講演するTSMCつくばの江本裕センター長(12日、東京都江東区)
世界最大の半導体受託生産会社、台湾積体電路製造(TSMC)で次世代技術の開発を担うTSMCジャパン3DIC研究開発センター(茨城県つくば市)の江本裕センター長は12日、人工知能(AI)半導体向けの素材について「サプライヤーに発注してから量産までの期間を1年程度にする」と語った。
一般的に数年程度かかる期間を短縮して競争力を高める。
半導体の国際展示会「セミコン・ジャパン」で講演した。同社は22年6月に設立されたつくば市内の拠点で国内の素材・装置メーカー数十社とAI半導体の組み立て技術「CoWoS(コワース)」向けの研究開発を進めている。
江本氏は「AI半導体メーカーが爆速の開発を求めている。日本のサプライヤーの意思決定は必ずしも速くないが、TSMCを信じてもらい一緒に進みたい」と語った。
AI半導体はTSMCの製造能力が需要に追いつかず「25年は供給不足が続く」との見方を示した。
増産や歩留まり(良品率)の改善などにより「26年には供給が追いつくが、需要が予測を上回れば再び不足する」とした。
TSMCが27年に市場投入する新型のコワースでは、搭載されるAI向けメモリーの数が23年に投入された従来品の1.5倍の12個に増える。
基板が大型化すれば、熱や反りによる欠陥が起きやすくなる。
パソコンやスマホの半導体や、電気自動車(EV)に使われるパワー半導体とは。TSMCやラピダス、キオクシアなどのメーカーの動向や供給不足、シェア推移など関連業界や市場の最新ニュース・解説をタイムリーに発信します。
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日経記事2024.12.12より引用