ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

知られざる傑作

2009-07-03 22:02:39 | Weblog
他五篇。バルザック著、水野亮訳、岩波文庫。

すべて19世紀の作品。初版は1928年。
読みながら、なんだか懐かしい気分になった。

よく小学生のころ図書館で借りて読んだ「世界の○○話」といった本は、
こんな雰囲気だったし、訳文のテンポもこんな感じだった。
そして、私は、そういった翻訳の本が好きだった。

なんとなくマンガを読んでいるかのような独特の印象。
そして、何ともいえない深い読後感がのこる。
人に対する洞察力と、共感する心の優しさが、
きっとこんな文章を生み出したのだろう。
もっともっと読みたくなった。

久しぶりに、本の続きが気になって、はやく家に帰りたくなった。
単に仕事に疲れていただけかもしれないけど。
でも、ふと違う世界に連れて行ってくれる読書と音楽。
本当に、日本の識字率が高いことと、
幼い頃から私にクラシックを聴かせてくれた両親に感謝だなあ。

今日は、少し職場の雰囲気がぎすぎすしていた。
集中して事務仕事をしたかったので、イヤホンでブラームスを聴きながら仕事をした。
こんなワガママがゆるされる職場にも、やはり感謝だな。