雲跳【うんちょう】

あの雲を跳び越えたなら

青い鳥

2007-08-26 | 小説
 とどまるところを知らない重松清が、また新たな傑作を生みだした。

 そう、『青い鳥』

 非常勤講師の国語の村内先生は言葉がつっかえる、所謂『吃音』だ。
 そのどもり具合はかなり酷くって、授業もままならなくって、みんなに迷惑をかけている。でも、なぜそんな先生が非常勤としてやってくるのか?

 村内先生はうまく喋れない。うまく喋れないから、「ほんとうにたいせつなこと」しか喋らない。
 村内先生はうまく喋れない。うまく喋れないけど、うまく喋れないからこそ、ほんとうに一生懸命、相手に伝えたいことを、喋る。
 村内先生は言う。「ひとりぼっちじゃないんだ」「そばにいる」「間に合って、よかった」
 
 村内先生は、ひとりぼっちの殻に閉じこもってしまいそうな、そんな生徒の前にやってきて、「ほんとうにたいせつなこと」を気づかせてくれる。

 ・・・・・・・・・。

 そんなこんなの『青い鳥』ですが、ハッキリ言って、傑作です。いや、マジで。

『疾走』『エイジ』などに続いて、久しぶりの中学生モノ。プラス『きよしこ』みたいな?
 だからこれは、重松清にしか書けない、そんなカンジの一冊です。

 短編の様相を呈していますが、やはり順番に読んでいくべきですね。そのほうが最後のお話『カッコウの卵』でのものすごい感動は得られませんです。
 最初の一話目から、ジンワジンワと涙ぐみながら、読み進んでおりましたが、ラストの『カッコウの卵』に至っては、とめどなく涙があふれ出してきました。いや、ホント、この『カッコウの卵』って短編はオレ的重松短編の中で一、二を争うほど、良かったです。今思い出すだけでなんだか泣けてくるもん。

 そんなこんなでありますが、とにかくこの『青い鳥』は、オレの人生の中で忘れられない一冊に、なりました。
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十七才

2007-08-26 | 映画
「女子高生好きにはたまりませんよ」

 そんな煽り文句を浴びせられたら、受けて勃つしかないでしょう!この、オレ様としてわー(?

 なにはともあれ、女子高生大好きのワタクシでありまして、ヤッキーにそそのかれつつ、木下ほうか監督作『十七才』を観ました。

 やっぱりいいですね、女子高生(にっこり

 で、なくて、あ、いや、いいんですけど、もう、ね、太ももがね・・・・や、いや、まぁ、そーいうことはちょいと置いといて、と。。。

 映画的にね、すごい、イイいなぁ、って思いました。なんか、緊張感があるんだか無いんだか、とにかく何事においても微妙なお年頃『十七才』を垣間見ることができたような気がします。

『青春』とか、そんな言葉って、きっとリアルにその時期を送っている人間には似合わない言葉だなぁ、って。『青春』って言葉を口にするのは、もうそれを過ぎてしまった人間か、もしくは、これからその時期に向かっていこうとする人間が発する言葉なんだろうなぁ、などと思ったりなんかしました。

 私は『青春』って言葉が大好きです。それは確かに、過ぎ去った思い出を辿るように使うことのほうが多いけれど、でも、やっぱり、今ある『青春』、これから迎える『青春』とかも、確実に私を取巻き支える言葉になっているんだ、と、永遠の十七才の秀さんは公言して憚らない。

 そんなカンジで、『十七才』かなりの秀作だと思います。

 ちなみに菊地凛子がまだ菊地百合子名義で出演していました。なんにせよ、菊地凛子、かなり女子高生役が多いですよね☆
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