雲跳【うんちょう】

あの雲を跳び越えたなら

The Book―jojo’s bizarre adventure 4th another day

2009-03-04 | 小説
 タイトルが長くて、作者名が入りませんでした。乙一さんです。

 この本は、言わずと知れた、荒木飛呂彦先生原作『ジョジョの奇妙な冒険【第四部】』のノベライズです。

 自分はこういう漫画のノベライズというものは、『金田一少年の事件簿』くらいしか読んだことがなくて、まぁ『金田一少年~』はそのまま推理小説として出しても問題はないんだけど、他の漫画、しかもこれが冒険活劇ときたもんだ。それってどうよ?的な思いがあったのであまり読まなかったのだけれど、コレはちょっとほっとけない。だって『ジョジョ』だもん。しかも、いちばん好きな第四部だもん。
 第四部といえば1999年、日本の杜王町が舞台で、力対力というよりも心理戦に重点が置かれていて、その伏線やどんでん返しは、まさに一級ミステリー。
 それを『夏と花火と私の死体』の乙一さんがノベライズ。ちなみに私は乙一さんの作品は上記作品を読んで以来だから、およそ二十年ぶり(アンソロジーなんかの短編はちらちらと読んだけど)。もはやどんな内容だったかも憶えてはいないけれど、熱心に読んでたことは確か。この作品以降の乙一さんの活躍は言うまでもないが、それなのに未読なのは、何故?
 まぁとにかく、実力と才能を兼ね備えた若き売れっ子作家「乙一」だ。いっちょ読んどこうぜ!と。

 長くなりましたが、これは『ジョジョ』ですね。いや、当たり前なんだけど文章であの独特の雰囲気を見事醸し出していました。筋金入りのジョジョファンが読んでも納得の一冊。ところどころにマニア心をくすぐる漫画のエピソードなどが盛り込まれて、その度にニヤニヤしてしまい妻に気持ち悪がられたりして、スタンドの描写なども独特の表現で丁寧に書き込まれていて、思わず握手を求めたくなったりしました。

 ストーリーも過去の話と現在の話が交互に流れ、ミステリ心をくすぐります。しかもこれがけっこう泣ける話だったりするんで、あぁなるほど、これが乙一の人気の秘密かぁ…と納得できました。

 でもやっぱりこれは『ジョジョ』を読んでる人のほうが断然、楽しめるだろうなぁ、と。『スタンド』の概念とかまったく知らないで読むのはちょっとキツイだろうなぁ…一応、説明はしてあるけれども。

 ともかく、この一冊により、これから乙一さんの他の作品を読んでみようと思いました。尚且つ、久しぶりにジョジョの奇妙な冒険全巻読破も。
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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ジョジョって… (プル)
2009-03-05 00:43:28
根強いファン居ますよね~…長いだけあって…。

ウチの今好きな人もスゴいジョジョが好きなんですよ~……ってそんな情報いらないですね…
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Unknown (ヤキ)
2009-03-05 17:31:45
ジョジョは面白いって良く聞くんですけどねー
あの絵がいまいち好きになれずに手をつけてません(笑)
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プルさん♪ ()
2009-03-08 14:51:12
小学六年生のときからの付き合いですからねぇ。私の思春期の成長(漫画人生)を語るのにジョジョなしでは語れません!
って、こういう人、けっこういるでしょうね☆

ジョジョ好きな人に悪い人はいません(キッパリ
ちょっと……いや、かなり変わってる人っぽいですが(自分のカラオケ、携帯に録音て 笑)いい人なんですね☆
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ヤキさん♪ ()
2009-03-08 15:01:14
もっすごいオモシロいぞ!
あの絵がいいんだけどなぁ、なんかヘンなポーズとか…絶対ハマると思うよ。

うちのカミさんも最初は敬遠してたんだけれど、オレがジョジョを語りたいがために無理矢理読ませたら、ハマりましたよ。

これを機会に、ヤキも読むがいいさ!
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Unknown (ヤキ)
2009-03-09 15:43:39
いやージョジョ立ちのクネクネ感なんとも・・・笑

き、機会があれば読んでみます。。。( `ー´)
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Unknown ()
2009-03-10 23:16:59
そうそう(喜
あのジョジョ立ちを究めればコワいもんなしです!

機会があれば究めてくださいっ!!!(違っ
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