雲跳【うんちょう】

あの雲を跳び越えたなら

魔王

2007-11-13 | 小説
 伊坂幸太郎著『魔王』を読みました。

 前々から社会派的な傾向は多々見られた伊坂作品ですが、大抵、ストーリーの巧妙さが前面に出ていて寓話的な部分は比喩というか暗喩的に語られるまでで落ち着いていたと思うんですが、今作は、今までとは一味違い、現代の日本社会、というか日本人を鋭く抉っていましたね。

 だからと言って、説教臭くなるでもなく、まして一方的な意見を述べつらっているわけではなく、一定の距離を置き、多方面からの考えや思いなどを、いつもの軽妙な会話や、何気ない場面に描き出していて、非常に読みやすく、解かりやすく、今の日本における、いや、世界における問題を考えさせるきっかけを与えてくれる、現代社会において私たちが生きてゆく中で読むに値する大切な一冊である、と思いました。

 作中、主人公はしきりに自分に言い聞かせます『考えろ考えろマクガイバー』そう、考えろ。でも、作者は他の人物に言わせます『考えすぎもよくない』と。どちらも、大切なことなのです。

 また、ある登場人物は言います。
『巨乳大好きー』『女子高生大好きー』『巨乳の女子高生は無敵ー』
 と。そう、それも、真実。

 でもオレは、微乳が好きだ。

 そんなわけで、今までとは一味違った伊坂幸太郎を味わえる、かなり味わい深い、一冊でした。

 
 ちなみに、福岡県産の苺に『あまおう』というのがあるんですが、美味しいんです。や、特に意味はないんです、、、では、おやすみなさい。。。
コメント
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