトロを探していた。
現実とファンタジーが
ごちゃ混ぜの世界線。
こういうシーンでは、
子供の妄想に全力で乗っかる
力が必要だ。
もちろん、姪が目撃した
白トトロは、ジブリ的な何かでは
ない事はわかっている。
大方、太りすぎて
重力に逆らえなくなったハクビシンか、
どこかの飼い猫が
冬毛で膨張していただけだろう。
でも、そんな現実を
突きつけるのは野暮ってもんだ。
ここは、
リアルとファンタジーの境界線。
そう認識して暮らした方が、
ずっと楽しい。
だから今日も思うよ。


「トトロはいるよ!(みんなの心の中に)」
そして、「動物回避のテクは必須だよ!
(ドライバーの技能の中に)」


コメント
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