北京国際自動車ショーで披露された騰勢(デンザ)の新型EVセダン(4月)=ロイター
【フランクフルト=林英樹】
独高級車大手メルセデス・ベンツグループは中国の電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)との中国合弁事業を解消したと17日明らかにした。
合弁会社は高級EVの開発・生産を手がけているが、提携は不調で、2021年に出資比率は50%から10%に引き下げていた。今回、残りの10%分の株式も売却した。
10%分の株式をBYDに売却したと明らかにした。合弁はBYDが全額出資する完全子会社になった。
合弁会社は高級EV「騰勢(デンザ)」を開発・生産している。メルセデスは17日、合弁事業解消を認めたうえで「デンザの現行モデルにはすでにメルセデスの技術は搭載されていない」とコメントした。
合弁会社は11年、BYDと独ダイムラー(現メルセデス)が折半出資で広東省深圳市に設立した。
ただし、技術面などで協業が軌道に乗らず、21年の販売台数は5000台にとどまっていた。このため、メルセデスは21年に出資比率を従来の50%から10%に引き下げ、合弁への関与を弱めた。
BYDが経営の主導権を握ってからは、合弁事業は好転した。22年は2倍の1万台、23年には26倍の12万8000台へと急拡大した。BYDとメルセデスの協業はほぼ止まっていたとみられる。
従来の合弁事業はBYDの全額出資のもと今後も事業を拡大する計画だ。年内にも中国国内向けにEVやプラグインハイブリッド車(PHV)など10車種以上を販売し、欧州やオーストラリアなど海外展開も計画するとしている。
ただし、欧州連合(EU)は中国から輸入するEVに対し最大36.3%の関税を課す方針で輸出は難航する可能性がある。
メルセデスは、中国民営車大手の浙江吉利控股集団、国有車大手の北京汽車集団とも、それぞれ中国国内で合弁事業を展開している。吉利との合弁では小型車「スマート」のEVを開発・生産しており、世界販売に乗り出している。
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正直にいうと、なんのための提携なのか、よくわからない
。ベンツとBYDが提携してシナジー効果が出てくるとも思えない。
ベンツはBYDのポテンシャリティ(潜在性)を過大評価したから、提携したのだろう。
事業のフィージビリティを考えれば、提携を解消して、両者のいずれにとってもよかったと思われる
日経記事2024.09.18より引用