ここは新宿西口の小田急百貨店である。今年10月2日で閉店した。
現在の本館は14階建てで1967年に開業し50年以上経った。
私が新宿に勤務の頃は地下食料品、文房具、催事、レストランなどを利用したものだ。
跡地には地上48階、高さ260㍍の高層ビルが29年度に完成予定。新ビルに小田急百貨店が入店するかは未定だそうだ。
こちらは小田急ハルクである。小田急百貨店本館の閉店の為、こちらに食料品を中心として移転するらしい。
もう地下街の小田急エースもかなり閉店や移転で、受け入れを準備している。
同じ頃に建設された近くの京王百貨店も同じような経過をたどるから、いつ建て替えをするか分からない。
一方、東急百貨店は2023年春以降、東急本店の解体作業に着手すると発表されていた。
跡地には東急電鉄、東急百貨店、LVMH(モエヘネシー・ルイヴィトン)グループの3社によって開発を進める。
隣接するBunkamuraも大規模な改修工事をする。
東急百貨店はすでに渋谷駅前の東横店を2020年3月末に閉店している。
東急百貨店での思い出は尽きない。
私が結婚を決意した時に、東急本店8階のレストラン「コートダジュール」は私の両親と、家内の両親の顔合わせをしたところだった。
Bunkamuraの大ホールで横山勝也の尺八と、鶴田錦史の琵琶による「ノベンバーステップス」を家内と聞きに行ったこともあった。
作曲は武満徹で開場前にロビーで見かけ、私は家内に知ったかぶりで「あれが武満徹だ」と指をさしてしまったところ、武満氏が気が付き、お辞儀をしてくれた。
面識はなかった。今でも思い出すと可笑しい。
私が20代の頃は未だ東横百貨店だった。
渋谷駅の東横店には「東横ホール」なる大きなホールがあって、よく落語なども開催されていた。
ある時、青木鈴慕先生に推薦され、箏社中の賛助出演に呼ばれて、その東横ホールにて宮城道雄作曲「高麗の春」を演奏した事があった。
とにかく大きなホールだったので、演奏していても音が散って、迫力を全然感じ無かった事だけは覚えている。
八王子の駅ビルも「そごう」だったのが、今は「セレオ」である。
府中も伊勢丹が閉店して、専門店街になった。
今、百貨店の独自の営業は難しい。
元々テナントに貸して、食料品は「のれん街」やレストランなど他店に任せている。
社員が専門性を身につけるのも大変である。
今や「ユニクロ」「ビックカメラ」「無印良品」「ロフト」「ダイソー」だらけで、代わり映えがしなくなって来た。
9月16日、新宿に出かけた。これは小田急百貨店である。
こちら本館は10月2日で閉店して、10月4日にはハルクに移転する。「キャッチコピー」が際立っている。「新宿店は閉店しません」だって。