足がすくむ…

影の形があきらかにおかしい事に気がついた途端、血の気がひくのが自分でもわかった。

酔いも一気に吹っ飛び、一目散で逃げ出そうと思ったが足がすくんで動けない。

また しばらく沈黙が続いたあと…一人が口を開いた。

「困ったな…」

もう一人が続ける。

「時間がないよ どうする？」

三人が顔を合わせ 何やら相談している。そして小さな女の子がこちらに向かって喋りだした…

（つづく）

人影にあらず…

会話がないまま 数分が過ぎた。

三人は全く問いかけに答えないし、その間 シーサーはさらに遠くへと走り去っただろうから…追うのを諦め、引き返そうと思った瞬間 三人のうちの一人が仲間に囁くように声をかけた。

「お前 つけられたのか？」

すると仲間は それよりも小さな声で…

「そうみたい…」

と答えた。
そして こちらを険しい目つきでじっと見つめてきた。
私はたじろぎ、慌てて視線を下方へとそらした。

ん？

おかしな事に気がついた。外灯の光を受け、のびる三人の影が いずれも人の形をしていない。

…まぎれもなく シーサーの形をしている！

（つづく）

三人はただ だまったまま…

「すみません…ちょっとお尋ねしますが…」

外灯の下にいた三人がこちらに振り返る。

「先程 この辺りにシーサー……いや 猫のようなモノが走ってきませんでしたか？」

三人は だまったまま何も答えない。
こんな夜中の路上で話しかけたからだろうか こちらを不審げに見ている。

しばらく沈黙が続いた…

（つづく）

後を追ったが見失う…

後を追ったものの 駆け出していったシーサーには追いつけず、完全に見失ってしまった。

仕方なく シーサーが走り去った道をひたすら進んでいると…前方に外灯の下 何やら話ししあっている人達が見えた。

「よし！あの人達にシーサーを見かけなかったか聞いてみよう…」

（つづく）

後を追う事に…

もう一度呼び止めようとしたが シーサーは振り返る事なく走り去っていった。

「落書き日記のススメが４周年か……そういや毎年 ちょっとしたお祝いをしてたっけなぁ…」

落書き日記のススメ　１周年　

落書き日記のススメ　２周年　

落書き日記のススメ　３周年


よし！ついていってみるか…
まだ 抜けきらないお酒の勢いか、私はシーサーの後を追う事にした…

（つづく）