無名
2007-07-05 | 小説
沢木耕太郎氏の『無名』を読みました。
~以下、文庫版裏表紙より~
一合の酒と一冊の本があれば、それが最高の贅沢。そんな父が、ある夏の終わりに脳の出血のため入院した。混濁してゆく意識、肺炎の併発、抗生物質の投与、そして在宅看護。
病床の父を見守りながら、息子は無数の記憶を掘り起こし、その無名の人生の軌跡を辿る。
生きて死ぬことの厳粛な営みを、静謐な筆致で描ききった沢木作品の到達点。
~以下、私の感想~
感動したとか、何かが伝わったとか、そういうのはあまり感じなかったんですが、心に引っ掛かかって残るものが確実にある作品でした。
ノンフィクション作家であるため、どこか一歩退いているようで、かといって淡々と進んでいくわけでもなく、やはりそこには家族にしか、息子にしか解からない父親の気持ちというものを思いつつも、家族だから、息子だからこそ解からなくなってしまっているところ、見えなくなってしまっている部分など、自ら確かめるかのように筆を進めているような、そういう気持ちは自分にも少なからずシンクロしていて、切実な痛み、というか空虚、みたいなものが読中ありありと襲ってきました。
やはり読んでいる最中はしきりに自分の父親のことを想ってしまいます。
そういう感じで、久しぶりに入院中の親父の見舞いに行かなくちゃなぁ・・・と思った次第であります。
~以下、文庫版裏表紙より~
一合の酒と一冊の本があれば、それが最高の贅沢。そんな父が、ある夏の終わりに脳の出血のため入院した。混濁してゆく意識、肺炎の併発、抗生物質の投与、そして在宅看護。
病床の父を見守りながら、息子は無数の記憶を掘り起こし、その無名の人生の軌跡を辿る。
生きて死ぬことの厳粛な営みを、静謐な筆致で描ききった沢木作品の到達点。
~以下、私の感想~
感動したとか、何かが伝わったとか、そういうのはあまり感じなかったんですが、心に引っ掛かかって残るものが確実にある作品でした。
ノンフィクション作家であるため、どこか一歩退いているようで、かといって淡々と進んでいくわけでもなく、やはりそこには家族にしか、息子にしか解からない父親の気持ちというものを思いつつも、家族だから、息子だからこそ解からなくなってしまっているところ、見えなくなってしまっている部分など、自ら確かめるかのように筆を進めているような、そういう気持ちは自分にも少なからずシンクロしていて、切実な痛み、というか空虚、みたいなものが読中ありありと襲ってきました。
やはり読んでいる最中はしきりに自分の父親のことを想ってしまいます。
そういう感じで、久しぶりに入院中の親父の見舞いに行かなくちゃなぁ・・・と思った次第であります。
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