ある神父が散歩中、近所の漁師に釣りに誘われた。
神父は釣りの経験が無かったが、試しにやってみることにした。
漁師に餌をつけてもらい、投げこんでしばらくすると大きな魚がかかった。
苦労して引っ張り上げた魚があまりに立派だったので、漁師は思わず叫んだ。
「おお! なんてでっけえサノバビッチだ!」
神父「失礼ですが、汚い言葉を使わないでいただきたいですな」
注意された漁師はとっさに頭を使って言いわけした。
「すいません神父様。ですが、この魚はサノバビッチって呼ばれてるんです」
神父「それは失礼しました。魚の名前には疎くて」
神父は魚を持って帰り、教会の近くで司教に出逢った。
神父「司教様、この大きなサノバビッチを見て下さい」
司教「言葉に気をつけなさい。ここは神の家ですよ」
神父「いえ、司教様。この魚はサノバビッチという魚なんです。私が釣ったんですよ、このサノバビッチ」
司教「そうですか。それは失礼、釣りの経験が無いもので。では私がそのサノバビッチを洗います。そして夕食に出すことにしましょう」
司教は魚を洗い修道院長の所へ持って行った。
司教「すいませんが、このサノバビッチを料理していただけませんか」
院長「まあ、はしたない。なんて言葉使いでしょう」
司教「いえ、シスター。この魚はそう呼ばれているのですよ。名前がサノバビッチ。
神父が釣り、私が洗いました。夕食にこれを出していただけませんか」
院長「あら、そうなのですか。それでは私がそのサノバビッチを料理いたしましょう」
たまたま夕食に法王猊下が列席された。一同は魚料理のあまりの見事さに感心した。
法王「この魚はどこで釣ったのですか」
3人は誇らしげに答えた。
神父「私がこのサノバビッチを釣ったのです!!」
司教「そして私がこのサノバビッチを洗いました!!」
院長「そして私がこのサノバビッチを料理したのです!!」
法王は鋭い目で一同を見まわした。そしてすこし考えた後、おもむろに帽子を取り、机に足をのせてこういった。
「でかした。クソども」
※サノバビッチの意味
「売春婦の息子」ですね。罵りの言葉です。相手の母親を貶める言葉ですが、日本語に直すなら「お前の母ちゃんデベソ」よりもっと程度が強い「チクショー!」や「クソッタレ」の方が近いと思います。
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