小林真 ブログ―カロンタンのいない部屋から since 2006

2006年開設の雑記ブログを2022年1月に市議当選でタイトル更新しました。カロンタンは40歳の時に飼い始めたねこです

ねこ紹介(2) すすみもの クライフェルト

2006-08-26 11:51:44 | ねこ
快調に7日連続更新。
しばらくカテゴリーとしてはなかった「ねこ」で、1年以上続きなしでほったらかしの「ねこ紹介」のその2です。

さて今回紹介するのは、カロンタン直子五きょうだいで唯一のオス、クライフェルト。すでに1回やつのことを詳しく書いたこと(http://blog.goo.ne.jp/quarante_ans/e/e0e15da9556d22b8b97022c42166b373)もあります。
正式名は「パトラッシュ・クライフェルト」。元オランダ代表FW「パトリック・クライフェルト」と、あの『フランダースの犬』からの合わせ技です。最近のメディアはほぼ「クライファート」に統一されつつありますが、一昔の『Number』風に「クライフェルト」と発音したいところです。

本来、最初の予定通り50音順なら次は「カミーラ」のはず。しかしクライフェルトが割り込んだのは、昨日の晩、やつらしき姿をみたからです。
そう、クライフェルトはほかの四姉妹と違って、昨年の7月にどこかに行ってから1年以上帰って来ません。

「クライフェルト」と名づけたのは、やつがきょうだい一のすすみものだったから。もともと生まれた日にやっていたのがスペインサッカーのクラシコとMLBのNYY:BOSという両伝統の一戦で、クラシコで途中出場ながら起死回生の同点弾を叩き込んだ当時バルセロナのクライフェルトか、好投を見せたペドロ・マルティネスの名前はもらおうと思っていました。ですがオスは1頭だけ。すすみものだけに前者を採用しました。

生まれて以来、テレビ裏を占領していた当時のカロンタン一家の子どもどもも、しばらくするとテレビ台後ろの抜け穴を発見し、ガラスの扉を押し開けて出てくるようになっていました。とくにカロンタンと差しで飲んでいる時ににゃごにゃごと出てくるので、もうちょっとしてからなと元の位置に戻していましたが、ひるまず猛チャージをしかけてきます。そして常にその最前線、FWを務めていたのがクライフェルトでした。
4頭の姉妹を引き連れてとんとんと出てきて、私の前まで来ると「ニョッ」。どんなもんだいとばかりに見上げた嬉しそうな顔は、ずっと頭の中に残っています。そういえば私がPC前にいる時、最初に肩に上ったのもクライフェルトでした。

そんなクライフェルトは、少し経つときょうだい唯一の長毛ねこということが判明。ちなみに、なぜか長毛ねこはすべてからだが柔らかいので、私は「毛長やわらか類」と呼んでいます。とともにクライフェルトは、みるみるうちに巨大化していきました。
ほか四姉妹をなでる時にはいつも、「いいこだなー」といっていましたが、巨体のクライフェルトをなでる時は「でっけーなー」。いつしか犬をなでる時のように左手で支えながら右手でなでるというかたちができあがっていましたが、様子だけは小さい時と変わらず丸い目でじっと見上げて「ニョッ」というのがクライフェルトでした。
それでいて、走る時は太い脚でどっどっど。今にも「ばン」と鳴きそうなので、その頃NHKーBSでやっていたのをみて感激し、フランダースつったら大体オランダだからなと、「パトラッシュ・クライフェルト」となりました。

そんな派手ねこでしたから、訪ねる者どもの間でも一番人気。「でっけなー」とか「こいつほかのと違いますね」とかいいながら、長くて柔らかい毛にさわろうとすると、ずっずっ、と遠ざかるクライフェルト。そのくせ外で会うと、でかいしっぽをぶんぶん振り回しながらすぐに飛んで来て、くりくり黒い目で「ニョッ」といいます。

そんなこんなで1年3ヶ月の間、大きなからだでうろついていたクライフェルトを最後に見たのは去年の7月のある暑い日。屋根の上にいたやつは、「にゃーぉ」とめずらしく長く鳴きました。「何やってんだよ」というと得意のどんなもんだい顔をこちらに向けていましたが、それ以来どこかに行って帰って来ません。
数日経つと心配になり、近所を歩いて探したり、前にやつが潜んでいたAさん宅の藪をのぞいたりしましたが見当たらず。かといって、どこかで死んでいたというわけでもありません。
何しろすすみものですから、知らないところに進まないわけにはいかないのでしょう。

よくきくように、オスねこはどこか旅に出るものが多いようで、ほかにも行方の知れないオスは何頭かいます。内田百の名随筆『ノラや』にはそういう人間の気持ちが見事に描かれていますが、最初はいろいろ探していつ帰ってくるのだろう、何してるのだろうと思いを募らせながら、だんだんと不在に慣れてくる、そういうことをこの2年に何度か繰り返しました。でも、死んでしまったのを知るよりずっといい、そう思う人は少なくないでしょう。

これまでも、庭や近所で同じようにでかくて白と黒のねこを見つけて追跡したことは何度かありますが、いずれもクライフェルトではありません。まったくどこにいるのだろうと思っていると2ヶ月くらい前、同級生M君の家から自転車で帰る途中、でかいしっぽの白黒ねこを近くの運動公園近くで見かけたのです。
誰もいない深夜の公園を追いかけたのはもちろんです。しかしそんなシチュエーションで、人間に捕まるようなねこはいないのももちろんです。しばらくしてあきらめました。
でもなぜか、どこかに今までにいなくなったねこがいそうな気がします。歩いて5分のところに住んでいる弟が近くにのらねこがいるらしいといっていたので、うちを脱出したやつらがコロニーを建設しているかも知れないと橋の下あたりにもいってみましたが、もちろん会えません。

そして昨夜の出かける時、家に一番近い信号を待っていると、巨大な白と黒が脇の農道を田んぼの中に。おおっ、と思って車を回し、降りてあたりを探しましたが見つかるわけはありません。んーっと思って、深夜の帰り道、もう一度そのあたりを車で回ると、1頭のねこの目が光っているのだけ見ました。

そんなわけでなかなか再会できないクライフェルトですが、会えるかも知れないと思えるだけまだいいでしょう。あそこにやつがいるのかも知れないと思うと、何でもないディープ関東平野の片隅の畑道も秘境のように魅力的に映ります。

(写真は04年7月8日の日付ありでクライフェルト2ヶ月の頃。この写真ではわかりにくいですが、茶色も少し混ざっていたのですが、こういうのもオスの三毛なのでしょうか。そのためにコレクターに捕まったのかと心配もしました。BGMは、何となく棚で目についた、元ブラーのギター、グラハム・コクソンの1st "the sky is too high"。久しぶりにきくが、これはなかなかいい。Kluivert is too big. And he is too far.)
コメント (2)
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