夫が隣でスヤスヤと眠っています。
すとーんと眠りに落ちて行きます。
もはや、自然には眠れない私には羨ましい事です。
夫が眠れるようになって、本当に良かったです。
緊急事態宣言が全国に及んでしまった。
もはや、ここは安全と言う場所はなくなってしまった。
母からの電話によると、姉が働いている温泉施設も休館になってしまったらしい。
姉は、その職場にオープンした時から勤めている。25年くらいだろうか?
正社員でフルタイムで、私には考えられない。
そして、旦那さんの両親と同居している。
でも、義母は認知症でデイサービスに通っているし、93歳の義父は、頑固でがめついらしい。
姉曰く、仕事に行っている方が気が楽だわ、らしい。
早く、コロナが終息して、姉が働けますように。
今、行く所は、職場、家、スーパーしかない。
でも、仕事が出来るだけ恵まれている。
コロナで休む事を余儀なくされている人は沢山いる。
私の憩いの場だった図書館。
でも、図書館も休館している。
私は、自分の本棚をゴソゴソして、昔読んだ本を読み返している。
ハリスおばさんパリへ行く
これはガリコという作家の作品で昭和54年に出版された本。大昔だ。
ハリスおばさんは、ロンドンの通い女中をしている。
お客様のクローゼットのディオールのドレスに一目惚れして、何とかして手に入れたいと誓う。
コツコツと爪に火を灯すような生活をしてようやく手に入れるのだが、、
私はこの物語の悲しい結末を知っている。
私は今の自分の仕事とハリスおばさんの仕事が少し似ているので、この物語から勇気を分けてもらっている。
本とは不思議な物だと思う。
出会わない本の方が勿論多いのだが、出会っても、手に入れてもすぐに手放したくなる本はある。
でも、本棚の奥で私が再び手に取る事を待っている本達もいる。
一度目に読んだ時には気づかなかった事、自分の年齢、経験の浅さ、諸々で通り過ぎてしまい、でも、読み返した時にその本の素晴らしさを噛み締める事もある。
私はそこに読書の僥倖を感じる。