高田馬場のとある隠れ家。
わたしは知人に呼ばれ、その隠れ家へ向かった。
そこには伝統工芸を生業にしている方や芸能関係者が集い、
大人のために用意された時間に、なんともいえぬ心地よさを覚えていた。
「久しぶりのシャバの空気はいいもんだろう」と声をかけられ、
「はい、やっぱりシャバはいいです。だって、すべてが刺激的で新鮮ですから」と答えていた。
「一隅を照らす仕事」というキーワードの下、さまざまな意見が交換される。
後世に残せる仕事もあれば、芸能のように一瞬にして作品が消えさる、
その場にいなければ味わえない仕事の醍醐味など、話が尽きることはなかった。
ここの居心地のよさはなにかと考えたとき、みんなが真剣だということに尽きた。
仕事に真剣に取り組むように、こうした会にも遊びにも真剣さを忘れてはいない。
空気がぴんと背筋を伸ばす様は、その場所の地場を整えるようでますます居心地のよさを増していく。
自分の仕事に恋をしているような人々に囲まれ、
高田馬場の夜は更けていく。
幸せの時間を友とともに。