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しのです。不妊治療と妊娠と。

2020年11月04日 | 育児・妊娠出産・家事

ruricafe読者の皆様、こんばんは

以前こちらでお世話になっておりました

しのと申します。

農業のことや趣味のことをたのしく書き散らかしておりました。

それからいろいろを経て不妊治療をし現在、妊娠中で出産を控えております。

同年代の女性の読者さんも多いこのルリカフェで

私の経験を面白く読んでもらえたら、そしてなにかひとつでも心あたたまったり、

発見があったらとてもうれしいなという思いがありまして、

ひろみんのススメもあり、少しだけこの場をお借りすることになりました。

短期集中連載ではありますが、どうぞお付き合いください

 

さて早速参ります

軽く自己紹介しますと、私は2008年結婚。

地方の農家に嫁ぎ、農業に汗を流しつつあたたかい家族と夫に囲まれ、

のびのび育っておりました。

(とっくに大人なんですが、新しい環境の中、

嫁としてすくすくのびのび育ったような思いがあります)

 

子供はずっと縁がなく、なんでかな?まあいつかできるさ~

のんびりかまえていたのですが、だんだん嫁として思春期を迎え

いろいろ考えるにつけ妊活というものをしないといけなさそうだぞ、と思うようになりました。

 

温めたり。

よもぎ蒸しをしたり。

冷えとりにはまったり。

女性らしさ、を改めて気にしてみたり(ひろみんにもだいぶ刺激を受けました

仕事だけでなく、趣味に打ち込んでみたり。

漢方医に通ったり、ハリを受けてみたり。

どれもとても楽しく、とてもよい旅路だったように思います。

そして女性である自分について実地で学びました。

自分のからだはとてもやわらかで、ほんのすこしの気温差で機嫌がわるくなったり

足元をほかほかのふっかふかにしているだけで、身体のキレがよくなったりすること。

冬の過ごし方、夏の過ごし方。下着で無理にしめあげないこと。

ときどきとても疲れちゃうのは、頑張りが足りないのではなく他に原因があったのかも、

と思えるようになりました。

2年くらいたったころでしょうか。

でもやっぱり子供はこなくて。そろそろ次のステップへ進む時が来ていたのだと思います。

私の住んでいる地域では不妊治療に一定の助成金が降りるのですが、その回数は

治療をはじめた年齢で変わります。

私の地域では40歳を境に回数が減ることになっていました。

39歳の年明け。「とにかくいっぺんやっとこう。」「一回やっとけば、間があいても大丈夫だ」と

思い立ち、まだ新しい不妊治療専門のお医者さんの無料セミナーへ。

おだやかな目の男性医師がていねいに金額から説明してくれ、

年齢のことを告げると「今から始めれば、誕生日までに第一回の治療が間に合います。」との返事。

もっと実績のある病院との比較で悩んでいたけれど、この先生の目。

この大きくて、おだやかで、澄んだ目が気に入って

自分が少しでも楽に通えることを大事にしよう、との思いから

この病院で不妊治療を始めることにしました。

 

不妊治療と聞いて笑顔になる人はいないと思います。経験者であっても。

いつかは飲まなきゃいけない苦い薬。私にとってはいつからかそうでした。

だからこそ、自分の意志で飲まなければなりません。

誰かのために、家族のために飲むことはめぐりめぐって子供に返ってくる気がしてならず

ずっと逡巡していたのですが、

「本当に自分のやりたいこと」がなんなのか、とつきつめていったら、

私は、不妊治療がやりたかったのです。

大きなお金がかかって、おっかない病院通いをしなくちゃいけなくて、注射もうつ。

そんなことなのに、ほんとにほんとうに私が今、やらずに死んで後悔することは

不妊治療でした。

春が来て花が咲くように、私はたのしい妊活を味わい尽くして

現実学校に入学しました。最初は震えながら、です。産婦人科に入るのは怖かった。

でも、最初に先生の目を見て決めたように、私にはひとつの思いがありました。

それは「毎回かならず自分にごほうびをあげる」ということです。

受診あとは必ず甘いものやときめくことに時間とお金を使う。

血の掟だ!こんなにビビりでチキンな私がこんな偉業に挑戦しているのだから!と

夫にも宣言し、そのおかげで通院は最後まで続けられたのでした。

2019年の春でした。

 

ここまでのことを夫はどう見ていたのか、と言いますと、

彼は自分から子供がほしいといったことはありません。

「それよりも、高齢出産のリスクを考える」という彼に私の胸はいつも分からないもので満たされました。

でもある時、子供がほしい。産んでもいい?と聞いたとき。

こっくりと、深くうなずきました。そのゆっくりと、深いうなずきに勇気をもらって

私は一歩踏み出したように思います。

それから時にケンカもしたけれど彼は変わらぬままでした。

 

二人の貯金を使うこと。

不妊治療中の不調は、そのまま仕事に影響するだろうから、みんなに負担がいくこと。

彼と家族の協力があってはじめてできたことでした。

私は、自分の一番やりたいことに生まれて初めての額のお金を使って

周りにいっぱい甘えて、はじめることができている。

私がやりたいといったことにみんなが賛成してくれて、応援してくれている。

こんなありがたいこと、ない!

それはしんどい治療のさなかでも最後まで忘れずにいられた事実で、

そんな自分にとても満足しています。

 

同じ立場の方みなさまに不妊治療をおすすめするわけではありません。

でも、やるならやってもいいと思います。

そしてやるのなら、とにかく自分を楽にしていただきたい

自分を責めるためではなく(もう十分でしょー)

さらにがんばるのでもなく(通院めんどい)

病院行くのは気が進まないけど、帰りにおいしいケーキが食べられるから…という

具合で続けていただきたい。

女性ホルモンや女体は未知の神秘に満ちていて

どうして受精卵が着床して妊娠するのかなんて、いまだまったくわからないのです。

でもストレスが大きく邪魔をすることだけはわかっているようです。

そしてこのストレスとの闘いは、ほんと~にむずかしい!

薬や注射の副作用を受けながら、

「なるべくストレスなく過ごしてくださいね…(困り顔)」と言われても

穴の開いたひしゃくを渡されて海をからっぽにしてくださいと言われたような気がします。

だから自分を楽にしてあげてください。泣きながら自分のためにはじめたこと、

ならば自分を楽にして、よいコンディションにして。

不妊治療のコツだと思います(もはや人生のコツかも、私にとって!)

 

とっても長くなりましたので今回はこの辺で

次回に続きます。

 

そうそう、最後に病院で聞いたすごく素敵だな~と思ったデータのお話を

不妊治療先進国のイスラエルの研究ですが、

「着床したと思われる瞬間、何をしていましたか?」という質問に対し

「笑っていました」という夫婦の妊娠率は、そうでない夫婦に比べて高いそうです

だから、笑ってください。とお医者さまにも言われました。

実際友人からもそんな話を聞いたことがありますなんてステキ!

コメント (7)
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