小林真 ブログ―カロンタンのいない部屋から since 2006

2006年開設の雑記ブログを2022年1月に市議当選でタイトル更新しました。カロンタンは40歳の時に飼い始めたねこです

フェイント・オブ・サビビアン・ウェストウッド・タヌー

2007-02-17 21:19:09 | ねこ
長原稿前、景気/契機づけにねこの話でも。

数日前の風のない晴れた午後。庭を横断中、あまりの気分よさにねこを追う。やつら、エサ係が母屋に行くと玄関で待ち構えるが常なものの、追うとすたこら逃げるのがさすがに本能的生き物。

……そういえばかつて塾内でこんなことがあった。
現在大学1年のF君が中1の頃だから早くも6年前か。塾には経済教育の一環として常備のカップ麺を食べる時などに借金制度もあるが、黄色い声でF君が「返さないとどうなるん」と愚かなことをいうので、そういう場合は塾内精鋭の借金取りが派遣される、返さないやつが出た場合はしかたがない、極めつけのエージェントがどこまでも追いかけるぞなどと適当な説明をしておくと、それはどういう人かと問うので、そう、まずこの間来たIという高校生などはかなりのものだと返答。
すると何日かしてテスト前か、近所のディスカウント店に買い物に行ったF君と2年上のS君が帰ってきていう。「センセイ、借金取りが追いかけてくるんですよ。この間の高校生が……」。へえ、と笑うやらあきれるやらしていると、しばらくして借金取りI君登場。F君驚き、「あー! 何で追いかけてくるんですか」と敬語でたずねると、借金取り「だって、おめえら逃げるからだよ」。
なるほど、逃げるのは追うからで、追うのは逃げるから……

で、ねこもやつら向こうから寄って来るので、普通はなんだなんだとなでるが、ちょっと趣向を変えて追いかけると、ひとまず逃げる。追いかけるから逃げる、逃げるから追う、中学生もねこも同じこと。
と、ちりぢりのものども、目の前に宅ねこ唯一の最近知った分類さびねこ、たぬき色なのでひとまず、ナイジェリア出身、元アーセナル、現ポーツマスに在籍の天才FWヌワンコ・カヌーをひねってタヌー。さびねことわかったからにはファーストネームもそれにちなんだものにしようと、英国パンクデザイナーの名を取り入れ、最近「サビビアン・ウェストウッド・タヌー」になったおとなしねこが、はっとして前にいる。やつの後方にはおそらく生前の祖父が置いてそのままになっているブリキトタンの戸が立てかけてあり、逃げ場に窮したサビビアンその間に逃げ込んだ。
ただ板が立っているだけだから、出口は左右二つだけ。ちょいと右側をのぞくとウェストウッド左側に移り、さてと左側をのぞくと今度は右側に移動する。
こういう時の生き物の行動は、ほぼ必ず一定の方向を持つものだ。姉の長男が1歳になるかならぬかの頃、頭にかかったタオルを後ろに送ればすぐなのに遠回りでも前に払うしか方法はなく、考えれば前と後ろという概念自体ないだろうから当たり前なのだが、人間は不思議だと思い、すまんと心で詫びつつももう一回やってみたことがある。成獣とはいえ四つ足では、いま右なら次は左しか選択肢はなくて当然だろう。
最初はおもしろいけど、人間はずっと右→左→右→左では飽きる。何度か繰り返した後で、右→左→右→右とシンコペートしてみた。
この変化に最初は驚いていたタヌー。しかしそれから2、3回目で対応し、次回、右→右とやったところ、どどどっと左から脱出してスペースへ飛び出したた。
恐るべし、サビビアン・ウェストウッド・タヌー。いきなりフェイント身につけた

(写真はそのサビビアン・ウェストウッド・タヌー:メス・約2歳。BGMはJ-WAVEで、vivi の L'air de Paris から小曽根真の Oz meets Jazz という極上の流れの土曜の夜のプログラム。Now playing 初めてきくスウェーデンの SWEET JAZZ TRIO 柔らかいタッチのギターに米国ジャズとは少し違うリズムが新鮮。おっ、次のジョビンの『黒いオルフェ』 JOE HENDERSON というのも初めてきく名。いやー、勉強になります)

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