里山の山野草

里山と山野草の復活日記。

北ってどっち?

2008年03月23日 | 地 学
最近はカーナビのついている車が多いのでドライブ中にどちらが北か迷う事はない
が、さてこれが無いと大変困ってしまう。
道に迷ってしまおうものなら、どちらへ向かって走っているのか道路地図を見ても
さっぱり分からない!

これが夜なら北極星を見つけるという手もあるが、昼だと太陽の位置では凡その方
向しか見当が立たず、通りすがりの人に「スミマセーン!」と尋ねるしかない。

そこで、私は愛車(軽トラ)で山に出かける時は、必ず方位磁針も持って行く事に
している。 そうすると道に迷った時に役立つだけでなく、見つけた植物が東西南
北の内のどの方向を好んでいるかも分かるので一石二鳥だからだ。

ところがこの方位磁針、つくりは簡単だがあれでいて結構ややこしい。
 ・磁針が指し示す北の方向は、日本では真北より少し西へ偏り、しかも北へ行く
  ほどその偏り(偏角)が大きくなると言うし、
 ・水平に支えられている磁針も、実は何も細工をしてないと、赤道付近では水平
  が保たれるが、北に行くほどN極側が下がって行き、遂には完全に逆立ちをし
  てしまうと言う。 この水平状態からの下がり具合(伏角)に応じて水平を保
  たせる為に、S極側へ使用する場所に応じた錘をつけてあるのだそうだ。

とまあ、この辺りまでは何とか理解できるが、
 ・地磁気の磁力の強さは、この100年間で約5%減少していて、この割合で減
  少すると2000年後には地磁気が消滅するかもしれないと言うし、
 ・伊能忠敬が日本地図を作った約200年前には、

江戸周辺の偏角はほぼ0°で、
それ以前は東に偏っていたと言う。

つまり、磁針の示す北(磁北)が時代と共に
移動しているという事で、
中には地球のN極とS極が過去100万年間に
4回も逆転したという学説もあるそうだ。


もうここまで来ると、方位磁針もどちらを向いたらよいのか困ってしまいお手上げ
だろう!

真 北
地球の自転軸の北端(北緯90度地点)を指す。
北極星は、地球の自転軸を北極側に延長した線上(天の北極)に位置しているので、
真北の目印にされる。
又、地図については北半球では上を北にして作られているが、オーストラリアでは
南が上になった地図を観光客用に作っていると言う。

地磁気の要素とデータ(国土地理院のHPから引用)


F:全磁力と言い、地磁気の大きさを表す。
全磁力のデータ

D:偏角と言い、Fが水平面内で真北となす角度を
表す。
偏角のデータ

I :伏角と言い、Fが水平面となす角度を表す。
伏角のデータ