落書き日記のススメ

毎日、日記をつけるのもいいけど 簡単な絵を描き続けるのもいいですよ。絵のある生活(落書き)のすすめ。

バイクを停め、歩いて…

2012-08-29 23:56:12 | Weblog
(つづき)
続いて現れたカラスも やはり僕の前方を飛び始めたが…駅前の駐輪場に差しかかると、急に羽ばたくのをやめて道路の上に舞い降りた。

ここまで誘導されてきたと思っていただけに…カラスが舞い降りたという事は“ここで停まれ”という事なのかなと思い原付バイクを停めた。

駐輪場にバイクを預け、前方のカラスを歩いて追いかける。
カラスは僕がついて来たのを確認すると、トントントンという風に小さく飛び跳ねながら、また先に進み出した。

「やはり ついて来いという事か!?」

カラスに続いてしばらく歩くと、駅前の広場に出た…

(つづく)


前をいくカラス…

2012-08-28 23:22:52 | Weblog
(つづき)
埼玉より真っ直ぐに南下して東京都心へと入ると、どこからともなく一羽のカラスが現れて 僕が走る前方を飛び始めた。

どうやら空いた道へと誘導しているらしく…不思議と信号にもかからず、こんな時間でも普段なら行き来しているはずのタクシーも見かけない。

驚く程スムーズに新橋へ到着した。

やはり このカラスは天狗が送りこんだ使いのうちの一羽だろうなと思っていると、新橋に着くなり そのカラスは姿を消し、かわりに先程とは別のカラスが現れた…

(つづく)


原付バイク…

2012-08-27 23:19:22 | Weblog
(つづく)
巨大な天狗が僕らの前から姿を消して ホッとしたのも束の間、年寄り猫は僕に向かい「時間がない!頼む!」と急かした。

僕は神社の境内を後にすると、走って自宅へ戻り 妹の原付バイクに飛び乗った。

「さぁて!東京へ向かうか…」
職場に向かういつもの道も、こんな時間に通るのは 初めてだな…そんな事を考えながら アクセルをふかした。

いつもならば駅にて電車に乗り換えるのだが こんな時間に電車が走っている訳ないので そのまま原付バイクで駅前を走り抜けた…

行き交う車もない静かな夜道に原付バイクの乾いたエンジン音が鳴り響いた…

(つづく)


僕が行こう!…

2012-08-24 01:06:02 | Weblog
(つづき)

天狗が使いであるカラスたちに 何かを指示すると、カラスたちはガァカァと鳴きながら一斉に飛び立ち、やがて闇夜にとけこみ見えなくなった。


カラスを見届けたあと、年寄り猫が周りの猫たちに向かい話し始めた。

「大天狗様が仰ったように 誰かに代表して東京に向かってもらわねばならない…誰か志願する者はおるだろうか?」

だが周りの猫たちはだまったまま、下を俯くものもいる。


…僕は声をあげた。

「東京新橋ならば ある程度 土地鑑がある僕が行こう!

クロ!トラ!

それまで娘を頼む!」

周りの猫たちがどよめき、座敷わらしたちの表情が幾らか明るくなる…

うちの飼い猫であるクロとトラが前に出てきて応えた。

「ご主人様!わかりました。
無事に戻られるまで お嬢様は私たちがお守りいたします!」

娘は自分の事を話しているのが わかるのか 手をあげて“了解しました”というようなポーズをとった。

その様子を笑いながら見ていた天狗が翼を広げた。

「決まったようじゃな…」

そういうと大きな翼を使い急上昇したかと思うと、カラスの時と同様に闇夜にとけて見えなくなった。

(つづく)


天狗が言うには…

2012-08-21 23:55:17 | Weblog
(つづき)

座敷わらしの話を遮るように 年寄り猫が話し出した。

「我々がない知恵を絞ったところで、時間がなさすぎてどうする事もできませぬ。
そこで大天狗様を呼んだまで。

どうか力を貸してはくれまいか?」

天狗は無言で頷いたあと応えた。

「力になりたい所じゃが、山の天狗じゃ力不足じゃ!
この数の獣やら何やらを一同に運ぶ術を考えねばならない…

その答えを握っておる者が東京新橋におる。

我も使いを送ろう!じゃがその者は頑固じゃて 誰かが行かねば動かん。そこへ行き、その者に頼みにいくのじゃ!」

そう言うと 天狗はヒューと口笛を吹き、使いと思われるカラスたちを呼び出した…

(つづく)