小林真 ブログ―カロンタンのいない部屋から since 2006

2006年開設の雑記ブログを2022年1月に市議当選でタイトル更新しました。カロンタンは40歳の時に飼い始めたねこです

インザーギ、"Don't stop him now"!―24 may 2007 part1

2007-05-25 12:06:12 | スポーツ
何やらもりだくさんの一日となったので急ぎで。

前夜は原稿書きながらCLファイナルを待ちつつ限界に達し27:00頃力尽き、3時間半寝て、おおおおと目覚めた。

この日は取材で都内出張。おしゃべりなスポーツ新聞から逃れられないので、見ておかなければとみはじめた決勝は、堅守の両者らしい中盤のつぶし合い。どっともほどほど好きでそんなに好きでもないクラブだったが、インザーギの野郎がめずらしく先発していたので、ついミランを応援してしまう。しかしジェラードがかっこいいしリバプールもいい。
前半終了前、これはつまらぬキッカーのピルロのFKを、インザーギのやつが触るか触らないかでミラン先制。最高のタイミングだ。しかしこれは90%ピルロのお手柄と思ったか、インザーギの大騒ぎも控えめ。この人相悪くなる一方のイケメンFWの得点パフォーマンスは、絶頂期のフレディー・マーキュリーを髣髴させる全能感に満ちていて楽しみにしているのだ。そういえば、今、「人相悪化係数国内1位」に推している同い年の横浜・工藤投手も、前日、これまでで一番長い1勝目をあげていたな。
興奮のここで何となくPCに目をやると、Mixiのニュースで「ミラン優勝」。げーっ、あれほど注意したのにインザーギのゴールで油断したか。傷心のまま、資源ごみを出しに行って結果がわかってしまった後半に。しかし十分に楽しめた。
映画でも何でも、結果なんてわかっててもいいものは見所はある。このゲーム巧者の両者攻防は、時間を追うごとに熱さを増していく。あせりの見えたリヴァプール、熱血漢ジェラードが抜群のミドルを放つが決まらない。そうした終了近く、インザーギの旦那がまったく旦那らしい抜け出しを計った。
たとえば同じように、ゴール前に張り付きっぱなしで批判される現在のチームメイとでもあるロナウド。やつがゴールを決める時は普段遅いのにやたら速い。だが、インザーギのすごいところは、あまり速くないのに抜けていく、この2点目も、3人いたリヴァプールDFをなぜ抜けられるのかわからない速さ、きっと絶妙のタイミングだからだろうで抜き去り、信じられない角度からきちんとゴールに押し込んだ。暴れろ、ピッポ、おまえの夜だ!
終了間際にピッポ交代。いつものように難しい顔で、腕を折り曲げた拍手で興奮の観衆に応えベンチと固い抱擁の後に退く。ベンチでもいちばん目立つのはインザーギですね、と西岡アナもいっていた。
その後、リヴァプールも1点を返したがそこまで。ニュースさえ目に入らなければもっとどきどきしたかもしれないが、そこは自己責任でしかたなかろう。
それにしてもこのアテネの夜はフィリッポ・インザーギのためにあった。私はヤンキースタジアム戦と並んでCLの中継は世界最高のディレクションに認定しているが、ゲーム終了後の興奮しきったような俯瞰のインザーギ追いは何だ。冷静なCLのディレクションがこんなに長く一人の選手を追うのをみたのははじめてだ。そう、勝ったのはミランではない。インザーギなのだ。
2点目が入った時、これはどっちが勝っても不思議はなかったインザーギがいたからミランなのだと思っていたら、終了後解説の川勝さんがまったく同じことをいっていた。おそらく世界のサッカーファンの多くが、同じことを思っていたに違いない。
残念ながら、周囲の若いファンのインザーギ評は最悪だ。ああいうのが前にいてオフサイドばっかじゃ後ろのやつはやる気なくなりますよと元サッカー部のO君、イケメンってガイコツみたいですよとM君、しかし私は、「100回やって99回オフサイドでも1回決めればいいっていうのがインザーギなんですよ」という国内インザーギ支持者の代表格、信藤さんの言葉通りのピッポのプレースタイルに、そしてそのゴール後のパフォーマンスに酔い、常に擁護し続けた。あれがサッカーの不思議だ、わけわからないからサッカーは美しいんだ、そしてこの日、そうしたことを誇りに思う、今日までインザーギファンできて本当によかった。
さっき初めてインザーギのwikipediaをみて次の一文に笑う。
「また、ゴールを決めた後の発狂したかのような形相と倒れ方はそのまま死んでしまいそうな程の激しさを持つ」
少しみて一番よかったのは、RHCP "by the way" が鳴るこの編集(http://www.youtube.com/watch?v=1mfq9C4LeQo&mode=related&search=)か。
ありがとう、インザーギ。でも、できれば今回も、コーナーフラッグを持ったまま走り回ってほしかったぞ、ここではカットされているが、暴れまわった末にベンチに行ったお前に絶妙のタイミングでボトルが下から生えてきて、それをひったくって2、3口飲んだ後、のしのしのしと歩いて放ったシーンを私はいつまでも忘れないだろう。お前の自信たっぷりの歩行は、"Don't stop me now" を歌っていた頃のフレディー・マーキュリーのように、世界を自分のものにした喜びで満ちている。

と、まずい、ここまでだと、ばらばらこの日の仕事の準備をし、火曜に残ったのを持ち帰ったぽてとやちゃんぽんを炒め直して、そうだとサンドイッチにして食。反省点は多いが、それはコミュニティに書こう。
そういえば、次の車は金曜といっていたが、もしかしたらと店に用意できれば帰りに寄るとメールを送り、父親に駅まで送ってもらって電車に。この間から読んでいておもしろくてしかたない橋元淳一郎『時間はどこで生まれるのか』はお預けにして、取材のための資料本を読みつつ睡眠時間を補給。神田に行って、まず編集者2人とサンマルクカフェで打合せ。それから世界をまたにかけた興味深い話を2時間きいて、さらに確認打合せ。それではと編集者と今後の方向についてドトールで話をし、再び京浜東北線に乗る。この間コーヒーばかり3杯飲んでいた……to be continued...

(Phは関係ないけど春生まれの暫定名こしま。BGMは"Don't stop me now"収録クイーンのベスト)

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