里山の山野草

里山と山野草の復活日記。

笠山椿群生林

2008年03月02日 | 花 木
昨日は萩市・笠山の椿原生林を見に行って来た。

実は以前家内が行って「感動した!」、「今度是非連れて行ってあげる」と言って
バスツアーを申し込んでいたのだが、「藪椿は珍しくないのに…」と思っていたほ
どなのでつい忘れていた。

そんな私の気持ちを天が哀れんだのか、朝起きてみると同情の涙雨だ!
ところがその程度の事では驚かないウチのオバサン、朝の6時15分だというのに
腰の重い亭主を引きずってバスに乗り込むと、早くも「グースカ」高鼾だ!
そんな小父さん達を引き連れたオバサン達を、2時間もかかって次々と拾って行き、
山陽道へ入り西に走るほど何とお天気が快晴に近いほど回復しているのだ。
恐るべしオバサンパワーだ!

やがて美祢ICで降りて更に一般道を走り、お昼前にようやく仙崎港に着いた。
ここで昼食を摂ったのだがこれが又凄かった! 
何しろ漁港を傍に控えるだけあって、“カニ・甘エビなどの海鮮料理を食べ放題”
という事で、“わんこ蕎麦”よろしく幾らでも持って来てくれる。
「ここで、元を取らなければ損!」とばかりにオバサン達の食べる事、食べる事!
「そんなに食べなくても…?」と思うのだが、シャイな私は圧倒されてしまった。

海岸の風景良し、入り口付近の花も綺麗に咲いている。 
さて、いよいよお待ちかねの“ヤブツバキ原生林”、見学時間は僅か1時間半だ!
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海岸の風景①(→②)入り口付近のヤブツバキ

(見学ルート)


笠山椿原生林
笠山は大昔は火山で、標高(112m)は低いが頂上には火口湖もある。
一帯は石英を含む玄武岩の熔岩で覆われていて、近くにはこれを原料にしたガラス
工房もある。

笠山は、萩城(現在は指月公園内に城跡が残るのみ)の鬼門(北東)の方角に当た
るので当時の毛利藩が立ち入り禁止にしていた為に、その後数百年間原生林になっ
ていた。
明治時代に入るとその禁が解かれ、原生林は昭和40年代まで何度も伐採されて建
築用材や薪炭用に利用され、或いは牛の放牧に利用されて来た。
ところが、昭和45年に椿の研究の為に訪れた渡辺武博士が、
「椿林の手入れをすれば観光地になる」と市長に進言し、それを取り入れて萩市が
観光事業として取り組んだ事から、見事な原生林が出来上がった。
この椿原生林は平成14年8月に萩市指定の天然記念物に指定され、現在10ha
の広さに、数十種のヤブツバキが約25,000本自生している。