雲跳【うんちょう】

あの雲を跳び越えたなら

ひとりずもう/さくら ももこ

2009-06-05 | 小説
 初潮の話から、漫画家デビューまでの、自身の青春期を描いたのほほんエッセイ。

 オシャレに目覚めたり、片想いしたり、そりゃもう青春にはつきものの話なんだけど、やはりさくらももこは一味ちがう!いや、二味くらいちがうかな…。なんか、リアルなまる子が青春体験しようとしてるなー、って感じで(いや、実際にそういうことだから)ほとほと呆れつつも無性に親しみが湧いてしまう。

 とにかく、いちいち笑えるのだが、高三の春休みから真剣に漫画家への挑戦をはじめた頃からは、読んでるこちらも思わず「ぐいっ!」と力んでしまう。

 勇気が湧いてくるとか、夢に向かう希望がもらえる、なんてことは特にないんだけれど、何事も「やらないよりはやったほうがいいんだ」ってことを再認識させてくれた。そして、「ダメなら方向転換も『アリ』だから」。

 人生の全てに身構えつつも、どこか楽観している作者の性格が実によくあらわれている一冊。
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