ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

お金に換算しない仕事

2010-02-08 11:53:22 | Weblog
今朝、外を歩いていたら、
白い息を吐きながら、近所の主婦の方が2人、
資源ゴミの選り分けをしてくれていた。

どうやら分別のできない人が近所にいるらしく、
1つずつ空き缶や瓶を取り出し、整理している。

「ああ、この人たちは、こんなことをやっても一銭も儲からないのに、
こんな寒い朝なのに、日陰なのに、
おしゃべりしながら当然のことのようにやってくれている」
そう思って、すごく頭が下がった。

私の家は団地なので、こういったことは管理人さんがやってくれる。
どうやら団地以外の近所の人が夜中に無断でゴミを捨てにくることもあるらしく、
最近マナー向上を訴えるはり紙がゴミ捨て場に貼られた。

「管理人さんはお給料をもらってやっているけど、
この人たちは無償でやっているんだなあ」
そう思ったときに、
仕事には、お金に換算したとたんにやる気がなくなったり、
つまらなくなるものがあるなあ、と思った。

例えば、うちの管理人さんは、いつも不機嫌だ。
もともと都の公団管轄だった団地なので、
地方公務員が退職した後に管理人をやってくれることが多い。
いつも「管理」や「規律」「規則」で、
住民を統括することに意識がいっているから、私はあまり親しめない。

その点、ボランティアだ、と割り切っている主婦の人たちは、
きわめて前向きに作業をしている。
社会の役にたっている、という自負心があるから、その作業を卑下しない。
いっぽう、お金に換算されてしまうと、
とたんに苦痛をともなう単なる労働になってしまうことが、仕事の中にはたくさんある。

かといって、社会主義ならその矛盾が解消できるでしょ、というのは、
無理だと言うことが、すでに証明されている。

稼ぐためにする仕事のほかに、
ちょっとした楽しめる仕事、人の役に立っていると実感できる仕事を、
社会や誰かからの強制ではなく、
自分の意志で行う余裕が生活にあれば、とても幸せなんだろうと思う。

そんなことを考えながら歩いていたら、梅の花が咲き始めていた。