猫の群れを突破し…

(つづき)
猫らは近づいてくる娘に 一斉に威嚇して追い返そうとした。
ところが娘は気にもとめず真っ直ぐに猫の群れに突進していく。

「ちょっと！待て待て！」

僕は慌てて娘を追いかけたが、最近の娘は なかなかにすばしっこいので捕まえることができず、娘も立ち止まる気配がない。

猫らも この数で一斉に威嚇しているのだから さすがに立ち止まるだろうと思いこんでいたらしく、立ち止まる事なく突進してきた娘に不意を突かれ、飛びかかるタイミングを失した。

その間 娘は猫の群れのなかを一気に走り抜けて、その後方にある社殿の階段を足早に上り始めた…

(つづく)