クリスマスが近づくと、どこの家庭でも大量のクッキーを焼く。
ドイツ語でクッキーに相当するものはKeks(ケークス)とかGebäck(ゲベック)と呼ぶ。
どういうわけか、クリスマス前に作るものはPlätzchen(プレッツヘェン)と名前が変化する。
(ああ、格変化だけでも充分苦しんでいるのに、食い物の名前まで季節で変化しないでくれぇ!)
去年ここに来たばかりの私は、いきなり義母が狂ったように大量のクッキーを焼いているのを見て、恐怖に駆られたものだ。
今年は事情を理解しているので、積極的にお手伝い
材料は、油脂(バターか、マーガリン)小麦粉・砂糖が基本で、そのほかにアーモンド粉など好みのナッツを加えたりする。
平らに伸ばした生地を型で抜くのもあるし、絞りだすのもある~
右は、メレンゲの中にココナッツ粉を混ぜ、オブラートの板の上に置いたもの。
溶かしたチョコレートや、ジャムをはさんで仕上げるものもあり。
今回掲載の写真はうちで撮影したものだけだが、その前日2日間は義母の妹の家にクッキー作りの手伝いに行った。
はあぁ~?
あなたの妹はクッキーも満足に作れないのかね、と尋ねたいところだが、これには訳があるらしい。
ま、そんなに難しい理由じゃあない。
妹の息子の嫁と、娘は近所に家を構えて住んでいる。
それぞれ仕事を持ち、しかも3人の子持ち(おお!主要先進国の出生率を上げる良い見本!)だ。
孫を含め息子娘と嫁・婿たちすべての腹を満たすためのクッキーを彼女が用意しなければならないのだそう。
それにしても、なぜ、姉の義母が毎年毎年・・・
もしかして、義母はクッキー作りが妹より上手い?
先週は2日間彼女の家に通い、私はせっせと天板にクッキーを並べたり、飾りを塗ったりしてオーブン使いっぱなしの暖かすぎる台所で働いたものだ。
嫁と娘は見学するのみで、一向に手伝う気配は無かった。
「仕事の後で、疲れているからね~」
と、義母。
う・・・
へたすると、私も一生、この二人の替わりにクリスマスクッキーを焼きに来なくてはならなくなるぞ。
別居だ、別居・・・
二日間の出張クッキー製造の次の日は、うちのクッキーだ。
さまざまな基本クッキーを作った最後に、クリスマスクッキーの華、レープクーヘンを焼いた。
このクッキー、ニュルンベルクのお土産品として有名で「地球の歩き方」などにも載っているが、家庭で焼くものらしい。
材料は、バターや小麦粉のほかに、ナッツやフルーツの砂糖煮、さまざまの香辛料を混ぜる。
初めて食する日本人には少々馴染めないものだが、慣れるとおいしい。
下左はレーズン、右は仕上がった生地を上に載せるオブラート。
このオブラート、日本でときどきテレビなどで見ることができた、ヨーロッパの教会の聖餐式で使用されているものと同じに思い、義父母に尋ねたところやはり、聖餐式でも使うものらしい。
クッキー材料を「これはキリストの体云々・・・」と儀式でやるのもいいものだ。
日本の普通の教会では、確か、パンを使ったと思う。
これは販売されているレープクーヘン用粉末香辛料だ。
シナモン・オレンジの皮・コリアンダー・レモンの皮・八角・フェンネル・ナツメグ・クローブ・カルダモンなど、ヨーロッパのような寒冷な気候では収穫不能な植物ばかりだ。
昔は、年に一度のぜいたく品だったのだろう、高価な輸入品の香辛料を使う甘いお菓子をクリスマスに食べるのは!
大航海時代まで思いを馳せてしまうのは私だけだろうか?
出来上がった生地をオブラートに塗り、オーブンで焼く。
左に、焼きあがったレープクーヘンの山が
冷えたあと、溶かしたチョコレートを塗り、アーモンド粉を飾る。
自家製レープクーヘンのできあがり~
年に一度しか焼かない、クリスマスのためのクッキー。
材料の凝りかた、手間のかけ方を経験すると、前述の私の命名、
クリスマスクッキーの華
も、誇張ではないと思う~
ところで、義母の毎年末のこの盛大なクッキー作り、家族の男性陣からはきわめて不評である。
「毎年、食べきれないで余るのだから、そんなに作るな」
と、義父。
「母は、作りたくない、と毎年言いながら、結局大量に作ります。無駄です」
と、夫。
ま、いいじゃあないか~
ドイツの主婦の、年末のイベントなんだろうな。
さしずめ日本だったら「これをやらないと年を越せない」って感覚なのかもしれない。
余ったところで何万円分も損するわけじゃあないし、やりたいことをやっってもらったほうが家庭の平和が保てるぞぉぉ~
私も協力しているしぃ
上の写真は、夫が面白がって撮影した私の様子。
連続三日間のクッキー作りに明け暮れて憔悴しきっているのが顔を隠していても、全身の様子から伝わってくる。
あらあら、左ポケット周辺がチョコレートで汚れちゃって・・・
この家の洗濯は2週に一回だから、虫が付かないように気をつけなくっちゃ・・・
ドイツ語でクッキーに相当するものはKeks(ケークス)とかGebäck(ゲベック)と呼ぶ。
どういうわけか、クリスマス前に作るものはPlätzchen(プレッツヘェン)と名前が変化する。
(ああ、格変化だけでも充分苦しんでいるのに、食い物の名前まで季節で変化しないでくれぇ!)
去年ここに来たばかりの私は、いきなり義母が狂ったように大量のクッキーを焼いているのを見て、恐怖に駆られたものだ。
今年は事情を理解しているので、積極的にお手伝い
材料は、油脂(バターか、マーガリン)小麦粉・砂糖が基本で、そのほかにアーモンド粉など好みのナッツを加えたりする。
平らに伸ばした生地を型で抜くのもあるし、絞りだすのもある~
右は、メレンゲの中にココナッツ粉を混ぜ、オブラートの板の上に置いたもの。
溶かしたチョコレートや、ジャムをはさんで仕上げるものもあり。
今回掲載の写真はうちで撮影したものだけだが、その前日2日間は義母の妹の家にクッキー作りの手伝いに行った。
はあぁ~?
あなたの妹はクッキーも満足に作れないのかね、と尋ねたいところだが、これには訳があるらしい。
ま、そんなに難しい理由じゃあない。
妹の息子の嫁と、娘は近所に家を構えて住んでいる。
それぞれ仕事を持ち、しかも3人の子持ち(おお!主要先進国の出生率を上げる良い見本!)だ。
孫を含め息子娘と嫁・婿たちすべての腹を満たすためのクッキーを彼女が用意しなければならないのだそう。
それにしても、なぜ、姉の義母が毎年毎年・・・
もしかして、義母はクッキー作りが妹より上手い?
先週は2日間彼女の家に通い、私はせっせと天板にクッキーを並べたり、飾りを塗ったりしてオーブン使いっぱなしの暖かすぎる台所で働いたものだ。
嫁と娘は見学するのみで、一向に手伝う気配は無かった。
「仕事の後で、疲れているからね~」
と、義母。
う・・・
へたすると、私も一生、この二人の替わりにクリスマスクッキーを焼きに来なくてはならなくなるぞ。
別居だ、別居・・・
二日間の出張クッキー製造の次の日は、うちのクッキーだ。
さまざまな基本クッキーを作った最後に、クリスマスクッキーの華、レープクーヘンを焼いた。
このクッキー、ニュルンベルクのお土産品として有名で「地球の歩き方」などにも載っているが、家庭で焼くものらしい。
材料は、バターや小麦粉のほかに、ナッツやフルーツの砂糖煮、さまざまの香辛料を混ぜる。
初めて食する日本人には少々馴染めないものだが、慣れるとおいしい。
下左はレーズン、右は仕上がった生地を上に載せるオブラート。
このオブラート、日本でときどきテレビなどで見ることができた、ヨーロッパの教会の聖餐式で使用されているものと同じに思い、義父母に尋ねたところやはり、聖餐式でも使うものらしい。
クッキー材料を「これはキリストの体云々・・・」と儀式でやるのもいいものだ。
日本の普通の教会では、確か、パンを使ったと思う。
これは販売されているレープクーヘン用粉末香辛料だ。
シナモン・オレンジの皮・コリアンダー・レモンの皮・八角・フェンネル・ナツメグ・クローブ・カルダモンなど、ヨーロッパのような寒冷な気候では収穫不能な植物ばかりだ。
昔は、年に一度のぜいたく品だったのだろう、高価な輸入品の香辛料を使う甘いお菓子をクリスマスに食べるのは!
大航海時代まで思いを馳せてしまうのは私だけだろうか?
出来上がった生地をオブラートに塗り、オーブンで焼く。
左に、焼きあがったレープクーヘンの山が
冷えたあと、溶かしたチョコレートを塗り、アーモンド粉を飾る。
自家製レープクーヘンのできあがり~
年に一度しか焼かない、クリスマスのためのクッキー。
材料の凝りかた、手間のかけ方を経験すると、前述の私の命名、
クリスマスクッキーの華
も、誇張ではないと思う~
ところで、義母の毎年末のこの盛大なクッキー作り、家族の男性陣からはきわめて不評である。
「毎年、食べきれないで余るのだから、そんなに作るな」
と、義父。
「母は、作りたくない、と毎年言いながら、結局大量に作ります。無駄です」
と、夫。
ま、いいじゃあないか~
ドイツの主婦の、年末のイベントなんだろうな。
さしずめ日本だったら「これをやらないと年を越せない」って感覚なのかもしれない。
余ったところで何万円分も損するわけじゃあないし、やりたいことをやっってもらったほうが家庭の平和が保てるぞぉぉ~
私も協力しているしぃ
上の写真は、夫が面白がって撮影した私の様子。
連続三日間のクッキー作りに明け暮れて憔悴しきっているのが顔を隠していても、全身の様子から伝わってくる。
あらあら、左ポケット周辺がチョコレートで汚れちゃって・・・
この家の洗濯は2週に一回だから、虫が付かないように気をつけなくっちゃ・・・