算額(その1493)
参考文献
1). 十 岩手県胆沢町 個人宅 安政2年(1855)
山村善夫:現存 岩手の算額,昭和52年1月30日,熊谷印刷,盛岡市.
http://www.wasan.jp/yamamura/yamamura.html
2). 今有如図 03046
https://w.atwiki.jp/sangaku/pages/190.html
キーワード:円5個,外円,弦1本,斜線2本
#Julia, #SymPy, #算額, #和算
問題文は以下のとおりである。
今有如図以等稜二个並縦横(乃稜長与右稜平不斜相親)而真平釣離之其平一寸其長五寸問定幾何
分かりやすく言うと,「合同な2つの菱形(菱形の対角線の長いほうが 5 寸,短いほうが 1 寸)を図のようにつなぎ合わせ,これを「定」の位置で吊るしたとき菱形の中心が水平になるときの「定」の位置はどこか。
参考文献 1) の山村の図は,不正確で(菱形が合同に見えない),何を求めればよいのかさえわからず,手のつけようがない。
参考文献 2) もそんなに分かりやすくはないが,本質は見える。
対角線の長いほうの長さを「菱長」,短いほうの長さを「菱平」とする。
菱形の頂点の x 座標は 0, 「菱長」, 「菱長 + 菱平」 である。
左重心,右重心の x 座標は「菱長/2」, 「菱長 + 菱平/2」である。「定」の x 座標を X とすれば,釣り合うときには,以下の等式が成り立つ。
定 - 菱長/2 = (菱長 + 菱平/2) - 定
よって,定 = (菱平 + 3*菱長)/4
あるいは「定 = 菱長/2 と 菱長 + 菱平/2 の平均値」
菱長 = 5, 菱平 = 1 のとき,定 = 4 である。
using SymPy
@syms 菱長, 定, 菱平
eq = 定 - 菱長/2 ⩵ (菱長 + 菱平/2) - 定
res = solve(eq, 定)[1] |> factor
res |> println
(菱平 + 3*菱長)/4
res(菱長 => 5, 菱平 => 1) |> println
4
(菱長/2 + (菱長 + 菱平/2))/2 |> factor |> println
(菱平 + 3*菱長)/4
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