これは浮世絵最後の光を放つ絵師芳年の作「清盛入道布引滝遊覧悪源太義平霊討難波次郎」明治元年。紙を3枚縦に繋いだ変形画面で滝の迫力を出している
上でテンバっているのが、死して雷となった悪源太義平。真ん中で逆さになっているのが義平の首を斬った難波次郎経房。下段中央が清盛で他に4人を数えることができるが、名前は二人分しかないのでどれか判別しがたい。一人は「平家物語」でお馴染みの瀬尾太郎兼康だ。一番下でひっくり返っているのがそれだろうか。
この絵は「平治物語」に題材をとる。平治の乱が治まって後の事、清盛は出家し福原にいる。布引の滝を見物に出かけた。お供する難波次郎は夢見が悪く気分が悪かったがそれでもついてきた。滝見物が終わるころ、空は俄にかき曇り、雷と共に悪源太義平現われ、難波経房は雷に打たれて死ぬ。義平は処刑される時、難波経房に雷になって復讐してやる、と云って斬られたのだった。ただし、「平治物語」では難波三郎になっている。(角川ソフィア文庫)
江戸にいた芳年にはたぶん布引の滝を実見したことはなかったろう。
布引滝は新神戸駅のすぐ裏手になる。1Fバス乗り場からすぐ矢印の案内がある。それに従っていくとさらにいろいろ案内がある。
水路橋がある。
明治の設備だ。 川は生田川、どうやら新神戸駅の駅舎そのものが川をまたいで立っているらしい。
水路橋を渡り登っていく。
関西にある滝だから、都の人たちにも近しいものだったのだろう。歌碑がたくさんある。
雌滝
雄滝
雄滝から更に上って展望台へ。
帰路、水路橋と新神戸駅の間に猫がいた。
クロは変わった鳥のようなかわいい声で鳴く猫だった。